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チキン番外編①
~第二章④~
テルのうんこタッチをものともせずに突撃した入れ墨男によって、テルは何度も殴られた。
しかし黙ってやられているテルではない。
相手の頭を抱きかかえ、石頭で思い切り鼻先に頭突きをかました。
よろめきながらも立ち上がり、普段なら絶対にかわされるような大振りの拳を相手のわき腹と、続けざまに顔面に叩き込んだ。
小手先の技は通用しない相手だ。
身体全体でぶつかっていくような攻撃だった。
なんだかんだ言いながらも、相手も足に来ているようで、テルの大振りの拳が次々に当るようになった。
それを黙ってみていられるほど俺も人間ができていなかったので、足腰に力が入らないながらもなんとか立ち上がり、よろめく相手を後ろから羽交い絞めにした。
それを見たテルは不適に笑った。
そして、ゆっくりとうんこがついた人差し指を立てた。
羽交い絞めにされた男は首を振った。
近づくテル。
首を振る男。
さらに近づくテル。
出るか必殺うんこタッチ!
と、思った時に、男はテルを前蹴りで蹴飛ばした。
まだ余力があったのか。
俺は手を解いて、男の耳の辺りを思い切り殴った。
しかし腰が入らないから仕留めるには至らなかった。
あとはテルに任せるしかない。
あと一歩でこの相手を倒せる。
俺は「殴れ!」という意味でテルを見た。
ところがテルも限界が近いらしく、中腰の体勢のままだ。
「テル、踏ん張れコラ!」
俺がそうハッパをかけると、テルは言った。
「もう、出ねぇよ…」
しっかり立てという意味で踏ん張れと言ったのだが、テルはうんこを出せと言う意味で受け取ったようだった。
こういう危機的な状況下で、バカが仲間だとつらい。
ウンコマンは残念ながら正義の味方にはなれなかった。
もはや次の一手が出ない俺たちを、男は体当たりでなぎ倒した。
俺たちはもう立てなかった。
~つづく~
井口達也
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全てはここから始まった。小説チキンをよろしくだぜ!!
是非読んでくれい★