巣鴨('23.9.24)
先日制作したゲーム『脱出ゲーム 香川県からの脱出』に登場する、歴史上の人物ゆかりの場所を巡る旅。9月下旬、東京都内を中心に、またあちこち回ってきました。
9月23日に出発し、巣鴨に1泊。
23日と24日はちょうど東京ゲームショウ、それも一般公開日の期間中。
『脱出ゲーム 香川県からの脱出』を、多少お金がかかっても、東京ゲームショウのインディーゲームコーナーに出展すればよかったなあと、ツイッター(現X)に流れてくる情報を見て、今さらながら思いました。
アクセス数があまりにも低くて、心が折れかけたこともありますが、何かのきっかけで、『香川県からの脱出』の知名度が上がることを信じて。ゲームに登場させた歴史上の人物の中で、まだそのお墓参りをしてない人の、お墓参りや聖地巡礼に行ってきます。
- 巣鴨のお地蔵さんと、巣鴨のお地蔵さん
- 「悪官吏・悪新聞屋等を敵とし、正義忠良の国民を味方とする」(宮武外骨)
- 日本女子サッカーの夜明け(第1回皇后杯の開催地へ)
- チャレンジハイスコア~黎明期のeスポーツ
- 南千住の小塚原回向院にカール・ゴッチの墓があった
- 隅田川貨物駅(2023年9月24日)
- 今日の歩きはつらかった。あとはお墓を拝むだけ
- 平賀源内のポツンと一軒墓
- 上野東京ライン経由で常磐線から品川駅へ
- 高輪ゲートウェイ駅周辺はまだまだ開発中だった
- 高輪の街にとけこむ小さな高野山
- 高輪ゲートウェイ駅のスタバは今くらいがちょうどいい
※ちなみに、『脱出ゲーム 香川県からの脱出』のヒット祈願で、ゲームの登場人物ゆかりの地を巡る旅は、以前にも何度か行なっています。よろしければこちらも御覧下さい。
池上駅 池上本門寺(日蓮) 矢口渡駅、蒲田の屋上観覧車 東急多摩川線・武蔵新田駅から新田神社(1)(新田義興、平賀源内) 新田神社(2) 新田神社(3)
東急&相鉄新横浜線&相鉄・JR直通線 緑園都市駅&ゆめが丘駅 藤沢本町(源義経) 辻堂駅北口・テラスモール湘南(前編) テラスモール湘南(後編) 片瀬江ノ島駅
多磨霊園(前編) 多磨霊園(後編)(大平正芳、大川博、菊池寛) 虎ノ門の金刀比羅宮 神田明神・将門塚(平将門) 東寺(空海) 白峯神宮(前編)(崇徳天皇) 白峯神宮(後編)(崇徳天皇) 晴明神社(安倍晴明) 北野天満宮(菅原道真)
ホテルをチェックアウトした際、荷物を預かってもらったのですが、QRコードを用いる手続きにかなり戸惑いました。
普段私が使っているカメラアプリに、QRコードを読み取る機能がなかったので。スタッフさんに教えてもらって、どうにか手続き完了。
Googleももっぱらブラウザ(Chrome)で使っていて、何ら不自由がなかったため、
「Googleアプリを立ち上げ、カメラのアイコンをタップすることで、QRコードを読み込んだり、写った文章を翻訳できたりする」
ということを知りませんでした。
テレビCMでフワちゃんさんがやってたのはこれだったのか……。
(※ただし、ここで1回経験したことが、翌日になって役立つこととなります)
ここでの戸惑いこそありましたが、ホテルは駅近だしきれいだし、スタッフさんの対応も丁寧だし、良かったです。
私はアパホテル会員になっているので、レイトチェックアウト適用で午前11時まで滞在できるのですが、早く目が覚めたので早めに出発。
サンマルクカフェで軽めに朝食。
巣鴨に来てから知ったのですが、9月24日は、とげぬき地蔵・高岩寺の例大祭の日だったんですね。しかも日曜日。
地蔵通り商店街が混雑してたら、とげぬき地蔵に行くのはやめとこうと思ってましたが、そんなに混んでなかったので行くことに。せっかく巣鴨まで来たことですし。
巣鴨でお地蔵さんといえば、とげぬき地蔵・高岩寺ですが、巣鴨地蔵通商店街の入り口に位置する、眞性寺の巨大な地蔵菩薩の銅像も、1714年(正徳4年)頃建立された、歴史のあるお地蔵様です。高さ2.68メートルの座像。
京都の六地蔵に倣って各街道から江戸への入り口に造られた、江戸六地蔵の一尊です。(地蔵通り商店街は中山道)
眞性寺は行基菩薩が開基したと伝わるほどの古刹で、御本尊は薬師如来。阿弥陀堂もあります。
商店街を通って、とげぬき地蔵・高岩寺へ。金物を売る露店が出ていました。
高岩寺は1596年(慶長元年)、湯島で創建。
1657年(明暦3年)の明暦の大火で全焼し、下谷屏風坂に移転しました。
1713年(正徳3年)、田付又四郎という人の妻が病に苦しみ、又四郎が毎日地蔵菩薩に祈願を続けたところ、又四郎の夢枕に僧が立ち、「印像を与えよう」と言いました。
目が覚めると、枕元に地蔵菩薩の姿が刻まれた“霊印”があったので、それを印鑑にして1万体の「御影」を作り、隅田川に浮かべると、妻の病気は治ったということです。
「とげぬき地蔵」と呼ばれるようになったのは、1715年(正徳5年)、誤って針を飲み込んでしまった毛利家の女中が、その御影を飲んだところ、針が御影に刺さって口から出てきたからだそうです。
高岩寺ではこの霊印を本尊とし、現在でも参拝者に御影を授与しています。
下谷屏風坂から巣鴨に移転したのは意外と最近で、1891年(明治24年)、区画整理のため。
移転により一時途絶えた参拝客数が、ようやく回復した矢先、第二次世界大戦の空襲により伽藍が全焼してしまいます。
しかしそうした苦境に陥るたびに、高岩寺は歴代の住職らの尽力で復興。今や巣鴨は高岩寺の参拝客で「おばあちゃんの原宿」と呼ばれるほどの賑わいをみせ、また1957年(昭和32年)に再建された本堂は、登録有形文化財となりました。
自分の体の悪い部分と同じ場所を水で洗ってこすると治るという、「洗い観音」には行列ができていました。
高岩寺は、「eスポーツの聖地」でもあります。
かつてここで、60歳以上限定の、『ぷよぷよ』シルバー大会が行なわれていました。多分これは日本初の(世界初かも?)シニア限定eスポーツ大会だったと思われます。優勝者には、幕張メッセで開催される「全日本ぷよマスターズ大会」に、決勝トーナメントから参加できるという特典がありました。
それまでテレビゲームとほとんど接点のなかった世代の方々に、ゲームの楽しさを知ってもらおうという試みは大成功。参加者からは、頭や手の運動になると好評だったようです。大会は一般マスコミにも紹介され、『ぷよぷよ』の知名度を高めるとともに、テレビゲームのイメージアップにもつながりました。
大会主催者かつ『ぷよぷよ』の開発企業だったコンパイルは、残念ながら1998年に経営破綻してしまいました(法人格の消滅は2004年)。
でも『ぷよぷよ』はセガのもとで健在ですし、コンパイルが行なってきた“テレビゲームの間口を広げる”取り組みや、大小さまざまなゲーム大会の開催は、その後のゲーム業界に受け継がれていると言えましょう。
とげぬき地蔵尊高岩寺
開運のお守りをお受けしました。
10時30分から大祭が始まります。あと30分もないのですが、今回私が巣鴨に来た目的は別の場所にあるので、大祭は見ずにそちらへ向かいます。
(「『悪官吏・悪新聞屋等を敵とし、正義忠良の国民を味方とする』(宮武外骨)」へ続く)
※これまでの「日本縦断紀行」はこちら。
SUZURIでTシャツやサコッシュなどを販売しています。
・周りの人に知ってもらいたいこと
(「高齢者と同居しています」「基礎疾患を持っています」等)