( 過去のリンクは 後ろに まとめてあります。 )




そう言えば 彼女の匂いは あまり記憶がなかった。



そして ベッドには 明らかに 女性の長い髪の毛が 何本か 残っていた。




そして ゴミ箱には 使用済みの チッシュの丸めた束が 何個か 残っていた。



確かに 昨晩 二人は 交わったのだ。



俺は そう確信した。



確信することにした。



あまり 自覚は ないのだけれど。



正直 レイコを 抱いた記憶が 残っていないのだ。



非常に残念で もったいない 思いがした。



せっかく 夢が 叶ったというのに・・・。



俺は 思い立って 携帯電話で レイコに 電話を かけてみた。



電源オフのようだった。



いつものことなので 別段 気にも留めなかった。



俺は 一度 レイコの 住んでいるところと 職場ぐらいは 聞いておかなければ いけないなぁ と おぼろげに思った。



「 あぁ、 俺・・・今日 仕事・・・無断欠勤してしまった・・・。 」



俺は 慌てて 職場に連絡して 体調が不良で云々の 嘘を ついた。



受話器の向こうで 上司が 怒っている声が聞こえたが そのことは どうでもよかった。



昨晩の 興奮が まだ 覚めやらなかったからだ。



でも はっきりした記憶は残っていない。



そのことが 本当に残念だ。



その日 何度か レイコに 電話をかけたが 結局 繋がったのは 夜の 遅くだった。



「 昨晩 どうも・・・、 あれから 何時頃 帰ったの? 今日 何回か 電話したけど 電源オフみたいで 繋がらなかったんだ・・・。 」



俺は 出来るだけ穏やかに 尋ねた。



レイコは 淡々と 答えた。



「 今日の朝になってから。 別に 電話の電源はオフには してなかったけど。 」



レイコの声には 感情もなく もちろん 甘えた感じもなかった。








( つづく )




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