(チキン番外編はコチラ↓から)
チキン番外編①
明らかに不機嫌になっている俺に、テルが言った。
「達也、俺たちも帰ろうぜ」
なんとも言えないやりきれなさが残った。
俺の前を歩くテルとヒロシは、菜穂の話で盛り上がっている。
俺と絵美の関係など、どうでもいいらしい。
二人は菜穂の話に夢中だ。
しばらくして、信号待ちの時にヒロシが俺に言った。
「あの子、誰?絵美って呼ばれてたけど。っていうか、つんつんって…何?まさか…達也だからつんつんって呼ばれてんの?ウケる」
俺は拳を振りかざした。
でも、やめた。
何だか少し疲れてしまったようだ。
浅草の駅に着くと、テルが切り出した。
「俺、菜穂ちゃんに惚れた」
ヒロシがそれに続いた。
「待てよカバこのやろう。菜穂ちゃんは俺の事が好きなんだよ」
「何だこの赤ザル。菜穂ちゃんはな、俺の事かわいいって言ったんだぜ?俺に惚れてんだよ。諦めろコラ」
「あ!?」
「何だコラ!?」
二人はまんまと菜穂に心を奪われたようだ。
「本人に確かめたらいいじゃん」と俺が言った。
すると二人で俺を見た。
「もう会えないじゃん」
ヒロシが言った。
それを聞いてテルが勝ち誇った顔で答えた。
「赤ザルよぉ、お前の負けだな。俺は奈良まで行って菜穂ちゃんに告白するぜ?お前は諦めろこの性病ザル」
「く…!このカバゴリラ!俺だって奈良に行って告白してはっきりさせてやんよコラ」
顔を真っ赤にして怒っているテルが俺を見て言った。
「達也、お前も行くだろ?」
少し考えたフリをしていると、テルが俺の顔に急接近した。
鼻と鼻がつくほどの近さだ。
「来い」
「…わーったよ」
ドロップ軍団、奈良遠征決定の瞬間だった。
~つづく~
井口達也
※最近軽トラが欲しい達也です。似合いそうだろ?※
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