念願のギターを入手

ギターは

なかなか出来なかったことの一つです。

一生使える物を選ぶ、

「カスタマイズ不要の物を選ぶ」という

教訓になる体験です。

 

小学校の時から

ギターを弾いてみたいと思っていました。

 

テレビではドラムや歌も

目にしますが

ギターに一番興味をもっていました。

 

父にも

何度かお願いしたことが

あったのですが、

 

「チューニングが難しいからだめ」

 

と言われていました。

 

まだ昭和の

 

「ギターは不良」

 

みたいな変な価値基準もまだありました。

 

そんな父もいなくなったので

ギターを弾いてもいいんじゃないかと

思い始めました。

 

自分なりの検討を重ねた結果

ヤマハSC800がいいと決めました。

 

このギターの特徴は

 

各ピックアップの

位相が逆転できること、

 

弦をボディーの裏から通すこと、

 

ピックアップの

マグネットが一本になっていること、

 

この三つが自分の興味と

完全一致、ここに結構惹かれました。

 

 

今から思えば

能楽での

「被害者が加害者の演技をする」

 

そんな立場の逆転を

象徴しているような選び方です。

 

後になって思えば

自分の価値基準というのは

時代を経ても変わらない部分があります。

 

自分の持ち物を

よく観察してみると

自分自身の投影だと思うことが

多くなりました。

 

 

元来、楽器好きですから

ギターの話は止まらなくなるので、

自分史の方に戻ります。

 

 

うちは

父がいなくなったばかりですから

ほしいと思って

すぐ手に入る物では

ありませんでした。

タイミングを見て母に

お願いして買ってもらいました。

 

 

実際に

ギターを手にしてみると

チューニングが

難しい訳ではなかった。

 

父は

なにか特別な理由ではなく

家の中で音の出るので

やらせたくなかったのかもしれない。

 

何の気なしに

ダメといっただけのような気もする。

 

 

何気なく

発した一言は

かなり長期間

影響することがあります。

 

 

このとき

ギターとは限りませんが

音楽関係の仕事を

しそうだなという

漠然とした感覚がありました。

 

 

分解して気づいた大事なこと

ギターを弾く意外に

もう一つ興味がわいてきた

ことがありました。

それは、分解です!

 

 

ギター雑誌にも

ネックのメンテナンス方や

配線などが掲載されていて

どれも

実際に見たいと思う物ばかりでした。

 

配線やハンダ付けは

よくやってました。

 

 

小学校の時から

秋葉原のパーツ屋さんに

ラジオ部品を買いに行ったり、

模型の改造をしたり

毎日のようにしている事でした。

 

 

この改造というのも

一生のテーマだと思います。

 

元の物を

カスタマイズしたいということと

他人を変えたいという欲求には

共通点があります。

 

つい数年前まで、

安価なものや

手に入りやすいものを

最高のレスポンスになるように

調整、改造するということが

好きだったのです。

 

パソコンでも

自転車でも

とにかく改造しないと

気が済まないのです。

 

 

趣味としてみれば

悪いことではありません。

 

ところが私の特徴としては

このましくないものでした。

 

 

何が好ましくないかと言えば、

はじめの選別が良くないのです。

 

手にしてから自分に合うようにとか、

思うような性能にするとか

あとからかける手間が多すぎます。

 

はじめから

無改造で使える

最高に気に入った物を選ぶ

感覚が無かったのです。

 

ここは現在は

正反対に変わったところです。

 

現在は買い物に関しては

購入後のカスタマイズが

一切いらない

最高に気に入ったものだけを

選ぶようにしています。

 

 

このギターは

後に自作エフェクターを内蔵したり、

塗装を変えたり、

トレモロアームをつけたり、

だいぶ改造しまくってしまいました。

 

結局オリジナルが

一番いいということがわかるのは

だいぶ後になってからです。

 

ギターと小鼓の共通点

小鼓という楽器もならしに

100年三代かけて作ると

言われています。

 

「はじめはならない」

 

というのがプロの間でも話題に出る。

 

これをそのまま信じて

全くならないものでも

いつかなるだろうという

希望を持って打っていました。

 

10年たたないと

なるかならないかわからないと

言われるような気の長い楽器です。

 

この「鳴る」というレベルですね。

これも大きな勘違いをしていました。

 

そこそこ音が出る

楽器として使えるものを

100年打ち込めば

芳醇な音になってくるという意味です。

 

そもそもバランスが悪いとか

極端に厚すぎる、

薄すぎるという

難のある物を

どれだけ打ち込んでも

舞台で使えるような

音にはなりません。

 

樽に入れて

寝かしておけば

なんでもウィスキーに

なる訳ではないのです。

 

稽古は

しっかりする必要はありますが、

楽器の選択において

苦行と思える努力は

してはダメです。

 

はじめから

素質のある

質のいい物を使い込んでこそ

「音が出る」

という状態になります。

 

物理的に

全く鳴らない物は

使い込んでも鳴りません。

 

この人と物との接し方、

選び方は人

生において非常に大きな

幸福感につながっています。

 

 

何か日本人の特性と

言うよりは個人的な性格で

一番上位機種よりも

2番目の機種に

魅力を感じることも

多くありました。

 

性能は同じなのに

装飾がない、

それなら

シンプルな方を選ぶのは

この頃から

あまり変わっていないようです。

 

また10年ほど前から

ストーリーを売るということが

語られはじめ

ラーメンでも

家電でも

創業秘話や

店主の思いが語られ

そこで差別化するということを

多く目にするようになりました。

 

こんな自分史を

書いておいて何ですが

やっぱり周辺の情報よりも

自分の物なのかどうか

を見てしまうんです。

 

楽器は特にそうですが、

カタログのスペックで

選ぶ物ではありません。

 

同じ物がずらっと並んでいても

「あっこれは私のだ」

とか

「あれ、うちのがこんな所に」

のような

もう自分の物というのは

はっきりわかる物です。

 

「金の斧、銀の斧」

という寓話があります。

この中の

木こりのように

自分の使うべきものは

はっきりとわかる物なんです。

 

そんな感覚でいれば、

物で迷うことはありません。

自分の物なんですから。

 

もし自分の子どもが

迷子になって、

目の前に100人子どもが並んだら

スペックで選ぶなんて事は

無いと思います。

 

自分の子は自分の子。

楽器も同じです。

もっと言えば

パソコンだって

コップだってみんな同じです。

 

コピーライティングを

生業にしている人には

申し訳ないですが、

逆にコピーやパッケージを

取り除いた部分だけを

よく観察するようにしてます。

 

ストーリーは

そこから感じられる物ですし

やはり

 

「あっlこれは私のだ」

 

という感覚を大切にしたい。

 

物を買うときは

遺失物保管所に行くような感覚です。

 

そうすれば

ほんとに自分にぴったりの

一生をともに出来る物に

囲まれて過ごすことが出来ます。

 

次は「第18章 国士舘大学の柔道部に行く」です。

オリンピックがボイコットになった恩恵とは??

 

https://ameblo.jp/yuji-nohgaku/entry-12598905049.html

 

 

生まれる前

第01章【誕生前】 選んだ家庭
第02章【 0歳 】 誕生

幼少期

第03章【  2歳  】 トイレに落ちるのをこらえていた
第04章【 4歳 】 幼稚園に送迎なしで通っていた
第05章【 4歳 】 祖母にコップで殴られる
第06章【 4歳 】 祖母に仕返しをする
第07章【 4歳 】 茶化されるのが嫌い
第08章【 4歳 】 ブランコの鉄パイプが顔に刺さる
第09章【 4歳 】 本をひたすら開いていた
第10章【 5歳 】 世田谷線を止める

小学生

第11章【 6歳 】 小学校初登校
第12章【 9歳 】 弟の病気
第13章【 9歳 】 柔道を始める
第14章【 10歳 】 給食着の紛失
第15章【 10歳 】 光に包まれる

中学生

第16章【 13歳 】 父が亡くなる
第17章【 13歳 】 ギターを始める
第18章【 14歳 】  国士舘大学の柔道部にゆく
第19章【 15歳 】 天敵が現れる

高校生

第20章【 15歳 】 サッカー部に入る
第21章【 17歳 】 交通事故
第22章【 18歳 】 柔道大会で優勝する
第23章【 18歳 】 ビンテージギターを手にする
第24章【 18歳 】 テンプル大学とのご縁
第25章【 18歳 】 引っ越し
第26章【 18歳 】 衝撃の初月給

大学

第27章【 18歳 】 テンプル大学「卵」と「バナナ」
第28章【 18歳 】 アメフトを始め防具を譲り受ける
第29章【 19歳 】 失恋劇場は上手ばかりではない
第30章【 19歳 】 座間キャンプで英語が通じない
第31章【 19歳 】 小鼓を初めて見る
第32章【 19歳 】 休学する
第33章【 20歳 】 国立能楽堂に願書提出

国立能楽堂研修生

第34章【 20歳 】 国立能楽堂の試験
第35章【 20歳 】 人生を決めた一冊「行動学入門」
第36章【 21歳 】 国立能楽堂の稽古とアルバイト

内弟子

第37章【 23歳 】 20年の運転が始まる

独立

第38章【 32歳 】 独立記念能
第39章【 41歳 】 演奏家の妻と結婚
第40章【 42歳 】 娘が誕生
第43章【 43歳 】 舞台から集中治療室に運ばれる

退院後

第42章【 43歳 】 退院後に待っていたもの
第43章【 43歳 】 いのちの電話
第44章【 44歳 】 野菜自給生活
第45章【43~47歳】社会勉強勉強でセミナー通い
第46章【 44歳 】 自分を変えなければ何も変わらない
第47章【 47歳 】 重要無形文化財能楽保持者の認定
第48章【 47歳 】 初出版『ビジネス版「風姿花伝」の教え』
第49章【 49歳 】 読書の習慣化
第50章【 50歳 】 神社とお寺に立ち寄る習慣

まとめ

これから