大好きな祖母との別れ(4話目)
3話目の続きです。
どん底の中、私を救ってくれた存在。
それは、この二人です。
私の祖母と愛犬のハロです。
愛犬のハロは、私が新入社員として会社に入る前から飼い始め、何度も心を癒してくれました。
私が幼い頃から両親が自営業で共働きだったこともあり、私の祖母は私の育ての親のようでもありました。
祖母は私の調子が悪くても、あれこれとガミガミ言うこともなく、いつも私のことを心配してくれていて、私が家に居られたのも祖母の存在が大きかったのです。
ある日、その祖母が体調を崩し、心臓肥大という病気になりました。
一度転んで足を骨折して入院したことがあるのですが、退院した後、足腰がめっきり弱くなり、軽い介護が必要な状態になったのです。
私の両親は共働き、私の兄はアメリカ在住。
それなら何もしていない私が面倒を見よう…と、介護の専門学校に通わせてもらいました。
まだ精神的に不安定な状態ではありましたが、普通なら2年で卒業のところ、3年通って何とか卒業して、特別養護老人ホームに就職しながら面倒を見ていたのですが…。
夜勤などもある状態で、祖母の面倒を見ることも難しく…。
それなら自宅で出来る仕事をしようと、ホームページ制作の仕事をしながら祖母の様子を見るような生活になりました。
自分が望んだ生活だったはずなのですが…。
私がPCに向かって作業をしている時、「まさと~!」と部屋から呼ばれ、「トイレに連れて行ってもらえる?」と何度も仕事を中断されるようになってくると…。
最初は良かったものの、何度も続くとイライラするようになってきてしまうのです。
ある日もトイレに呼ばれ、トイレから連れ帰る時、祖母がこんなことを言うのです。
「いつも迷惑かけてごめんねぇ。」
その言葉を聞いて、内心は「そんなことないよ。」と思いながらも、イライラしていたこともあり、その言葉を出せず、ムスッとした態度のまま祖母をベッドに寝かせ、翌日は朝から病院へ出掛けました。
その時、私の母から一通のメールが届きました。
「なんだろう?」とメールを開けてみると…。
「おばあちゃんが亡くなりました。」
という文字だけが書かれていました。
「え!?」
昨日の夜まで普通だったのに、そんな急に!?
慌てて家に戻り、もう葬儀場へ行ったということだったので、急いで移動すると…。
そこには冷たくなった祖母が棺の中に眠っておりました。
母の話では、祖母は誰もいない時に亡くなっていたそうです。
母が少し出掛けて家に戻ってくると、愛犬のハロがいつもと違う様子で吠えていて、祖母の部屋の前に移動して、「ここを開けて!」と言わんばかりにドアに飛び跳ねていたらしいのです。
母がドアを開けると、ハロは祖母の寝ているベッドの上にピョンと飛び乗り顔を舐めていたそうなのですが…。
もう、その時には心臓が止まっていて、救急車を呼んで心臓マッサージをしたものの、息を吹き返すことはなかったということでした。
前日、私が最後に祖母と接したのは、嫌な顔をしてトイレに連れて行った時です。
祖母の最後の言葉は「いつも迷惑をかけてごめんねぇ。」でした。
私は自分の行為を悔いました。
一体何の為に介護の学校に行ったのか。
一体何の為に在宅の仕事を選んだのか。
私を支えてくれていたのは一体誰だったのか…。
あれだけ大好きだった祖母に、どうしてあんなに冷たい仕打ちをしてしまったのか…。
悔いても悔いても悔やみきれず、それからしばらくは毎晩祖母のことを考えて泣いていました。
祖母が亡くなったのが年末で、お寿司屋もおせち料理の予約への対応などで忙しい時期だったので、お墓参りは翌年に行くことになりました。
私の家のお墓は秩父にあるのですが、当時は一月でとても寒い時期です。
遠くの山には雪が積もっていて白く見えていました。
お墓の前で、私は今までのことを考えました。
思い返してみると、私は10年もの間、祖母にろくな姿を見せていませんでした。
大声を上げたり、暴れまわって部屋の壁に穴を開けたり…。
祖母を汚い言葉で罵ることもありました。
それでも祖母は何も言わず、私のことを心配してくれていたのです。
その時、ふと思ったのです。
もしかしたら、まだ心配しているのではないだろうか…?
よく現世にいる人が後悔していると、あの世にいけないような話を聞いたことがあったので、祖母のお墓の前で両手を合わせて次のように誓いました。
「もう大丈夫だから!もう心配かけないから!」
そう手を合わせて誓った瞬間、不思議なことが起きました。
今でも良く覚えているのですが…。
目の前からフィルムが一枚剥がれるような感じがして、世界がとても綺麗に見えたのです。
遠くの雪山も白く光り輝いていて、とても美しく見えました。
その時に初めて気付いたのですが、今まで私は色が見えていなかったのです。
赤とか青とかの違いは分かっても、ハッキリと色が見えていなかったようなのです。
目の前に知らずにあったフィルムが剥がれて、「世界の美しさ」を始めて目の前に感じられたのですよね。
それからというもの、私はみるみる内に元気になっていきました。
私の過去を知っている友人からは、「おばあちゃんが悪いものを連れていってくれたんだね。」と言ってくれる人もいました。
それから私は心のことなどに興味を持つようになり、心理学を学んだり、NLP・リーディング・コーチングや仏教を独学で学んだり、とにかく色々と学ぶようになったのです。
一話でお伝えした男性のセミナーに行ったのも、色々と学んでいた時期でした。
ただ、色々と学んでいても、ずっと心の中に穴が開いているような状態があったのです。
それが何なのか分からないけれど、どうしたら胸の穴を埋められるのか…。
そして、祖母のことも気になっておりました。
一人、部屋の中で何を思っていたのだろう…。
とても寂しくて苦しい思いをしていたのではないだろうか…。
何より、自分自身が無視をされる辛さを経験していたはずなのに、可愛がってきた孫に冷たくされた時はどんな気持ちだったのだろう…。
元気になり、色々と活動出来るようになったとはいえ、実はまだ祖母のことが気にかかっていて、そのことを誰かに尋ねたかったのだと思います。
そして、松井先生というおじいちゃんに出会い、初めて会ったばかりなのに、こんな自分の生い立ちを長々と話していたのです。
それを聞いた松井先生は、私にこんな話をしてくれました。
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