「あなたは何をされている方ですか(あなたの職業は何ですか)。」
「私は弁護士です。」
英語で言うと
What do you do (for a living)?
I am a lawyer.
ここで注目点のひとつは、英語だと不定冠詞を入れるということです。
ですが冠詞の使い方というのは、言語によって結構違うのです。英語だと無冠詞というのは少ないのですが、英語以外の言語だと、「職業を言うときは無冠詞」とかいうルールの場合もあります。
ドイツ語では
Was sind Sie von Beruf?
Ich bin Rechtsanwalt. / Ich bin Rechtsanwältin.(女性)
弁護士はレヒツアンヴァルト(男性)/レヒツアンヴェルティン(女性)といいます。
フランス語では
Qu'est-ce-que vous faites dans la vie?
Je suis avocat. / Je suis avocate. (女性).
弁護士はアヴォカ(男性)/アヴォカット(女性)といいます(女性弁護士もavocatを使うことはある)。
「あなたの職業は何ですか」の直訳は「あなたは人生において何をしていますか」という意味。
英語で弁護士はいろいろな言い方があって、lawyer以外にもattorney, counselがよく使われますがadvocateというのもあり、このadvocateと同じ起源と思われる語が、英語以外の言語でよく見られます。
例えばインドネシア語で弁護士はpengacara(プンガチャラ)ですが、正式な法律用語としてはadvocat(アドフォカッ)といいます。
「私は弁護士です」をインドネシア語でいうと
Saya pengacara. または Saya advocat.
となります。sayaは「私」。インドネシア語にはbe動詞も冠詞もなく、主語と名詞を直接つなげます。
「私は弁護士です」をイタリア語でいうと
Sono avvocato. (ソーノ アッヴォカート)
または
Faccio l'avvocato. (ファッチョ ラッヴォカート)
fare(する、作る)を使うときは定冠詞、essere(英語のbe動詞に相当)を使うときは無冠詞。
なおavvocatessa(女性弁護士)を使うのは稀で、女性にもavvocatoを使うそうです。
後ろから2番目の音節にアクセントを置くとイタリア語っぽい発音になります。
またイタリア語では省略できる主語(io=私は)を普通、省略します。
ちなみにスペイン語で弁護士は男性がabogado(アボガド)、女性がabogada(アボガダ)です。