屋上に上がってきたヒロシの手には、やはり思い出旅行のプリントがあった。
そして、プリントをひらひらさせながらこう言った。
「達也ぁ!お前、これ行かないよな?」
一瞬だけヒロシを見て、俺はまた空に漂う煙草の煙に目を戻した。
すると森木がヒロシに言った。
「俺も今達也に聞いたところなんだけどよぉ、めんどくせーってよ。」
「だよな。めんどくせーよな。うん。達也にはウハウハドリーム…いや、ネズミーランドなんて似合わねーもんな。」
ヒロシの意味深な言い方が面倒臭くなったので、俺は身体を起こしてヒロシを見た。
核心を聞きたかった。
「ネズミーランドはよぉ、女でごった返してるって本当かよヒロシ。」
「ん?んー、誰がそんな事言ってんの?あんな所ガキばっかでしょ。」
「ルパンが言ってたぜ?」
するとヒロシはルパンを見て、顔をしかめた。
余計な事を言いやがって、ということだろう。
動揺しているようだった。
「あ、あー、そうだったかな?まぁ、そんな日もあるかもね、うん。」
「お前、俺を行かせたくないみてーだけど、何かあんの?」
「そんな気ねーよぉ。達也の事だからさ、行かないんだろーなーって。」
焦るヒロシを横目に、今度は森木が話し始めた。
「達也が行くとさ、片っ端からナンパするじゃん?」
「しねーよ。可愛い子しか。」
「だろ?ヒロシは競争相手を減らしたいんだろ。」
俺はヒロシを見た。
森木の言葉が図星だったのか、ヒロシは俺を目が合うとすぐにそらして、とぼけた顔をして煙草をふかした。
「おし…行くかぁ。」
俺がそう言うと、ヒロシは少し肩を落とした。
俺は右手を軽く握りこんで、人差し指と中指の間から親指を少し出して、いわゆる「セッ○ス」を表す形を作り、ワン公に向けた。
「ワン公、お前も行くぞ。」
「ヒュウ~!」
これから起こる事など知る由も無く、のん気に喜ぶ屋上の馬鹿共。
そして思い出旅行当日を迎えた。
~つづく~
井口達也
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