2006年3月24日レンタルリリース開始の「機動戦士ガンダム MSイグルー 1年戦争秘録」全3巻を一気に借りることが出来た。バンダイミュージアムで上映されているガンダムのフルCGアニメで、かつてコンビニの期間限定ソフトとして発売されたこともあるのだが、ようやくレンタル版がリリースになった。きっと4月末から続編がOVAで展開されるからだろう。ファーストガンダムの世界観で、裏側にはまだこんな隠されたお話があったよっていうのを…ジオン軍側から描いているもので、ミリタリー調の硬派なドラマ内容は、きっとSEEDに嫌悪感を示したオールドファンをも納得させるものに違いない。
何度かこの手のCGアニメを紹介した時に、自分はあまり好きじゃないと語ってきたので、その書き込みを読まれた方もいると思うが…そんなCGアニメ嫌いのオイラも、充分納得させるクオリティの高さに、正直ビックリ。違和感なく作品にはまれたことを最初に伝えておきます。
作品の一部には今までのガンダムにもCGが導入されていましたが…キャラもメカも背景も本作は全てCG。なので、統一感が感じられて良い。また、MSに関しては手描きとは違った、メカのリアルな重量感が味わえて迫力満点。ゲームのムービーシーンにも見えてしまうが、迫力の5.1chサラウンドでマイナス面も見事にカバー。5.1chが採用されているガンダム作品の中では、いちばんよくサラウンド感が味わえたんじゃないだろうか?
変に普通のアニメっぽさを意識しておらず、キャラクターなどもどちらかというと実写似で、キャラクターによっては妙に生々しく感じる。第一話に出てくる砲術長とか、モニター越しに写っていると、ホンモノの役者なんじゃないかと錯覚を覚えるくらい、リアルだったよ。
機動戦士ガンダム MSイグルー1年戦争秘録 1 大蛇はルウムに消えた
ジオン軍“第603技術試験隊”、試験支援艦ヨーツンヘイムは…艦隊決戦砲“ヨルムンガンド”をルウム宙域へ運搬する任についていた。これは対連邦軍の切り札として期待される新兵器になるはずだったのだが…彼らの知らない計画が着々と進行していた。そして遂に開戦となったのだが…。
ガンダム本編では、説明程度にしか出てこないルウム戦役…初のMS戦闘が行われたという歴史的な出来事(ガンダムの中でね)で、シャアが大活躍して戦果をあげて出世したことも有名。ジオン軍、モビルスーツ・ザクの圧倒的な強さを見せ付けたってことなんだけど、その裏側には、時代に乗り遅れてしまった古いタイプの軍人さんたちの悲しい運命があったんだってお話。
CGで描かれるシャア専用ザクの動きがたまらなくカッコイイ。せっかくなら池田秀一が演じる、ホンモノのシャアも出して欲しかったところだが…機転を利かせた見事な演出でシャアを画面に出さなくても、説得力ある話にもっていくあたりはさすがです。
脚本は大熊朝秀…=今西隆志監督本人(第3話も監督本人の脚本でした)、やたらと古風なセリフ回しだったりして特徴でてますよね?
機動戦士ガンダム MSイグルー1年戦争秘録 2 遠吠えは落日に染まった
ジオン軍“第603技術試験隊”は、2年前に不採用になったモビルタンク“ヒルドルブ”の地上でのテストという指令を受け、技術中尉のオリバーとエリート女性仕官のモニクは、タンクのパイロット、ソンネン少佐とコムサイで地球に降下するのだが、ジオンから奪ったザクで偽装した連邦軍が待ち構えており、戦闘がはじまってしまう…。
ソンネン少佐が落ちぶれたダメ人間なんだけど…いざ戦闘になると、やっぱ凄いヤツなんだ。声が意外とカッコイイんだ。声といえば…地球連邦のパイロットを中田譲治さん(「ケロロ軍曹」のギロロ伍長だ!?)だった。声がやっぱ渋い!
ファーストガンダムでいうと、アムロが脱走していた頃の話かな?(違ったらごめんなさい)そろそろジオン側でも、連邦が物凄いMSを完成させたと気付き始めているんだね。RX-78ガンダムが、チラリと顔を覗かし、作品を盛り上げくれる。一応ガンダムという名前が付いた作品だけど、唯一、実際にガンダムが出てくるエピソードか?
機動戦士ガンダム MSイグルー1年戦争秘録 3 軌道上に幻影は疾る
ジオン公国の主力MSとして正式採用されたジオニック社のザク…採用を巡ってザクと最後まで争っていた“ヅダ”というMS…改良が加えられザクにも勝る新型MSとして第603技術試験隊に配属、彼らの士気も高まって行くのだが…その実、ジオンの戦況は悪化をたどっているのが事実。この“ヅダ”が今ごろクローズアップされるのにも、意外な秘密があったのだ…。地球から連邦に追われて宇宙へ逃げてきた兵士を回収すべく、第603技術試験隊、ヨーツンヘイムは現場海域に向かうのだが、連邦のボールとジムが襲ってきた!
地上仕様で、宇宙に出てきちゃったザクが、宇宙で溺れているっていうのがいいですね。(そういえば、今西監督の0083ではガンダムが同じ状態になっていた)だってボールに簡単にやられてるんだもん。
そろそろ、ジオンのボロが如実に出始めてきました…。
総括…
物語は戦場に派遣された仕官たちが、ジオンの兵器を実戦で使ったり、試験運用しながらデータ収集するってことなんだけど…既に確立されている1年戦争の出来事と密接に関わってくるから、ガンダム好きなら思わずニンマリしてしまう。日の目を見なかったジオンの兵器を見せるというのを建前に、ようは連邦に敗退するジオン公国の実状を描いているってことなんですよ。なんか、OVAの「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」の映像特典で入っていた“宇宙世紀余話”をもう少し真面目に描いたみたいな内容かな?ゲストキャラクターたちの男気あふれる壮絶な生き様に…ファーストガンダムで散っていった、ランバ・ラルや、ドズル・ザビといったジオンの熱き兵士、戦士たちの姿がダブります。人間臭いジオンのキャラ大好きな人だったら、こういう話、めっちゃ好きじゃない?
監督:今西隆志
出演:石川英郎 長沢美樹 飯塚昭三 大木民夫 松本大 福山潤
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【続編OVAも発売決定!?】
DVD 機動戦士ガンダム MSイグルー 黙示録0079 ジャブロー上空に海原を見た 1
DVD 機動戦士ガンダム MSイグルー 黙示録0079 光芒の峠を越えろ 2