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チキン番外編①

チキン番外編②

チキン番外編③

チキン番外編④

チキン番外編⑤
チキン番外編⑥
チキン番外編⑦

チキン番外編⑧

チキン番外編⑨

チキン番外編⑩

チキン番外編⑪
チキン番外編⑫

チキン番外編⑬

チキン番外編⑭

チキン番外編⑮

チキン番外編⑯
チキン番外編⑰

チキン番外編⑱
チキン番外編⑲



「オラ、おめーら、行くぞ」




テルはそう言って立ち上がった。




一度熱くなったテルをなだめるのは至難の業だ。




一人で行って絵美を驚かせる魂胆だったが、どうやらそれは難しそうだ。




俺は渋々立ち上がった。




「ヒロシ、何やってんだよ。行くぞコラ」




いざ行くとなるとあまり乗り気には見えないヒロシの顔を見て、テルは語気を強めた。




「どうやって行くんだよ」




ヒロシがテルに聞くと、テルは眉間にしわをよせて、車を運転する真似をした。




ヒロシは呆れたように言った。




「車なんてねーじゃん」




「下にあんじゃん。達也の親父のが」




テルはそう言って俺を見たので、俺は「テル、お前が運転するならいいぜ?」と言った。




するとヒロシが言った。




「いいぜ?じゃねーよ。また鬼兵隊の時みたく人でも轢いたらどうすんだよ」




俺とヒロシはテルを見た。




「ヒロシ、達也、おめーら俺をナメてんだろ?あれからかなり上達したっつーの」




そう言ってテルはさっさと玄関に向かった。




俺もその後を追うと、ヒロシはぶつくさ言いながらもついてきた。




いざ車にのると、さすがに俺も少し怖かった。




俺よりはましだが、テルの運転は怖い。




しかも、さっきまで余裕の表情だったテルがカチコチに緊張している。




「なぁにが上達してるだよタコ。いや、カバ。ガチガチじゃねーかよ」




助手席から俺がつっこむと、テルは「ううううるせぇ。だぁーっとけ」




テルは深呼吸をして車を発進させた。




しかし、車は急発進して壁にぶつかった。




「だから嫌だって言ったんだよ!俺帰る!」




ヒロシはそう言って車を下りようとした。




テルは焦って車をバックさせたが、これも急発進。




車を下りかけていたヒロシは大きく振られ、シートに叩きつけられた。




俺は爆笑した。




「テル、おまえが上達したのは良く分かったからさ、電車にしようぜ」




俺がそう言うと、テルは安心した顔をした。




それから俺達は狛江駅に向かい、一路浅草を目指したのだった。


~つづく~



井口達也



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