[民事裁判②2023/1/30]加害者の答弁 | 吉原馬雀の奇妙な冒険

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元・三遊亭天歌でしたが、吉原朝馬門下となり、高座名が変わりました。

吉原馬雀(よしわら ばじゃく)です。

 

 

 

 

 

こんにちは。元・三遊亭天歌です。

 

2023/1/30㈪午前11時、東京地裁にて

私が元師匠から受けたパワハラの

損害賠償請求事件 [令和4年(ワ)第26763号]の

準備手続(実質2回目の審理)でした。

 

 

--初回の審理の様子については以下のリンクをご参照ください--

 

[民事裁判2022/12/23]私の訴状

 

[民事裁判2022/12/23]加害者の答弁書

 

[民事裁判2022/12/23]私の意見陳述書

 

[民事裁判2022/12/23]裁判ウォッチャーさんによる感想

 

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前回の続きです。

 

(前回はこちら⇒[民事裁判②2023/1/30 私の書面]

 

 

今回は法廷でなく、相手方弁護士が遠隔地のためzoomによる進行です。

相手は代理人のみで加害者は欠席です。

最後のほうで「あ!」という展開がありますので、最後までお読みくださるとありがたいです。

 

 

 

前回の公開の法廷(昨年12/23)で加害者側は欠席しましたが、こちらはハラスメントの各事実の認否について加害者に誠実な確認を求めていました。被告の答弁書には事実の認否がなくほぼ持論のため、裁判所もその点は見解が一致してました。

 

 

そして1/28(土)、相手方の書類(準備書面)について内容を知ることができました。

 

(ちなみに一部表現に誤りがあったため、審理直前に書面が差し換えとなりました。誤表記3か所が訂正されましたが、内容としてはそんなに大きいものではなかったです)

 

 

 

なお加害者提出の書面については、私の担当弁護士の指導もあり、全文ではなく一部引用する形で、私の印象に残った箇所を以下にご紹介します。

 

 

 

 

『1.2022年2月20日の被告の言動について

一つ一つ被告が細かく記憶しているものではないので、その時の言動について「原告が隠しテープ(甲第1号証の1、2)でとっているなら、争いようがない」と素直に答えただけのことである。…(略)…尚、同日被告が原告の頬を平手で打つ時、それを避けようともせず、どうぞ打ってくださいとばかりに顔を被告の近くにさし出してきたので変だなと思ったのであるが、今になって原告が被告を追い詰める本件テープをしかけていたことでその事の事由が判明したのである。』

 

 

正式にはもちろん次回の審理までに書面と証拠により反論となります。個人のブログですので、思うところをお伝えします。

 

「頬を平手で打つ」と主張してますが、私たちが訴状の中で主張しているのは「頬」でなく「頭頂部」です。ここの事実の差し替えの意図が不明です。

 

加害者からすると些細な事と主張するかもしれません。

 

しかし私たちの訴状にはっきり明記していること、また録音データも提出していることさえ、正しく認識していない加害者の態度こそが問題です。つまりこの事から、人に対して手をあげるという重大な人権侵害行為をしている意識が、軽薄であることが良く分かります。

 

加害者は暴力が指導という主張を首尾一貫して行っていますが、やむに止まれず指導として必要最小限の手段を取ったのではなく、最初からその意識がまったく欠けているのです。

 

「どうぞ打ってくださいとばかりに顔を被告の近くにさし出してきた」とありますが、抵抗してないだけで差し出してなどいません。加害者は何も言わず不意打ち的に叩いてきたので避け様もありません。録音にて「いきなり叩かれるのは本当によくわからないです」と反論しているのがその証拠です。加害者の暴力的指導を肯定する態度を私は一切取っておりません。

 

それと上記加害者の主張はまたもや持論となってます。法律論にまで消化してほしいところです。

 

次の加害者の主張です。

 

 

 

 

『2.原告が同日楽屋に残っていなかった経緯について、原告が事後的に考えて正当化事由を色々と述べているが、それについては原告の方で主張したければ大いに主張立証されたらいいことである。尚、原告は落語協会から「演者は自分の出番が終わった後には、楽屋に残らず帰宅することを要請していた。」と言うもあくまで楽屋に残るなというのみで、寄席の木戸口にも残るなと言っているのではない。…(略)…』

 

 

「楽屋に残っていなかった経緯について、原告が事後的に考えて正当化事由を色々と述べている」との主張ですが、私の内心をどうやって証明されるおつもりでしょうか?

 

それと楽屋に残ってなかった事情として、もちろん協会のメールもありますが、それ以前に私たちは当時発令されていた東京都のまん延防止措置などを訴状の中で主張しております。こういった事情は事後的なものではないですね。

 

つづいて「原告は落語協会から「演者は自分の出番が終わった後には、楽屋に残らず帰宅することを要請していた。」と言うもあくまで楽屋に残るなというのみで、寄席の木戸口にも残るなと言っているのではない」との主張についてです。

 

落語協会は帰宅までメールで要請しているのであり、それは当然「寄席の木戸口に残るな」という意味にもなりますが、加害者はここを歪曲されてます。

 

また都のまん延防止措置という法治国家として国民の当然の協力を避けてまで、歪曲しなければならない根拠を今後、加害者に対してお尋ねするやもしれません。

 

 

 

 

『3.…(略)…。破門届については、令和4年10月20日にやむなく出した。被告は先代の師匠から「弟子は破門にするな!辞めたいという分には仕方がない。」ときつく言われていたことを順守したかっただけである。』

 

 

「先代の師匠から「弟子は破門にするな!…(略)…」ときつく言われていたことを順守したかっただけである」と主張されてます。加害者が「破門」と口にするのは、別途提示した証拠の録音でもそうですが、決して今回に限ったことではありません。加害者はこれまではっきり何度も「破門」と言ってきました。この期に及んで、今更先代の師匠の「破門にするな!」の言いつけを守っていると言うのは、さすがに無理です。ご自身が書面上で何度も持論として語られている落語界のルールさえも、更に独自のルールで破っておられませんでしょうか?

 

いわゆる常習的な脅迫としてこれまで「破門」という言葉を使って、加害者は「一度も弟子を破門にしたことがない」という主張をするのであれば、法的にはより悪質な評価となります。すなわち刑法犯ではなく、暴力行為等処罰に関する法律1条の3常習的脅迫罪にも該当しうるものです。

 

暴力行為等処罰に関する法律については、こちらをご参照ください。

 

何より「破門」と言われた時に、生きる術を失った人間の味わう精神的苦痛がいかほどのものかお分かりでしょうか?そのような噺家にとって重い言葉を、本質を考えず脅迫文句として使い続けたことは、今後の審理でよくよく斟酌させていただきます。

 

 

 

 

 

『4.被告が訴状で言うところの「(3)上記暴力行為前から続いていた被告の暴力行為とパワーハラスメントによる人格権侵害行為」について、答弁書で当職は確かに認否していない。それは300万円の損害発生についての要件事実でなく間接事実と評価したからである。…(略)…』

 

 

当職は確かに認否していない」とありますが、この裁判の当事者は原告の私と被告の三遊亭圓歌です。被告代理人はあくまで代理人にすぎません。事実認否は加害者自身の認識でなされるべきです。現場に立ち会ってもいない代理人個人の推認で認否を判断し、被告自身が事実にも向き合っていないのであれば大問題です。むしろ加害者自身を公開の法廷で呼び出して直接確認したほうがよいかもしれません。この点も次の審理で追及します。

 

「300万円の損害発生についての要件事実でなく間接事実と評価した」とありますが、この点については私の弁護士2名が双方で確認し、審理中に口頭で、以前のハラスメント事案も含めて不法行為責任を構成するものという旨の主張がなされました。

 

訴状で列挙した10にわたるハラスメント事案については、3つの事実を加害者が書面にて否認しました。なので、次回の審理までにこちらはさらに反論と証明を重ねます。

 

 

 

 

そして審理にて、加害者の弁護士が口頭で「名誉棄損で反訴します」と意向を出しました。

 

「反訴」とは分かりやすく言えば、加害者が私を名誉棄損で訴えたいところ、今回の訴訟と関連する事項が多岐にわたるため、あわせて裁判所に審理を要求することです。

 

口頭だけではできないので、訴状同等の書類を代理人は作成する必要があります。

 

もちろん想定内です。でも実際に言われると「ついにきたか」という感じです。

 

名誉棄損については、以前こちらの動画で解説した通りであります。

違法性は阻却される事由を見越して、私は最初から告発してます。

その点は今後の審理でも丁寧に説明をいたします。

 

 

 

反訴に関する書面については、2/27までに加害者側は提出をするということでした。

 

 

 

 

なお、この反訴について、私がその場で加害者代理人に口頭で尋ねたことがあります。

明日はその内容をご紹介します。それと私の弁護士から提出された書面がもうひとつありますので、あわせてご紹介します。

 

 

 

 

 

 

署名をはじめて67日目です。

 

[署名]#落語協会にハラスメント対策の徹底を求めます

 

現時点で5600名様のご署名ありがとうございます m(__)m

 

 

 

 

 

 

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[民事裁判2022/12/23]私の訴状

 

[民事裁判①2022/12/23]加害者の答弁書

 

[民事裁判①2022/12/23]私の意見陳述書

 

[民事裁判①2022/12/23]裁判ウォッチャーさんによる感想

 

[民事裁判②2023/1/30] 私の書面

 

※第3回期日:2023.3.3の13:10~ (zoom審理のため非公開)

 

 

 

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