最初から気にいらない相手だったので、熱くなるのに時間はかからなかった。
さっさとこいつを片付けて坂東高校の頂点に君臨するマサシを引きずりおろさなければならない。
俺が前に出ると、金髪坊主のシンゴも一歩前に出て立ち止まった。
年下相手に引き分け続きだったせいか、シンゴも相当気合いが入っているようで、既に眉間にしわが寄っている。
肩もいからせ、今にも飛び掛ってきそうだ。
余裕がなくなっているなと思った。
チラリと見届け人役のリョウキに目をやると、腕組みをして渋い顔をしている。
リョウキも余裕がない感じだと思った。
俺は楽しくなってきた。
予想をひっくり返すのが好きだった。
「お前、そっちで一番つえーの?」
俺がそう言ってもシンゴの顔は変わらなかった。
俺は言葉を続けた。
「俺、一番つえー奴とやりたいんだよね。お前、一番じゃないなら一番を連れてこいよ」
するとようやくシンゴが口を開いた。
「やかましいわガキコラ。自分で確かめてみろや」
目の前のシンゴが動き出す前に、俺からシンゴに向かってゆっくりと進み始めた。
シンゴは臨戦態勢に入った。
あと3メートル程という時に俺は拳を強く握りこんだ。
そして、勢い良く一気に距離を詰めた。
~つづく~
井口達也
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※登場人物おさらい
坂東高校
マサシ(坂東高校番長)
リョウキ(ナンバー2)
絵美(達也の恋人?)
菜穂(テルとヒロシが惚れた女)
シンゴ(坂東高校一年金髪坊主)
サダミツ(坂東高校一年筋肉マン)
ワタル(唇ピアス。坂東高校一年)
達也(狛江の馬鹿)
テル(狛江のカバ)
ヒロシ(狛江の九官鳥)
森木(狛江のダンディ)
ワン公(狛江の土佐犬)
ルパン(狛江の怪盗)
ヒデくん(鼻毛が出てる人)
ミカ(ヒデくんの彼女でありヒロシの実姉)
ヤスシ(達也を奈良まで運んでくれたトラックの運ちゃん)
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