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「あ?」



達也はどうするんだよといわんばかりに皆が俺を見たので、こっちを見るなとばかりに不機嫌な口調で答えた。




「大丈夫大丈夫。こいつはえみえみとかいう女が待ってるから必ず行くよ」




テルがそう言うので、森木の手前、少し気まずい気がした。


不純な動機で奈良行きを考えているのかと。




お前も女目当てだろうとテルに反論しようとおもったが、俺は開き直った。




「わりぃかよ」




まさか開き直ると思っていなかったテルは、「え!?」といった顔になった。




「森木のかたきは、俺の用事のついでに打ってやるわ」




俺がそう言うと森木は「達也らしいわ」と言わんばかりに口元で小さく笑った。




「歳上の女は…いいぞ」



俺がボソっと言うと皆の目が一瞬輝いた。


皆は俺のこの言葉を聞いてから、漫画を読むにしてもテレビを観るにしても、どこか上の空といった感じになったのだった。




数分後、ルパンが股間を押さえながら言った。




「それじゃあさ、いつ行く?」


ルパンも不純な動機グループに仲間入りをしたようだ。




結局連休も間近にあったので、その日にした。




「行くのはかまわねーんだけどさ、お前らどうやって行くつもりなんだよ」




いつでも冷静な森木が言った。




するとテルが立ち上がった。




~つづく~


井口達也


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