ハラスメント被害者の心構え | 吉原馬雀の奇妙な冒険

吉原馬雀の奇妙な冒険

元・三遊亭天歌でしたが、吉原朝馬門下となり、高座名が変わりました。

吉原馬雀(よしわら ばじゃく)です。

 

 

 

おつかれさまです。元・天歌です。

 

本日は、嫌がらせを受けているなと思った時の基本知識についてお話します。




たびたび言及してますが、

ハラスメントの被害者はまず証拠を押さえることを大事にしてください。

さまざまな場面で証拠が物を言います。弁護士や支援者・メディア・警察や裁判所などの公的機関、あらゆる場面で必要です。

一番最初に録音ボタンを押すのは本当に勇気がいりますが、録音ボタンを押させているのは被害者のあなたでなく、加害者です。

ちなみにハラスメントに遭い続けた被害者自身がこっそり録音して証拠として保全するのは、違法じゃないのでご安心ください。それを公開するなどした場合に初めて違法性の議論になります。(下記資料参照)

落語協会の会員が相談窓口を利用する場面でも、今後はとりわけこの証拠が物を言います。先のハラスメント説明会でも顧問弁護士から、ハラスメントの成立については諸般の状況を見て厳格に判断する態度が見えました。ですから、加害者や窓口に有無を言わさない証拠は必要となってくると思います。

(この点、もっと気軽に相談できるのが本来の相談窓口の役割だと思いますが、現状窓口の機能が一切不明ですからね。。窓口が勝手に立場の強い加害者側に立つ可能性は否定できないので、言い逃れできない証拠は必要と思ってます。もちろん窓口改善は来年早々に実現したい課題です)

私自身もがんばって証拠を残していたおかげで、現在の民事訴訟で加害者が言い訳できない証拠を提示できてます。2月20日の暴行があった事実については、加害者は答弁書で「そこ(録音)に被告の言動があるなら、その会話をしていることは争いようがない」と素直に認めています。



逆に、証拠がないとどうなるのか

旭川いじめ事件の文春オンラインの11月19日の記事を読んでいて教訓にすべきだなと思いました。

被害者母親が担任の教員にイジメについて相談したところ「デートなので」と断られたことについて、教育委員会の調べに対して担任は否定。
さらに教頭が遺族に「10人の加害者の未来と、1人の被害者の未来、どっちが大切ですか。1人のために10人の未来をつぶしていいんですか」とかなり具体的な発言したことも文春オンラインは報じたものの、この発言についても先月開かれた2回目の説明会で、学校は今更否定してきました。

もちろん私は記事を読んだ読者にすぎませんが、ずっと記事を追いかけてると、両名とも発言を否定するタイミングはいくらでもあったのに、何をいまさら言ってんだという感じです。担任は1回目の説明会で保護者に訊かれてんだからその場で否定しろよと思いました。

決定的な証拠がないのをいいことに、人は自分を守るために土壇場でも嘘をつくこともありえるというわけです。(再調査委員会による調査でこの点の確認をがんばってほしいです)



自分に置き換えると、2月20日の被害の録音が無かったらと思うとぞっとします。ハラスメントの被害者は、本当に勇気をもって録音や録画してください。いくらあなたが被害を訴えても、証拠がすべてですから。

予見できない被害に遭われ証拠が入手できなかった場合は、事後的に信頼できる人にメールなどで報告しておくのがおすすめです。双方に記録が残り、ついでに証人もゲットできます。こういったメールなども裁判では証拠として提出できます。

 

(話題はそれますが、この点SNSやメールなんかで、いじめや脅迫や不適切な発言をする人を見て、心底馬鹿だなと思います。加害者自ら進んで証拠を提供しているようなものです。今は電話の会話も自動で録音できますし)

昔は自分がつらい目にあっているのを恥として、私は誰にも言わずまた手帳に記録も残しませんでしたが、今の自分なら信頼できる人に愚痴でもいいから聞いてもらって記録は全部残せと言います。もちろん怒られた原因は昔の自分にありますが、しかしハラスメントは被害者とは関係がなく、加害者の選んだ手段がいけないのです。指導に暴言や暴力や嫌がらせは不要です。ハラスメントで悪いのはすべて加害者です。




また長くなってしまった。。。

あと被害者は、最後に民事上の消滅時効の5年を押さえておきましょう(2020年4月1日より)
刑事事件は犯罪により時効が異なるので、この点下記の資料をご参照ください。刑事まで狙うなら、証拠は強くないとだめなので録音は日付時間まで克明にされるのをおすすめします。

 

ただ時効になっても加害者の社会的な責任はなくなりませんからね。時効を迎えたとしても、被害者は証拠は残しておいたほうがよいです。日常で目に触れたくないなら、Googleドライブなどにぶち込んでおけばいいわけですし。




署名を開始してから36日目となりました。
現時点で5387名様のご賛同ありがとうございます。

[署名]#落語協会にハラスメント対策の徹底を求めます!

 

 





【参考資料】
 

 


・法務省資料「2020年4月1日から事件や事故によって発生する損害賠償請求権に関するルールが変わります」

https://www.moj.go.jp/content/001289630.pdf

 

 

 


・文春オンライン旭川14歳少女イジメ凍死事件35