「あいつら俺の家に三泊もしていったんやで」
靖史は丹至(アカシ)との話を始めた。
「ずうずうしい奴等やったわ」
「喧嘩しにきたんじゃねーの?」
俺がそう言うと、靖史は「そうなんやけどな」と言った。
「まぁ、あの人らならやりかねねーなぁ」
「よう知っとるみたいやな。あの赤髪の事」
「少しね」
「わざわざこっちまで乗り込んできて、さんざん暴れた挙句、『泊めろ』やで?無茶苦茶やろ」
「無茶苦茶だな…。ってかなんでわざわざ奈良までアカシ達は来たんだよ」
「あー、そうやそうや。アカシって名前やったな。なんや達也、よう知っとるな。やっぱ知り合いか?」
「少しね」
「さっきもちょっと言うたやろ?うちの若い者らが東京でちょっと悪さしちまってな。女関係でな」
「へぇ」
「俺らもアカシが来るまでそんな事があったなんて知らんかったんよ。アカシ達が殴りこみにきてさ、いきなり俺らの街で片っ端から不良狩りを始めてな、俺らにたどり着いたってわけや。無茶苦茶やろ?」
「相当暇だったんじゃん?」
「そうやな」
靖史はそう言って大笑いした。
「結局俺らも面子ってもんがあるやん?女に手ぇ出したバカをかくまってるワケにもいかんし。こっちも犯人差し出してタイマンはらせたってわけよ」
「で?」
「赤髪らが勝ったわ」
「だろうなぁ」
「まぁでもな、それでも納得出来んやつらもいるわけよ。うちの下の奴等とかな。このまま東京帰すわけにはいかねーって事でな。そしたらあの赤髪、どうしたと思う?」
「誰でもいいから文句がある奴はかかって来いだろ?」
俺がそう言うと、男は笑った。
「その通りや。まぁ、やっぱりあいつら、暇だったんやろな。ガッハッハ」
その時の光景が目に浮かんだ。
「ただ、ンナ事してたらな、うちの看板が泣くっちゅうねん。たった三人で乗り込んできた男達をイジめてもしょうもないやろ」
「そう?」
「そういうもんやで」
「結局どうなった?」
「俺が皆の代表で赤髪とタイマンさせてもろたわ」
~つづく~
井口達也
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