（ 過去のリンクは 後ろに まとめてあります。 ）
店のおばさんが 注文取りに やって来た。
その日は 偶然 二人とも 「サバ煮込み定食」を 注文した。
しかも 同時に・・・。
注文する声が 重なった。
何となく 気まずいというか 気恥ずかしいというか おかしいというか・・・。 俺は 一人で うつむいて ニヤッと笑った。
それは レイコも 同じだった。
飛び抜けた美人 って わけでもないが やっぱり キレイで 男好きのするタイプの なんとなく 可愛くて 魅力的な 女の子だった。
少なくとも その定食屋では 「掃き溜めに鶴」って 感じで 前々から 他の男の客 みんなが レイコを 意識していたのは 確かだった。
客が 男ばかりの 定食屋に 若い女性が 一人で 入ってくるのだ。
目立たない方が 不思議なぐらいだろう。
少なくとも 俺は 以前から レイコを 意識していた。
いつでも その定食屋に 入る時は レイコがいることを 期待していた。
必ず 毎回 会えるわけでもなかった。
それが かえって 俺の 心に 恋の炎を 灯したのだろうか。
きっと 俺の方が 先に レイコに 恋をしていたのだろう。
レイコの 住処も きっと この定食屋の近所なんだろうなぁ って 勝手に考えたりもしていた。
レイコの仕事って どんな仕事だったのだろうか？
一人で 晩飯を 男客ばかりの 定食屋で 食べる。
なんとなく 不思議だった。
その 不思議さも レイコの 魅力の 一つだった。
その 相席になった夜 何となく 会釈をしたのが 二人が 本当に 知り合いになった きっかけだったんだろう。
俺の会釈に対して レイコも 軽く笑顔で 会釈して 話を始めたのだった。
「 時々 お会いしますね、ここで。 まあ 私も よく 来ているって 事ですけど（笑）。 でも 今日は 凄く混んでますね。 この時間では めずらしいですね。」
（ つづく ）
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