「そっか。何時位まで家いるの?」
「六時くらいの予定やよ。つんつん、ほんまに来そうな言い方やん。もしかして、もう奈良にいるとか」
「俺?今東京だよ」
「はぁ…。寂しいわ」
「ちなみにその友達って…女?」
「あたりまえやーん。何つんつん?もしかしてぇ…嫉妬してんのぉ?」
「してる」
意味深な間があった後だったので、いまひとつ信じ切れなかった。
「えみはつんつんだけやよ。つんつんは?」
「決まってんだろ」
俺はそう言いつつ、大事な事を一つ思い出していた。
俺達を袋叩きにした相手、坂東高校のマサシの事だ。
右も左も分からない土地でマサシ達と会うには絵美から情報を得るしかない。
来る前からそうしようと考えてはいたが、絵美に会いたい思いが強すぎて頭の片隅に追いやられていた。
しかし絵美とどうやって会うか話が進まない状況で、そろそろ奈良に居る事を打ち明けないと解決できそうにない感じがしていた。
そしてどのタイミングでマサシと決着をつけるか、早めに決めないと動きようがなかった。
俺はすぐに面倒臭くなるという悪い癖が出始めていた。
本当はいきなり絵美の前に現れて驚かせたかったが、全てを打ち明けて段取りを組んだ方が上手くいくと思った。
「あのさ…俺」
俺がそこまで言いかけると、誰かが電話ボックスをノックした。
~つづく~
井口達也
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