特報の後の、ちょっと長目の予告編が解禁になった時…アニメ実写特有の“モヤモヤ感”を抱きながらも、意外とアニメのリスペクトは入っているなという期待も半分という感じだった。事前情報では…士郎正宗の原作漫画ではなく押井守の「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」であり、その後のTVシリーズ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」をベースにして、実写ならではの独自アレンジを施していると伝えられていたが、けっこう「イノセンス」の要素も入ってるし、S.A.Cもどちらかというと押井色を強めに出した「2nd GIG」からのネタが入っていたりする。
予告でも流れているアクションシーンだけ見ると「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」のコピーって感じですけど、“少佐”が事件の捜査をしているあたりは、それこそ「イノセンス」のバトーとトグサのようだった。ジュリエット・ビノシュ演じるオウレイ博士が「イノセンス」に出てきたハラウェイみたいな役割なのかなと思ったら、他の女性博士(破壊された義体の検視を担当する)で、ハラウェイそのものが出てくる(名前は違ったけど)…ああ、やっぱり「イノセンス」だったと。バトーの犬好きというキャラ設定なんかも「イノセンス」の影響が強いよね。
そういえば…荒巻役のビートたけしが、取材で“コミックの実写版で初めて成功したかも”と発言したのに対し、馬鹿なネット民が“たけし、絶対に原作読んでない、見てないだろ”みたいな反論をしてたんですけど…何を言ってる、ビートたけし審査員長による当時の東スポ映画祭で、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」は作品賞、草薙素子は主演女優賞(笑)を受賞してるんだぞ(ちなみに、押井さんもインタビューで北野映画が好きだと公言し、かつては自宅の仕事部屋にLD-BOXが置いてあった)。そんなキタノさんが今回の実写版に出てるのも感慨深い。