『脱出ゲーム 香川県からの脱出』に登場する歴史上の人物を訪ねる旅。
桃太郎線の備前一宮駅から徒歩3分の吉備津彦神社へ。ゆるい桃太郎像を堪能した後、いよいよ本殿へ進みます。
- いよいよ岡山。桃太郎線に乗り、桃太郎伝説の地へ向かう
- お色直しした(珍!)桃太郎像と、岡山のウユニ塩湖?がある吉備津彦神社
- 「吉備津神社」と間違えがちだけど、「吉備津彦神社」も由緒ある立派な神社
備前一宮 ('23.12.25)
参道の随神門に戻りました。
随神門と廻廊の間、参道の左右に巨大な石灯籠。
高さ11.5メートルあります。
27年間にわたり集まった寄付金で、1859年(安政6年)に建てられました。
灯篭の台座の石段には、奉納者の名前がずらりと並びます。
拝殿にて参拝。
1697年(元禄10年)に造営された社殿が昭和初期まで残っていましたが、1930年(昭和5年)に火事が発生し、本殿と随神門以外の主要な社殿は焼失。1936年(昭和11年)に再建されました。
拝殿の中には、竜と鳳凰の絵が掲げられていました。踊絵師・神田さおりさんの作品。2017年(平成29年)に行なわれた、本殿の修復工事完了記念「奉祝の儀」で描かれたものだそうです。
拝殿前にそびえる「平安杉」。
1930年の火災で被害を受けた影響で、幹の老朽化が進んだため、2004年(平成16年)に大規模な治療が施されました。
拝殿の奥に、祭文殿、渡殿、そして本殿が、一直線に並んでいます。
本殿だけは火災の被害をまぬかれ、1697年(元禄10年)、岡山藩主・池田綱政が造営した社殿が現存しています。
夏至の日に、朝日の光が鳥居から神殿までまっすぐ差し込み、神鏡を照らすように設計されたそうです。
吉備津彦神社の御祭神は、大吉備津日子命(吉備津彦命)。桃太郎のモデルとされています。
第7代天皇・孝霊天皇の皇子で、もとの名前は彦五十狭芹彦命(ひこいさせりひこのみこと)ですが、吉備国を平定したことで吉備津彦命と呼ばれるようになったそうです。
『日本書紀』によると、第10代・崇神天皇の時代に、西道(山陽道)に派遣され、この地の人々を朝廷に帰順させました。北陸に派遣された大彦命(おおびこのみこと)、東海の武渟川別命(たけぬなかわわけのみこと)、丹波の丹波道主命(たんばのみちぬしのみこと)とともに、「四道将軍」と称されています。
『古事記』では孝霊天皇の時代に、弟の若日子建吉備津彦命(わかひこたけきびつひこのみこと)(日本書紀では「稚武彦命」(わかたけひこのみこと))とともに、吉備国を平定したと記述されています。
この平定の際に、吉備国で温羅(うら)という鬼と戦った伝説が、桃太郎の話の原型といわれています。
吉備津彦神社では相殿神として、
吉備津彦命(ここでは稚武彦命のことを指す)、
孝霊天皇(大吉備津彦命の父)、
孝元天皇(兄弟(第8代天皇))、
開化天皇(甥(第9代天皇))、
崇神天皇(孫甥。四道将軍を派遣した)、
彦刺肩別命(ひこさしかたわけのみこと。兄)、
天足彦国押人命(あまたるひこくにおしひとのみこと。大伯父(第5代・孝昭天皇の皇子))、
大倭迹々日百襲比売命(おおやまとととひももそひめのみこと。姉。大物主神の妻。卑弥呼と同一人物とする説あり)、
大倭迹々日稚屋比売命(おおやまとととひわかやひめのみこと。妹)、
金山彦大神(金属・鉱山の神)、
大山咋大神(おおやまくいのおおかみ、山の神)
をまつります。
吉備津彦神社は、吉備の中山という山のふもとにありますが、この山の山頂に古墳(中山茶臼山古墳)があり、ここが吉備津彦命の墓と比定されています。吉備津彦命の屋敷跡に社殿が建てられたのが、この神社の始まりとされています。
同じ山のふもとに、やはり吉備津彦命をまつる「吉備津神社」があります。
吉備津彦神社は、桃太郎線(JR吉備線)備前一宮駅のそばにありますが、吉備津神社はすぐ隣の吉備津駅が最寄り駅です。
(吉備津神社も、吉備津彦命の屋敷跡とされています。)
持統天皇3年(689年)、吉備国は備前・備中・備後に分割されましたが、備前と備中の境界が、吉備の中山の山頂に設定されました。
このため、吉備国総鎮守だった吉備津神社が備中一宮になり、吉備津彦命の御霊が備前と備後に分霊されて、備前の吉備津彦神社と、備後の吉備津神社ができたそうです。
(ただし吉備津彦神社では、創建は吉備国の分割より前と伝わっています)
お守りや縁起ものの授与所は、初詣に備えて、広いスペースが既に設けられていました。
勝負の神様・大吉備津彦命の「勝守り」、そして絵馬をお受けしました。
ここの絵馬は、まんまるです。
いつもの通り、『香川県からの脱出』のヒット祈願と、香川県の“ゲーム条例”を念頭に置いた願い事を書きました。
ゲーム「香川県からの脱出」が話題になりますように。
そして、桃太郎様のお力をお借りして、香川県を中心に、人々を思うことなく私欲や偏見に基づく政治を行なう為政者やそれを支持するマスコミ、学者などが、改心するか、もしくは権力の座から滑り落ちますように。
(続く)
※『脱出ゲーム 香川県からの脱出』のヒット祈願で、ゲームの登場人物ゆかりの地を巡る旅は、以前にも何度か行なっています。よろしければこちらも御覧下さい。
JR大津駅 瀬田の唐橋 建部大社(日本武尊) 建部大社、琵琶湖線 大阪駅となんば駅 南海・浜寺公園駅 阪堺・浜寺駅前駅と浜寺公園 夜の浜寺公園と堺市
JR阪和線・東羽衣支線 大鳥大社(前編)(日本武尊) 大鳥大社(後編) 仁徳天皇陵 堺シャトルバスなど 阪神なんば線 阪神本線、神戸三宮
花隈・新開地 須磨寺駅・仁王門 源平の庭 須磨寺本堂など 大師堂(尾崎放哉、源義経、空海) 須磨寺のおもろいもん 平敦盛の首塚 須磨浦山上遊園カーレーター ゲームコーナー 回転展望閣
(※関西・岡山ダイジェスト) 大津・建部大社と堺・大鳥大社(日本武尊)、神戸・須磨寺(尾崎放哉) 岡山・吉備津神社と吉備津彦神社(桃太郎) 安倍晴明神社と、あべのハルカス、道頓堀、特急ひのとり
池上駅 池上本門寺(日蓮) 矢口渡駅、蒲田の屋上観覧車 武蔵新田駅から新田神社(1)(新田義興、平賀源内) 新田神社(2) 新田神社(3)
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俳優・八名信夫氏の著書『悪役は口に苦し』(小学館)の中で、それぞれの時代背景について補足説明する文章を、少しだけ書いてます。
※これまでの「日本縦断紀行」はこちら。