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チキン番外編①
絵美は俺の手を引き、辺りを見渡しながら、何かを探すように歩いた。
「どした?」
「ないなぁ」
「何が?」
「なんでもええやん」
あまり遠くに行く時間もない。
「ここで、いいんじゃない?」
俺はそう言って、人が行きかう道の真ん中で立ち止まった。
「キスできる場所探してるんでしょ?」
「なは」
絵美は少し舌を出しておどけて見せた。そして言葉を続けた。
「みんな見てる前で出来るわけないやん」
「したくないの?」
「つんつんは?」
「つんつんは、えみえみと、したい」
「えみえみも、したい。なんちゃって。でも、ここじゃいや」
もどかしい時間が過ぎていく。
「えみえみ、今日はありがとう。楽しかったよ」
「つんつん、なんや、さみしいわ」
「また、会えるよ」
「そうやなぁ…」
絵美は諦めたような顔をした。
「もう少し時間あるし、戻りながら場所探そっか」
「…」
俺達は入り口に向かって歩き始めた。
しかし平日といっても物凄い人の多さだ。
とてもじゃないが、なかなか人目を避けられる場所がない。
最悪の場合、人前だろうがキスをしようと思いながら歩いた。
しばらく歩いて、キーホルダーを買ったお店の近くまで来た。
「そろそろ、時間やね」
焦った。
そして、寂しい気持ちになっていた。
俺は絵美の手を引いて、キーホルダーの店の並びにあるおみやげ物店の脇に向かった。
そこはまばらに植木があって、多少は人目を避けられる場所だった。
俺は人が行きかう道に背を向け、絵美が周りから見えないように立った。
絵美は俺が手を引くままに動いた。
キスをするという事で気持ちが固まっているのだろう。
知り合って間もないのに、まるで以前から遠距離恋愛をしていて、久しぶりにデートをしたが、また離れ離れになる時のような、なんとも言えない気持ちだった。
絵美は少し照れた顔をしながら、微笑んでいる。
「かわいい…」
「ん?」
あまりの可愛さに、思わず言葉が出た。
「えみえみ、かわいい」
「つんつん、それ、よく言われる」
俺は絵美の両肩に手を置いた。
そして、少し顔を近づけ始めたら、絵美は目を閉じた。
その時だった。
「テメェコラ!」
~つづく~
井口達也
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