日本橋から京都の三条大橋までの東海道五十三次を踏破した思い出を忘れないために、、、
という事で書き始めた旅歩きの記事。
東海道五十三次としては17日目になります。
2014年10月24日
鈴鹿峠越えを控えて京に向かう旅人で賑わったという坂下宿。
今は長閑な田舎町の佇まい。
茶畑が広がる中にひっそりと建っている「大竹屋本陣跡」の碑。
大竹屋本陣跡の数メートル先には「梅屋本陣跡」の碑が建っている。
法安寺
この法安寺の玄関は、松屋本陣の玄関を移築したものだそうです。
「小竹屋脇本陣跡」
岩屋十一面観世音菩薩の石碑。
たぶんこの石碑の手前十数メートル右側にあったのがそれだろうと推測するが確認せずにそのまま先へ進む。
滝の地蔵とよばれた岩屋十一面観世音菩薩の先で国道1号に合流する。
国道1号線に合流するところの右側には「東海自然歩道」という山道がある。
これが旧東海道かどうかは不明なのでこちらへは行かずにそのまま国道1号線を進む。
※後で知ったのですが東海自然歩道とは東京「明治の森高尾国定公園と大阪「明治の森箕面国定公園」とをつなぐ全長1,697キロメートルに及ぶ歩道で、昭和49年に完成したそうです。
旧東海道もこの東海自然歩道に各所が組み入れられているのではないかと思われますね。
ソコソコの交通量がある国道1号線を600m程歩くと再び旧東海道は右へ逸れる。
17世紀中頃に起こった洪水による被害が出るまでは坂下宿はこの辺りにあったと言われている。
この100mぐらい手前に荒井谷一里塚(江戸日本橋から108里)があったらしい。
写真では判りづらいかもしれないけど結構な勾配の坂道です。
片山神社
鈴鹿大明神とか鈴鹿権現などと呼ばれ、坂上田村麻呂を助けた鈴鹿御前を祀ったと言われている。
旧東海道はこの鳥居の前を右へ進む。
古き石畳が時代を感じさせられます。
うっそうとした林道ですが木洩れ日が素敵な道なので晴れた日に来ると良いですね♪
旧東海道は国道1号線の高架下をくぐり抜けてしばらくの間は林道を進む。
すると芭蕉の句碑がある。
『ほっしんの 初にこゆる 鈴鹿山』
”ほっしん”とは思いたつこと、出家して仏門に入ること、菩提心を起こすこととある。
この句意は「出家遁世のはじめに、鈴鹿山を越えて行脚に出たの意、釈教。前句を山田の景と見なし、余情を前途の不安にうつした」とされている。
何かを思い立ったときに、前途の不安を感じながらも、初めに越えなければならない、山や峠のようなものがあるという意に何か感じるもの覚えた気もします。
鈴鹿峠をアッサリと登ってしまった感じ。
箱根を越えた時は相当辛かった記憶があったのでチョットだけ拍子抜けした気分もあるが江戸時代は今みたいに整備されていないからキツかったのかもしれないですね。
この標識を左に入っていくと田村神社跡と鏡岩がある。
風化して文字が微妙に読みづらくなっている田村神社跡の碑。
田村神社は明治の初め頃に土山宿辺りへ移転したらしいですが詳しくは判りません。
田村神社は弘仁3年(812年)に創建されたと伝わる古社。
鈴鹿峠で人々を苦しめていた悪鬼を討伐した征夷大将軍坂上田村麻呂公を主祭神とし、相殿に嵯峨天皇・倭姫命を配祀する。
鈴鹿山の鏡岩
三重県天然記念物に指定されている。
言い伝えによると1868年の山火事にあうまで光り輝いていたという。
一説によると、峠の山賊が街道を通る旅人の姿をこの岩に映して危害を加えたという伝説から「鬼の姿見」とも呼ぶらしい。
鈴鹿峠から見る景色
こうして見ると結構な高さを登ってきたと実感する。
林道を抜け三重県から滋賀県へ
『界 右 滋賀県 左 三重県』
歴史の道 東海道
江戸ー土山宿ー京大阪
住所的にも土山町山中になっているので土山宿はもうすぐかな?
解説版の裏手の左側斜面は一面茶畑が広がっていました。
万人講常夜灯
江戸時代に金比羅参りの講中が道中の安全を祈願して建立されたもので自然石で出来ている。
万人講常夜灯から土山町山中地区を望む。
東京ー神奈川ー静岡ー愛知ー三重を踏破し後は滋賀県と京都府を残すのみとなった。
国道1号線に再び合流。
久しぶりの国道1号線キロポスト。
434kmはスゴイね。
文字は擦れて見えづらいけど薄っすらと「東京より」と読める。
この地点でのキロポストで東京という文字が出てくるとは。
第10話で静岡県に入って三島で「日本橋から」という文字が消えて以来ですね。
日本橋ではなく東京と表示しているがやはりウォーカーとしては日本橋と表記して欲しかった・・・
まぁココら辺だと大阪の日本橋と勘違いしてしまうからかもしれないね(笑
国道脇に半分埋もれた鳥居がある。
周辺には何も手掛かりになるようなものが無いのでどうしてこうなったか不明でした。
435kmキロポスト
大津まで50kmとも書いてある2段式。
十楽寺
こちらには湖国甲賀三大仏の阿弥陀如来坐像があるそうです。
この辺りには大昔、山中城があったとされている。
もう少し歩いて行くと旧東海道は右の側道に入る。
ちょうどそこには馬子唄公園がある。
『坂は照るてる 鈴鹿はくもる あいの土山雨が降る』
と書いてある石碑が飾られている。
東海道宿の坂下宿は晴れていても鈴鹿峠は曇っていて土山宿では雨が降っているという気象をなぞられた馬子唄である。
鈴鹿峠の山々によって雲の流れが遮られていたんでしょうね。
風情のある常夜燈
側道から再び国道1号線に合流する手前にある「山中一里塚公園
」
この辺りに一里塚があったとされる。
江戸日本橋から109里
山中一里塚公園内には鈴鹿馬子唄の碑があった。
馬子の石像
国道1号線437キロポスト
旧東海道はこの先を右に入る。
間宿の猪鼻にある旅籠中屋には明治天皇も立ち寄っている。
石碑 東海道猪鼻村
間宿猪鼻から再び国道1号線に戻ります。
しばらく行くと蟹が坂という地に出る。
ここは鈴鹿峠に旅人を食べてしまう大蟹が出たという言い伝えから名づけられたとか。
近くには蟹塚もある。
蟹坂古戦場跡
蟹坂古戦場跡付近は周りが山々に囲まれこの一帯だけが平地になっている。
田村川に差し掛かる手前に土山宿高札場が復元されている。
高札の解説版
要約すると、田村川が氾濫を起こす度に川止めがあったりしてあまりにも不便なので幕府の許可を得て地域住民らが金を出し合い木橋を架けた。幕府関係者や地域生活者は無料でそれ以外の旅人などは一人三文の通行料が必要と書かれている。
平成17年(2005年)に復元された海道橋
橋が無くなってから復元されるまでの20年ぐらい前までは国道1号線の田村橋まで迂回しなければならなかったので旧東海道のウォーカー達は大変だった。
海道橋から見た川の景色
流れが穏やかで澄んだ水の川なのでとても情緒があり素敵でした。
海道橋を渡ると東海道五十三次土山宿の解説版があります。
少し行くと田村神社があります。
図説板
海道橋の解説板
田村神社の前を左折し国道1号線を歩道橋で渡ると道の駅「あいの土山」がある。
道の駅の左側の道を進み突き当りを左折すると土山宿の石碑などがある。
石碑 東海道土山宿
土山宿に到着したので第49話はここまで。
坂下宿~土山宿までの10kmを2時間40分かけて歩きました。
次回、第50話は土山宿~水口宿までの11.8kmになります。
今回の亀山宿~水口宿まで初日の区間はもっとゆっくりと周る計画を立てたかったのですが、この日の夜に宿泊する宿をなかなか決められず困りました。
と言うのも東の箱根・西の鈴鹿と言われる程の難所である鈴鹿峠が待ち受けていたからです。
距離や予測所要時間などから土山宿近辺に宿泊する案をまず考えました。
しかし・・・宿が無い。
旅館は一切無くビジネスホテルが1軒だけあったのでしたが満室でした(今はそのホテルすらありません)
亀山宿~坂下宿ではあまりにも距離が短すぎるし山道で日が暮れてしまうと危険なので水口宿まで本当に行けるかどうか不安もありました。
決断した結果は途中の行程は必要最低限で済ませあまり時間を掛けず進み昼頃には鈴鹿峠を越えてしまう作戦。
水口宿で何とか1軒を確保出来てホッとした次第。
この行程が決まったのが出発前日の22日だった事からして今回のプランを決めるのがいかに難しかったかを未だに鮮明に覚えています。
今となっては良き想い出ですけどネ
あと残り5話の東海道五十三次踏破の旅路の紀行記事ですので鋭意努力してUPできるよう頑張りますが、あまり期待せずお待ちくださいマセ。。。
<バックナンバー>
第1話 日本橋~品川宿 11.6km
第2話 品川宿~川崎宿 9.8km
第3話 川崎宿~神奈川宿 9.5km
第4話 神奈川宿~保土ヶ谷宿 4.4km
第5話 保土ヶ谷宿~戸塚宿 9.4km
第6話 戸塚宿~藤沢宿 7.7km
第7話 藤沢宿~平塚宿 12.7km
第8話 平塚宿~大磯宿 3.3km
第9話 大磯宿~小田原宿 15.8km
第10話 小田原宿~箱根宿 15.5km
第11話 箱根宿~三島宿 14.4km
第12話 三島宿~沼津宿 6.2km
第13話 沼津宿~原宿 6.1km
第14話 原宿~吉原宿 9.0km
第15話 吉原宿~蒲原宿 11.0km
第16話 蒲原宿~由比宿 5.4km
第17話 由比宿~興津宿 10.0km
第18話 興津宿~江尻宿 4.2km
第19話 江尻宿~府中宿 11.4km
第20話 府中宿~丸子宿 5.3km
第21話 丸子宿~岡部宿 8.5km
第22話 岡部宿~藤枝宿 7.8km
第23話 藤枝宿~島田宿 8.1km
第24話 島田宿~金谷宿 4.4km
第25話 金谷宿~日坂宿 6.5km
第26話 日坂宿~掛川宿 8.6km
第27話 掛川宿~袋井宿 8.3km
第28話 袋井宿~見附宿 6.5km
第29話 見附宿~浜松宿 14.5km
第30話 浜松宿~舞坂宿 11.1km
第31話 舞坂宿~新居宿 4.6km
第32話 新居宿~白須賀宿 6.8km
第33話 白須賀宿~二川宿 5.9km
第34話 二川宿~吉田宿 7.7km
第35話 吉田宿~御油宿 11.1km
第36話 御油宿~赤坂宿 2.0km
第37話 赤坂宿~藤川宿 9.9km
第38話 藤川宿~岡崎宿 10.7km
第39話 岡崎宿~池鯉鮒宿 11.8km
第40話 池鯉鮒宿~鳴海宿 11.7km
第41話 鳴海宿~宮宿 6.6km
第42話 宮宿~桑名宿 25km
第43話 桑名宿~四日市宿 12.6km
第44話 四日市宿~石薬師宿 12.2km
第45話 石薬師宿~庄野宿 3.3km
第46話 庄野宿~亀山宿 8.5km
第47話 亀山宿~関宿 5.1km
第48話 関宿~坂下宿 5.3km