第10章  世田谷線を止める【5歳】

とまれ!!

プライドや衝動には

「とまれ!!」

とストップをかけたいものです。

 

5歳の私はこんな体験をしました。

 

この頃は

「仮面ライダー」が放送され始めた頃でした。

 

 

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仮面ライダーの初放映を

祖母と見ていたことは

今でもはっきりと覚えています。

 

ヒーロー物全盛期のときには

必ず番組の最後に

「よい子はマネしないように!」

というお決まりのアナウンスがありました。

 

真似しないようにといわれても

そうは行かないのが子どもというものです。

 

友達と遊んでいて

電車を止めようという話になった。

 

世田谷線というのは二両編成の電車です。

二両編成と言っても

人の力で押さえて

止められるようなものではありません。

 

風呂敷をマントのようにして

遊んでいるような時代ですから

ふざけても

本気で電車を止めるようなことは

しないものでした。

 

ところがなにかの話の流れなのか、

ほんとに電車を止められるのか

試してみたくなりました。

 

そして

運命の瞬間がやってきます。

 

 

線路に入っていって電車を待っていた。

走ってきた電車に

「とまれ!!」

といって両手を広げたところまでは覚えています。

 

 

この時、なんの真似をしていたのかは

分からないが、

「とまれ!!」

といった瞬間は

本気で電車が止められると思っていました。

 

この後のことは覚えていないのですが、

一緒に遊んでいた友達の母親が

連れ出して家まで送り届けてくれたようです。

 

後で大変な騒ぎにはなったが、

実感も罪悪感も殆ど無い。

 

両親も周りの大人も

大いに心配をかけただろうし、

見ていた友人も、

このときに私が

電車とぶつかっていたら

かなりのトラウマになっていたように思います。

 

その点については

大いに反省し心のなかでお詫びしています。

 

それでも良かったのは

実際にぶつからなかったことです。

 

運転手さんも友人も周りの人も

一生のトラウマになったら

お詫びしてもしきれないところです。

 

少し逆の立場で自分が親で、

我が子が同じことをしたらどうだろうと考えてみる。

 

こういう人生のパターンというのは

一生影響する場合も多い。

 

もし電車にぶつかって死んでいたとしても

「有言実行」という点だけは

実現できたと思います。

 

しかし電車事故というのは

多大な賠償金がかかるものです。

 

自由意志を貫くには

それなりの資金準備が必要になる。

 

なぜか5歳位から

そんなことを薄っすらと感じていました。

禁止事項は発想の源

「よい子は真似しないように」

というアナウンスがヒーロー物のお決まりだが、

この禁止のメッセージは私にとって

おおいなるアイディアの源でした。

 

バスに乗るときも禁止事項の中に

肯定形の文章が書いてある。

 

禁止事項 運転手に話しかける 車内を走る   などなど

 

この否定形、肯定形の使い分けは

後に心理学やNLPで学ぶことになります。

5歳当時からずっと興味を持っていました。

 

 

そして禁止事項は

思ってもいないことっを発想する言葉でした。

 

飛び降りてはだめと言われれば

「飛び降りる人がいるんだ〜」とか

「スカートめくりしちゃだめ」と言われれば

「スカートってめくるんだ」とか

ワザとやらせるために

言葉にしているのかという疑問を

常に持っていました。

 

 

「壁を乗り越えちゃだめ」と聞けば

「この壁乗り越えられるんだ」という発見になった。

 

 

大勢の人が実行していることに関して

禁止事項は意味があるのかもしれない。

 

善良な人にとっては

悪の選択肢ができる作用も大きい。

 

しつこく同じことを

禁止事項として伝えれば

脳裏にイメージが焼き付いてくるものです。

 

大人になって役に立っていること

この事件から命はプライドのために

使うものではないということを学びました。

 

つまり無駄な争いをするなら

さっさと譲って

自分は理想の人生に効果的なことに

邁進するほうが

生まれてきた意義があります。

 

 

「有言実行」に命をかけるのもよいが、

ただのエゴなら命を費やす価値もありません。

 

そんな私も

人と争わなくなったのは

ここ数年のことで、

やはり売り言葉に買い言葉、

カッとなって無茶なことをする

自覚があってもコントロールはできませんでした。

 

心を落ち着かせる本を

何冊も読んだところで

冷静さを書いたときに

やり方を思い出せるものは

一つもありませんでした。

 

 

例えて言うならば

沸騰したお湯の冷まし方を

知っていたとしても、

瞬間に冷ませるかどうかは別のことです。

 

 

自分の経験として

カッとなったとき

自分をコントロールできたのは

この質問でした。

 

「必要?」

 

つまり今カッとしていることが

「必要」なのか「不必要」かの質問は

私にはとても有効でした。

 

買い物でも「必要」「ほしい」で自分に

問いかけてみると判断基準が全く変わってきます。

衝動をする効果は絶大です。

 

人生で何をしたいのかということ

「最後どうしたいの」という問、

そして「必要」「欲しい」の区別。

 

これだけで多くのトラブルは

回避できるようになりました。

 

 

必要なことはさっさと済ます、

不必要なものは関わらない。

これもはっきりしてきました。

 

 

この電車事件はプライドのために

命を使うなという教訓になっています。

 

思えば50年間

事柄は変わっても

電車を止めるようなことを

繰り返していたように思います。

 

 

自分の人生を象徴する

出来事のように思っています。

 

 

そして助けられたことは

このメッセージを誰かに伝えるためだと思っています。

命は大切なことに使いましょう。

 

 

自己のプライドやエゴをコントロールできずに

無謀なことを繰り返す、最初の出来事として

象徴的な思い出になっています。

 

 

電車がしっかり制御されていたので助かっている。

 

大きな相手に向かって

無謀に向かっていく。

 

能「善界(ぜがい)」の中にも

カマキリが大きな車に向かっていくことが

無謀の例えで語られていいます。

 

この「善界」の文字を見るたびに

電車に向かっていったことを思い出すのです。

「最後にどうなっていたいのか」
それに「必要」なのかそうでないのか

これだけで生きるのが楽になります。

 

 

次は 第11章 小学校初登校 です。

これから通うところなのに行き方がわからない、、、、、

 

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生まれる前

第01章【誕生前】 選んだ家庭
第02章【 0歳 】 誕生

幼少期

第03章【  2歳  】 トイレに落ちるのをこらえていた
第04章【 4歳 】 幼稚園に送迎なしで通っていた
第05章【 4歳 】 祖母にコップで殴られる
第06章【 4歳 】 祖母に仕返しをする
第07章【 4歳 】 茶化されるのが嫌い
第08章【 4歳 】 ブランコの鉄パイプが顔に刺さる
第09章【 4歳 】 本をひたすら開いていた
第10章【 5歳 】 世田谷線を止める

小学生

第11章【 6歳 】 小学校初登校
第12章【 9歳 】 弟の病気
第13章【 9歳 】 柔道を始める
第14章【 10歳 】 給食着の紛失
第15章【 10歳 】 光に包まれる

中学生

第16章【 13歳 】 父が亡くなる
第17章【 13歳 】 ギターを始める
第18章【 14歳 】  国士舘大学の柔道部にゆく
第19章【 15歳 】 天敵が現れる

高校生

第20章【 15歳 】 サッカー部に入る
第21章【 17歳 】 交通事故
第22章【 18歳 】 柔道大会で優勝する
第23章【 18歳 】 ビンテージギターを手にする
第24章【 18歳 】 テンプル大学とのご縁
第25章【 18歳 】 引っ越し
第26章【 18歳 】 衝撃の初月給

大学

第27章【 18歳 】 テンプル大学「卵」と「バナナ」
第28章【 18歳 】 アメフトを始め防具を譲り受ける
第29章【 19歳 】 失恋劇場は上手ばかりではない
第30章【 19歳 】 座間キャンプで英語が通じない
第31章【 19歳 】 小鼓を初めて見る
第32章【 19歳 】 休学する
第33章【 20歳 】 国立能楽堂に願書提出

国立能楽堂研修生

第34章【 20歳 】 国立能楽堂の試験
第35章【 20歳 】 人生を決めた一冊「行動学入門」
第36章【 21歳 】 国立能楽堂の稽古とアルバイト

内弟子

第37章【 23歳 】 20年の運転が始まる

独立

第38章【 32歳 】 独立記念能
第39章【 41歳 】 演奏家の妻と結婚
第40章【 42歳 】 娘が誕生
第43章【 43歳 】 舞台から集中治療室に運ばれる

退院後

第42章【 43歳 】 退院後に待っていたもの
第43章【 43歳 】 いのちの電話
第44章【 44歳 】 野菜自給生活
第45章【43~47歳】社会勉強勉強でセミナー通い
第46章【 44歳 】 自分を変えなければ何も変わらない
第47章【 47歳 】 重要無形文化財能楽保持者の認定
第48章【 47歳 】 初出版『ビジネス版「風姿花伝」の教え』
第49章【 49歳 】 読書の習慣化
第50章【 50歳 】 神社とお寺に立ち寄る習慣

まとめ

これから