某エステ協会理事から伝えられた言葉(30話目)
29話目の続きです。
松井先生が苦労して作り上げた泥パックと黒ヘアー。
その利権を求めて群がってくる人も大勢いたのですが、逆に協力してくれようとする方もおりました。
以前にお話に出てきた某エステ協会の理事をされていた女性です。(10話目参照)
「松井先生、それなら私が関わっている協会でお手伝いしましょうか?」
とても良いお話だったのですが、松井先生は丁重にお断りしました。
何故かというと、松井式を学びに来て下さった受講生さん達のことを思い量ったが故です。
松井先生が協会を立ち上げられてから、受講しに来て下さった方々には安く買えるようにしていました。
理事の女性からお話を伺った頃は、何名かの受講生さんから、生活が大変だという相談を受けていたこともある時期だったのです。
松井先生は、施術だけで生活していくのは大変だろうということで、泥パックなどの商品を受講生さん達も必要とする人に販売して頂いて、それで利益を得てもらえたら…と願っていました。
故に、協会はもちろんのこと、製造販売している会社は、ほとんど利益を得ていません。
「みんなが必要な方の元へ届けてくれて、それでみんなの生活が豊かになるなら、それだけで充分だよねぇ。」
松井式の受講生さんが利益を得てくれれば、協会は運営していければ、会社も何とか回れば、もうそれで良いのだと…。
今でも同じなのですが、一般社団法人日本おうち整体協会の正会員になると、泥パックや黒ヘアーなどの販売権利も付いてくるのです。
普通なら化粧品の販売権利を得るには、高額な契約料を支払ったり、いくらか分の化粧品を購入してもらったりということを行いますが、松井式の場合には講座を学んだ時から、その権利が発生するようになっています。
受講料を支払うのが大変だという人がいた時は、「それなら後から支払って頂ければ大丈夫ですよ。」と仰られたこともありました
そんな厚遇にも関わらず、結局は講座料金を支払わずに辞めてしまうようなこともあったのです。
でも、松井先生は何も言わないのです。
そういうことがあると、未熟な私は「どうして松井先生のお気持ちが分からないんだろう。」と本当に残念な気持ちになったものでした。
ただ、松井先生も人の子ですから、残念な気持ちにならないわけでもないのです。
ある時、仲良くしていた受講生さんがフッと離れてしまったことがありました。
その時、松井先生は「残念だなぁ…。」と少し悲しそうな顔をされておりました。
松井先生が亡くなられた後、その受講生さんと少しお話する機会があったのですが、そのことをお伝えすると、とても驚いた様子で…。
「松井先生がそんな風に思っていて下さったなんて知りませんでした。もしかしたら私は松井先生に相手にされていないかもしれないと悲しくなって離れてしまったのですが、全ては私の独りよがりだったのですね…。」
と仰られておりました。
松井先生からすると、「みんな仲間」なのです。
だから、関わった人のことを考えて、どうしたらその人達が幸せになるのだろうか…ということを考えていました。
ある時、こんなこともありました。
私の友人で仕事を辞めてフットマッサージの仕事で独立しようと思っている…という人がいて、松井先生に相談したいというので引き合わせたことがありました。
その話を聞いた後、松井先生が私に尋ねました。
「まーくんはどう思う?」
「僕は好きなことをやったら良いと思いますが…。」
「そうか、まーくんはそう思うか…。」
と、私の友人に松井先生が話し始めたことは、止めた方が良いということでした。
今の仕事が安定していること。
独立して施術だけで食べていくのは大変なこと。
ついでに、今の異性関係についてまで反対されておりました。
相談の帰り、友人は泣いていました。
自分のやりたいことだけでなく、好きな人のことまで悪く言われたように思ったからです。
「松井先生なんて嫌い」だとまで言っていました。
その時、「前にもこんな話を聞いたことがあったなぁ…。」と思いました。(7話目参照)
その時に相談してから、もう何年になるでしょうか。
7年くらいにはなるかと思いますが、結果的に振り返ってみると、松井先生のアドバイスは的確でした。
仕事も続けていて良かったし、異性関係もそのまま続かず、結果的には松井先生が言っていた通りにして全て良かったのです。
松井先生は目の前の人のことを思って、とても現実的なアドバイスをします。
そして、自分に出来ることを精一杯します。
まだまだ私はそこまでの域には達しておりませんが、そうありたいと思い協会運営を続けています。
松井先生が亡くなってから2,3年経った頃だと思いますが…。
今回のお話にも出てきた某エステ協会の理事をされていた女性が、こんな話をしてくれました。
「実は私、松井先生が亡くなる前、電車の中で偶然お会いしたことがあります。私は○○に住んでいるでしょう?だから同じ電車を使っていて、たまたま会ったのですよね。」
「その時、『協会の方はどうですか?』ってお尋ねしたら、『まーくんとあっちゃんが頑張ってくれていますからねぇ。もう、まーくんとあっちゃんは大丈夫。後はあの二人に任せておけば大丈夫。』と、そう仰っていたのです。」
「まさか、その後、松井先生が亡くなられると思ってなんていなかったので、その時はお二人も頑張っていらっしゃるのだなぁとしか思っていませんでしたが、今思うと、あれはお二人へのメッセージだったのかなぁ…とも思います。」
そのお話を聞いたら、もう目がウルウルとしてしまって…。
松井先生が亡くなられてからも、何とか運営を続けてきましたが、正直なところ、これで良いのだろうか…と試行錯誤の連続でした。
私とあっちゃんは考え方も違うので、何度も衝突してきましたが…。
松井先生が大好きだったこと、松井先生の背中を追いかけていること、関わる方に幸せになってもらいたいと思っていることは同じなので、共にやってこられました。
そんな私達は、松井先生に育てて頂いたおかげで今があります。
今でも大変なことは山ほどありますが、辞めたいと思ったことはありません。
関わった人が幸せになっていけば良いなぁ…と心から思っています。
今後も、松井先生が残した種を大切に育てながら、5話目で書いた松井先生からのお話のように、良い波を広げていきたいと思っています。
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