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「お、来たな」



森木の言葉を合図にして、皆荷物を持って家を出た。



下に行くとヒデ君が来ていた。



俺達を乗せるためにわざわざ大きい車を用意してくれたようだった。



宿の件といい、車の件といい、ヒデ君にしては有り得ないほど根回しが万全だったし、何より俺達の為に一生懸命だった。



普段から俺達思いだったから、俺達はヒデ君を実の兄貴だと思って慕っていた。



照れ臭いから軽くありがとうと伝えようとしたが、車から出てきたヒデ君を見て、愕然とした。



なんと、ヒデ君まで登山ルックだったのだ。



助手席ではヒロシの姉でありヒデ君の彼女が不機嫌そうに座っている。



「よお!!皆来てるか!!」



「よお!!じゃねーよヒデ君…。なんだよその格好」



俺が聞くとヒデ君は苦笑いした。



ヒデ君の彼女が宿を予約したのだが、民宿「山小屋」と聞いて、リアルな山小屋しかイメージが沸かなかったらしい。



テルと違って全く騙されてもいないのに、勝手に自分で騙されていた。



流石としか言いようがない。



車の中でヒデ君と彼女はその事で少し喧嘩をしてきたようだ。



「ま、いいじゃん」



ヒデ君はそう言って車に乗り込んだ。



俺達は安心しきっていたが、間違いだった。



ヒデ君の格好を見て一気に不安になり始めていた。



「速く乗れ~」



ヒデ君の言葉に渋々俺達は車に乗り込んだ。




ヒデ君カップル、ヒロシ、テル、森木、ルパン、ワン公、達也の総勢八人の珍道中が始まった。



井口達也



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是非読んでくれい★


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チキン第二部