昨日の落語協会のハラスメント説明会のレポートです。 | 吉原馬雀の奇妙な冒険

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元・三遊亭天歌でしたが、吉原朝馬門下となり、高座名が変わりました。

吉原馬雀(よしわら ばじゃく)です。

 

 

 

 

昨日の落語協会のハラスメント説明会のレポートです。

(長文です……m(__)m)


説明会について、以下の内容のお話でした。
・セクハラやパワハラやモラハラなど多岐にわたるハラスメントの種類
・改正パワハラ防止法での事業者(協会)の義務
・パワハラ6類型の説明


下記の点はすごくよかったと思います。
・ハラスメントの具体的事例について初めて協会員全体に講習できた。
・協会の顧問弁護士によるプロによる20分もの講演だった。
・舞台演芸業界のつい最近の事例を踏まえ、ハラスメントにより公演中止という社会的なリスクも説明できた。


下記のコメントについて印象的でした。
・「伝統芸能のためには厳しい指導が必要」
・「ハラスメントについて師弟関係も一般企業の上司と部下と全く異なりますので、同じ基準で判断すること自体不適切と個人的に考えています」
・司会の菊之丞師匠から「理事会で継続して審議している」「皆様からも意見を賜りたいとおもっている」


協会弁護士のコメントで、厳しい指導が必要というのはこれはどの職業も同じで、ことさら伝統芸能に対して改めて発言されるのは狭い見識です。

ろくな検証もしないで「伝統芸能のためには厳しい指導が必要」と言う言葉自体が、はっきり言って修行も経験していない人に言われたくありません。私はこの言葉を聞くたびに「皆おなじ人間じゃないか」と苦しんだものです。

むしろ弁護士なら法の下の平等を説いてほしいものです。

業界の構造的に人権が抑圧されやすい、だからこそ一般企業よりも手厚い人権保護が必要です。いじめはどの組織でもあるので、さらに落語協会は構造的にハラスメントは起きやすいんですね。

現状の協会弁護士の理解だと、実情のデータが足りないため今回は一般論を話してしまったんだと思います。

それは一般人にとって当たり前の理解なのでこれ以上非難しません。しかし協会の顧問弁護士としてこのままの理解だと、相談者が窓口に相談しても事例が誤った解決となり、二次被害を生みます。この問題を感じました。

(もっとも窓口の相談員が誰なのかいまだに分かっておらず、しかしその相談員が究極的には顧問弁護士に法的見解を聴く前提で話してます…)

なので私としては、まずは事例を集めることを改めて主張します。
この業界の者が何に苦しんでいるのか声を聴かないと、このままだと狭い見識で事例の解決に臨まねばならないからです。

協会主導で第三者委員会による匿名の実例調査は不可欠だと再確認しました。この点は本日登壇こそされていませんが、10月の説明会に登壇されたもう一人の協会弁護士と見解が一致しています。

ひとまず法令順守の姿勢はうかがえましたので、こちらとしてはすでに提出している質問状の回答を待つつもりです。夏に出した2通の内容証明も色々具体的に訊いてましたが、今の協会弁護士であればあの時の回答書よりもましなものがくるはずです。

あと肝心の相談窓口の説明はなかったです。どんな解決が期待できるのか、相談したことに対する報復措置の禁止を決めねば、立場の弱い被害者は利用できないです。



こうして課題はもちろんありますが、きちんとハラスメントを一同に初めて説明くださったことは歴史的なことです。説明会の開催に尽力くださった落語協会関係者にお礼申し上げます。

会員の意識向上はこの一度ではなかなか難しいです。こういうよい取り組みは継続を是非ともお願いします。セクハラなど現代はかなり厳しいモラルですので、とくに女性の少ない業界だからこそ、この講習も是非ともお願いします。



この場でもうひとつお礼申し上げたいことがあります。

私が会場に入ってから席を探していると、サーフィン部で宮崎に来てくださっている圓菊師匠と一左師匠より同じテーブルを案内していただきました。個人的にどこに座るかが勝負の場でしたので(いや冗談じゃなく本当に)、やさしくご対応くださったことに心が救われました。ありがとうございました。

また席についてからも隣の馬玉師匠が話しかけてくださいました。居場所ができたことにとてもほっとしました。重ねてお礼を申し上げます。

ほか話しかけてくださったおしどり先生や朝之助兄さん、ありがとうございました。



署名については、協会の体制がまだその基準に届いていないため、引き続き継続をいたします。

署名活動は33日目です。
現在までに5359名さまのご署名ありがとうございます。

#落語協会にハラスメント対策の徹底を求めます!