(チキン番外編はコチラ↓から)
チキン番外編①

チキン番外編②

チキン番外編③

チキン番外編④

チキン番外編⑤
チキン番外編⑥
チキン番外編⑦

チキン番外編⑧

チキン番外編⑨

チキン番外編⑩

チキン番外編⑪
チキン番外編⑫

チキン番外編⑬

チキン番外編⑭

チキン番外編⑮

チキン番外編⑯
チキン番外編⑰

チキン番外編⑱
チキン番外編⑲

チキン番外編⑳

チキン番外編21

チキン番外編22
チキン番外編23

チキン番外編24

チキン番外編25

チキン番外編26

チキン番外編27

チキン番外編28
チキン番外編29
チキン番外編30

チキン番外編31
チキン番外編32

チキン番外編33

チキン番外編34
チキン番外編35
チキン番外編36

チキン番外編37
チキン番外編38

チキン番外編39

チキン番外編40

チキン番外編41

チキン番外編42

チキン番外編43
チキン番外編44

チキン番外編45

チキン番外編46

チキン番外編47

チキン番外編48



「俺と奈良行かない?」




「何?奈良?達也奈良行くの?」




「一応そういう予定。ヒロシたちとさ」




「ほえ~。奈良って京都だっけ?」




「…たぶん。とりあえず大阪のあたりじゃん?」




俺も馬鹿だからその辺のことは詳しくなかったので適当に答えた。




ここにヒロシがいたら確実に奈良は奈良だろとツッコンだはずだ。




「遊びに行くんか?いいなー」




「ヒデくんも行こうぜ」




「若い奴らにオッサンの俺がまじってたら変だろ。お前らで楽しんできな」




俺は移動手段がない事を正直に伝えた。




「ルパンの運転で行くってことになってんだけどさ、まだ死にたくねーし、ヒデくん運転お願いできない?」




「そういう事か。俺を足代わりにする気だな?」




「まぁ、そうなるかな」




馬鹿正直に答えたが、ヒデくんは嫌な顔もせずに笑った。




「おし。俺も行く」




「マジ?よっしゃ」




「と、言いたいところだけどさ、連休は予定があるんだよね」




「何かあんの?」




「デート」




「どこに」




「大阪に食い倒れ旅行に行こうって言われたんだよね」




「決まりだね」




「ダーメ」




「いや、こっちこそダメ」



「デートの邪魔だっつーの」




「ほどほどにしかしないからさ」




「ほどほどでもダーメ」




「わかった。もういいわ」




「ごめんな達也」




「もう母ちゃんの卵焼き、届けないわ」




俺がそう言うとヒデくんの表情が一変した。




ヒデくんは俺の母親のダシ巻き卵が大好きだった。




母親がたまに多めに作ってヒデくんの現場に届けると、ヒデくんは大喜びだった。




「母ちゃんに届けろって言われたら、はいよーって言いつつ、玄関先で全部俺が食うことにしたわ」




「達也よぉ…」




「ん?」




「ひどすぎる…」




ヒデくんの顔は半泣きになっていた。




「奈良まで、頼んでいいかな」




「わーったよ。そんかわり…」




「何」




「今から達也の家に行っていい?」




「いいよ。なんで?」




「これから卵焼いてもらうんだよ」




「オッケー」




卵焼きでヒデくんを口説いて、俺たちは移動手段を得たのだった。



~つづく~


井口達也


※達也…あくどい!と思ったらクリック!

人気ブログランキング投票