（前回分は 後ろに まとめてリンクしています。）
当然 生活を 共にしている 山口研二 親子 ４人と 「マルタ」三人の 七人の 間に 奇妙な 親近感が 起こってきた。
もちろん 実験担当者と その対象の違いはあるが その垣根も ほんの少しは 薄れてきた。
この 共同生活は 当然 上層部や 他の 医者や研究者達に 観察されているはずだ。
しかし 一体 何を 観察しているのだろうか？
目的が サッパリ分からなかった。
元々 山口研二らは 博愛精神に溢れた 極めて人間的な 常識人達だ。
この戦争そのものと その戦争に反対したことから 徹底的に 精神的にも 肉体的にも 破壊されたのだ。
だから 「マルタ」に対する 偏見も 敵対心も 残虐性も 持ち合わせてはいなかった。
しかし 国によって 軍部によって 徹底的に 精神的に 洗脳され続けた。
だから 今では 山口研二達すら 「マルタ」を 実験動物以下の存在なのだと 知らず知らずの間に 思い込んでしまっていたのだ。
戦争では 自国民を 洗脳して 国家に 徹底した忠誠心を持ち 敵に対して徹底的な 憎しみを持つ 人間兵器を 作り上げる必要がある。
その意味では この国は 本当に 徹底していた。
そして 大成功していたと言っても 間違いないだろう。
国民の心は 今や 一つに なっていた。
愛国心という名の下 敵国に対して 一丸となっていた。
国民は 命すら お国に 捧げていた。
反戦運動をしていた 山口研二 親子達も 今では すっかり 洗脳されて 国の命令一つで 何でもする 人間兵器に 成り下がっていた。
戦争では 善悪は 必要ないのだろう。
善悪などを 考える必要もないだろう。
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この話は どこかで 「遠隔手術」シリーズと 「朝の目覚め パラレル」シリーズに 微妙に 繋がっていきますので お楽しみにして下さい（？）。
「朝の目覚め パラレル」 リンク
朝の目覚め パラレル 29
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「遠隔手術」シリーズ リンク
遠隔手術 28
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引き続き 複雑で 長い話に お付き合い下さいませ。
予想外の 展開が お待ち致しています・・・
（ 以下 次回へ 不定期に 続きます ）
前回分は
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