心の琴線に触れた松井先生のお話

 

「不思議なおじいちゃんとの出会い(1話目)」
 

「鬱病に至るまでの経緯(2話目)」
 

「光の見えない暗黒時代(3話目)」

 

「大好きな祖母との別れ(4話目)」

 

4話目の続きです。

 

 

 

2010年12月14日。

 

不思議なおじいちゃん(松井先生)は、私の話をずっと聞いて下さった後、こんなことを言いました。

 

「おばあちゃんは、全て分かっているから大丈夫。何故だか、そういうことは分かるんですよねぇ。」

 

 

 

※実は松井先生は、神様と繋がれたり、先が見えたりするような力を持つ不思議な方だったのですが、私はそんなことを知らなかったので、何を言っているのか分からないところもありました。

 

ですが、不思議と安心した気持ちになったことは覚えています。

 

 

 

松井先生は、続けてこんな話をしてくれました。

 

「この世は全て二つのもので成り立っているんだよねぇ。善があれば悪もある。そして、この世は全てが業で成り立っています。」

 

「業というのはカルマとも言うんだけれど、働きや行いのことなんだねぇ。何かを行うことで波が起こって、その波が返ってくる。そして、次が大事なことなんだけど…。」

 

「善いことをすれば善い波が返ってくるけれど、悪いことをすれば悪い波が返ってくる。でも、何もしなければ何の波も起きないんだよねぇ。」

 

 

 

と、その話を聞いた時、私の頭にハンマーで殴られたような衝撃が走りました。

 

「あぁ、本当にその通りだ…。」

 

「私は10年もの間、悪い波ばかり出していたけれど、良くなりたいと思っていただけで何の行動もしていなかった…。」

 

 

 

今まで、同じようなことを言う人や、書籍などでも似たような言葉を読んだことがありますが、松井先生の私のことを見透かしたような言葉には、心の琴線に触れるような心を震わせるものがありました。

 

そして、松井先生は次のように言葉を続けます。

 

 

 

「この世は全て願いが叶う世の中なんだよねぇ。でも叶っていないと思うでしょう?それはみんな願い方を間違えているからなんだよねぇ。」

 

「実はみんな願いが叶っているんだよ。全ての種は自分で蒔いているということ。言葉を変えたら自己責任と言うんだけどねぇ。」

 

「大切なのは、自分の力量の範囲内で最高のものを願って実践すること。ただそれだけなんですよねぇ。」

 

 

 

その他にも、因果律の話や真言密教の話など、当時の私には難しい話もありましたが、何より私の心に残ったのは、「全ては自分の蒔いた種だった」ということです。

 

自分を憎み、人を憎み、社会を憎み…。

 

人のせい、社会のせいにしていたけれど、全ては自分の責任だった…。

 

 

 

自分の環境を良くしたいと願いながらも、ただ願っているだけで何も行動してこなかった…。

 

自分に都合の良い善い波ばかりを願っていたけれど、その実、私が出していたのは悪い波ばかりで、善い波を起こそうと何も行動してきていませんでした。

 

 

何だか頭の中のモヤが少し晴れたような気がしていたのですが、その私に松井先生がこんなことを言います。

 

「毎月、ここで今少しお話したような仏教の勉強会をしているのですが、もし良かったら池本さんも参加してみませんか?」

 

 

 

仏教へのお誘いなんて聞いたら、今まで何度か新興宗教のお誘いなどもあったので普通なら警戒すべきところなのでしょうけれど…。

 

松井先生の裏表の無さに、私は何の疑いも無く、「是非、参加させて下さい!」と返事をしていました。

 

 

 

それから私は松井先生の勉強会に参加するようになるのですが、松井先生と出逢った翌日も、新たな出逢いがありました。

 

 

<6話目に続く>

 

 

 

 

 

 

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