こんにちは。吉原 馬雀です。
2023/12/4(月)13時10分より、
私が元師匠から受けたパワハラの
損害賠償請求事件 [令和4年(ワ)第26763号]の
公開審理(実質10回目の審理)でした。
遅ればせながらのご報告です。
前回の続き です。
--初回の審理の様子については以下のリンクをご参照ください--
[民事裁判①2022/12/23]裁判ウォッチャーさんによる感想
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--前回の審理については以下のリンクをご参照ください--
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まず論点整理します。
今回の裁判を通して私が相手方に責任を求めているのは、以下の3点です。
① 2022年2月20日の寄席の楽屋での暴行
② 破門を宣告したにも関わらず届を協会に半年近く提出しなかった事
③ 過去のハラスメント行為
今回は以下の項目順にご報告をさせていただきます。
一、私(原告)の提出した文書
二、相手(被告)の提出した文書
三、審理での確認
四、判決期日
今回は一の続きです。相手方からの名誉毀損訴訟への私の反論から説明します。
〔注釈〕
※ 前回の私の主張を踏まえて記載してます。
※ 相手方の主張は訴訟戦略上、一部のみの抜粋です。
※ 文中(原告)は私、(被告)は相手方です。
※ 文中(甲●号証)は、私の提出した証拠です。
※ 相手方の証拠は、(乙●号証)と表記されます。
※ 一部プライバシー加工をしています。
一、私(原告)の提出した文書
前回の本人尋問(文中では原告調書または被告調書と記載)より引用している箇所のみを抜粋してご案内します。
なお文書全文と証拠一切については、判決後にプライバシー加工のうえnoteにて有料販売致します。以下抜粋ながら長文です。
【以下、抜粋】
第2章 名誉毀損の反訴請求について
…(略)…しかし、被告は、「私は、この記事はしっかりと読んでおりません。1回ぐらいしか流し読みしておりません」、「僕は週刊誌は買ってません」(被告調書30頁)と供述している程度の認識・意識のもとに、原告の本訴請求に対抗するため自分の名誉が毀損されたとして巨額の損害賠償請求をしているのである。
そこで、報道された記事の内容のどの表現によって、自分の名誉がどのように毀損されたのかについて、被告に尋問をすると、「全部が当たると思います」(被告調書30頁)と漠然とした供述しかできず、名誉毀損の成否の前提となる事実の摘示内容を特定できないでいる。
…(略)…
1 原告に対する法的責任と法的構成が不明
…(略)…
2 原告が「取材に応じた行為」は名誉毀損行為に該当しない
原告は、第1章で明らかになっている被告による上記の内容の暴力、人格を否定・無視した暴言・言動により、精神的に追い詰められ、その耐えがたい苦痛・悩みを知人に打ち明けたところ、その知人がメディア関係に人脈を有している知人を介して、最終的には●●の関係者が、原告に対して取材を申し入れて来た。そこで、原告はこれに応じたというものである(原告調書29頁)。
…(略)…その後、●●、●●等は原告への取材のもとに作成編集した内容をネットニュースに配信・報道したものである(乙8、乙9、原告調書30頁)。したがって、これらの報道は、原告が持ちかけたものではなく、原告からの取材をもとに作成編集され報道されたものである。…(略)…
3 取材に応じて「情報を提供した行為」は名誉毀損行為に該当しない
…(略)…この場合の編集内容、記事の取り上げ方、タイトルと報道内容などがどのようなものになるかについて、原告は「記事になるかどうかは編集部が決めるんで、そこはタッチできないです」(原告調書30頁3-31頁)と供述している。…(略)…
4 公然と虚偽の事実を摘示したとする主張内容が特定されていない
…(略)…
5 他人の名誉を毀損する情報を提供していない
(1)原告が、配信事業者から取材をうけ最初に説明したのは、●●である。
…(略)…
(2)その報道されている2022年10月12日の表現内容(乙6、乙7)は、以下のごときものである。
…(略)…
(3)上記の●●の報道は、Yahoo ニュースに報道された(乙5)。
…(略)…原告は「読んでいただければ分かりますけれども、当人の人格攻撃をするようなことはしません。私がハラスメントをしたくないんで、そういうことはしないです」(原告調書31頁)と供述している通り、被告の暴力・暴言の客観的な事実をありのまま語っているのである。
(4)●●の報道がされた後に、●●が原告に取材を求めに来て、原告はこの取材に応じた。この配信事業者によって作成・編集され報道されるに至った。それが乙8である。
…(略)…
(5)その後、原告は、●●からの取材に応じて、乙9の報道記事となったのである。
…(略)…
6 報道された記事の真実性と公益性
…(略)…落語協会は、師弟と弟子との間における指導のあり方をめぐって、ハラスメントをなくそうというルール化への方向に動きつつある(被告調書42頁-44頁)。そうした状況のもとで、被告のごとき地位にある者が、第1章で詳細に明らかになっている弟子である原告に対する暴力、人格を否定する暴言、ハラスメントを実行していることは、社会に及ぼす影響は大きなものがある。…(略)…
二、相手(被告)の提出した文書
相手方の文書についても、前回の法廷での本人尋問の引用がある箇所を抜粋してご案内します。(記述そのまま)
【以下、抜粋】
一、原告の請求内容
…(略)…
二、以下、原告の3つの不法行為の主張について反論することにする。
①2022年(令和4年)2月20日の不法行為について
(1)平手打ちについては認めるも、あくまで師匠としての指導の一環として1回だけ行ったもので、続けて暴行を奮っていない。…(略)…
(2)…(略)…無視というよりあろうことか、甲第1号の1、2のテープをとって、被告への仕返し、反撃を企画していたのである(原告の本人調書63項)
②上記暴行行為後における原告に対する理不尽な制裁と人格権侵害行為についても全て否認する。
…(略)…
③上記暴行行為前からのパワーハラスメントについても、何らかの原告被告のやり取り自体があったことは認めるが、それが理不尽であるとか、可罰的違法性があることについては、全て強く争う。
(1)~(5)
…(略)…
(6)2020年12月14日被告宅玄関のやり取り
…(略)…原告は今回出されている3つのテープ以外にも、四、五回も録音して被告の名誉毀損を企画したのである(原告の証言調書50項上段)
(7)~(10)
…(略)…
三、被告(反訴原告)から反訴状における原告(反訴被告)の不法行為について
…(略)…原告は事実をありのままを話したということで違法性がなくなると居直っているが(原告本人調書31項)とんでもない。
原告本人調書31項で原告は
「そうすると、あなたは事実をありのまま語ったということですか?
この裁判上でもお話したのと同じ内容をお話ししています。
あなたは雑誌社に口頭で話したほかに、ほかに情報を何か提供していますか。
私が坊主になった写真だとか、この裁判でも示している証拠のメールだとか録音データですね。そういったものはお渡ししました。」
と供述している。
その事実こそ反訴状の請求原因事実である名誉毀損の実行行為でのものである。それを自供しているのである。
原告は自らが被告への名誉毀損行為をしておいて、未だに自分は事実を言ったのだから、全く悪くないとなぜか確信して、自分が被告のことを告発したのは「市民としての当然の権利だと思っている」のである(本人調書35項)
…(略)…
三、審理での確認
今回の審理は原告被告が上記文書を提出のうえで、行われました。
被告の文書の中に「消滅時効」の文言があったため、裁判長や私の弁護士から消滅時効の援用について確認がありました。
被告弁護士から消滅時効の援用はしない旨の確認を取りました。
四、判決期日
2024年1月26日(金)13時10分より東京地方裁判所の421号法廷にて判決となります。
今回の報告は以上です。最後までお読みくださりありがとうございました。
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メディア掲載情報
週刊新潮の記事のウェブ版
[ 毎週水曜16時【 週刊らくごTIMES】 ]
リーガル系落語家の吉原馬雀と
ドキュメンタリー落語の三遊亭はらしょうが
業界問題を本音で語る!
今週の週刊らくごTIMESは
本番直前に演者はどう気持ちを落ち着けるのか
というお話です。
・出演、テーマ提供:三遊亭はらしょう&吉原馬雀
・企画、編集:吉原馬雀
[署名]
#落語協会にハラスメント対策の徹底を求めます!
[new!]落語家のための法律資料室
現在は一般社団法人の議案提案の資料を掲載中。
理事選任など議案で可能のため
今後必要な手続きだと思います。
一応、追記予定としては
著作権がらみ・ハラスメント被害者の予防策。
現在の裁判が終結したら資料一切を掲載予定。
ただしプライバシー加工し
有料販売とさせていただきます。
【 ハラスメント対策関連の主な記事 】
★対加害者の記事 (時系列順)
[民事裁判①2022/12/23]裁判ウォッチャーさんによる感想
[民事裁判⑦と⑧2023/8/24・9/4] 証人尋問にむけて
[民事裁判⑨2023/10/16] 原告被告の本人尋問 ←new
※第10回期日(了):
12月4日㈪午後13時10分より、東京地方裁判所の421号法廷。文書メインの進行でした。
★落語協会関連
師匠ともども週刊新潮に掲載 ←new
★その他
フリーランス保護新法が成立 ←new