俺達がやる気だと分かったリョウキは、俺の目を見据えたまま、口元だけ少し緩んだ。
そして一言「上等だコラ」と言った。
その場の空気は張り詰めた。
どちらかが動けばそのまま乱闘が始まる寸前だったが、リョウキが口を開いた。
「中坊相手に熱くなってもうたわ。お前等、相手してやれや。場所変えや」
そう言ってリョウキは後輩達へ促した。
「おまえらをやったら、マサシだっけ?大将出してくれんのかよ」
俺がそう言うと、リョウキは鼻で笑った。
「ナメんなよガキ」
「坂東公園に連れてけよ」俺が言った。
「坂東公園?お前等よう知ってるやん。あそこは邪魔が入るわ。ええとこに連れてったるわ」
「めんどくせー」
「ええから黙ってついてこいや」
リョウキは後ろを向いて歩き出した。
俺達も後を追って歩き出した。
途中、リョウキが俺の隣にやってきた。
歩きながら俺とリョウキは話し始めた。
「お前等相当暇やろ」
「まぁね。つーかどこ連れてくんだよ」
「気になってるみたいやなぁ。心配すんな。俺らの学校に連れてったるわ。誰にも邪魔されんしな」
その後5分ほど歩いただろうか。
坂東公園の前を通り、さらに数分進むと、リョウキは立ち止まって言った。
「ついたで」
休みの校舎には人気が無く、俺達は案内されるままに校舎の裏手から敷地内に入り、体育館裏に連れて行かれたのだった。
~つづく~
井口達也
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※登場人物おさらい
坂東高校
マサシ(坂東高校番長)
リョウキ(ナンバー2)
絵美(達也の恋人?)
菜穂(テルとヒロシが惚れた女)
ヤスシ(達也を奈良まで運んでくれたトラックの運ちゃん)
達也(狛江の馬鹿)
テル(狛江のカバ)
ヒロシ(狛江の九官鳥)
森木(狛江のダンディ)
ワン公(狛江の土佐犬)
ルパン(狛江の怪盗)
ヒデくん(鼻毛が出てる人)
ミカ(ヒデくんの彼女でありヒロシの実姉)
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