あさが来たネタバレ 19週　114話

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あさが来たネタバレ 19週　114話

千代の事を思って京都の女学校を訪ねた新次郎です。

女学生達が新次郎を見かけると「ごきげんよう。」と挨拶してゆきます。
新次郎も腰を屈めて「ごきげんよう。」と慣れない挨拶をしてみます。

「はぁあ、けどまあ、
女学校いうのは当世風なおなごさんばっかりなんだすな。千代はこないな中でうまい事やっていけてますのやろか？」
新次郎が、そんな独り言を言いながら座っていると
「はあ！数学は嫌ですわぁ～。」という千代の声が聞こえ、
ふと見ると、友達らしい子と千代が、お喋りしながら二人で、廊下の向こう側からこちらに歩いてきます。
そして、お喋りをしながら、新次郎に気付かずに通り過ぎて行きました。

宜＞「ご機嫌よろしゅうなんて言うてはった癖に。」
千代＞「ふふふっ。」
宜＞「それにお千代様みたいな商家の子は数学はむろん上手な達人やないとあかんのんやありません事？」
千代＞「いいえ。私家業なんか手伝う気あらしまへん事よ。」
宜＞「まあ～もったいなくてよ！お千代様。」

「いいや！私なんて母が自分の無教養の口惜しさを、娘で晴らしてるだけですもの！」
芝居がかってそう言うとくすくすと笑いだす千代。
宜もつられて笑い「あ～楽し！うちにはあんたより他に友達なんか要らんわ。」と言います。

千代＞「やぁ、それはうちがあの人の娘やさかいやろ？」
宜＞「ううん。うち、あんたが好きやの！」

それを聞いて「おお！」と歓声を漏らす新次郎です。

「ああ、学校がこない楽しいのに卒業してしもたらどないしよ…。女子にももっと学べる大学校があったらええのに。」
と入学したばかりなのに、もう卒業後の心配をする宜です。

けれど、やっぱり千代の考えは真逆で「女子に大学校やなんて困ります！宜ちゃんかてそない長い事勉強してたらお嫁のもらい手が…。」
などと言ってる最中、視界に新次郎の姿が入ります。
千代＞「あっお父ちゃん！」
宜＞「へ？お…お父様！？」

新次郎＞「ちゃんと馴染んでましたがな。」

[主題歌　AKB48の「365日の紙飛行機」挿入]

[ナレーション]
新次郎が京都の旅で家を空けていた頃大阪の加野銀行では…。

もう６～７杯ほどもお茶のお代わりをした成澤が
「それでは早速ですが、白岡さんまずあなたに尊敬の念を述べさせて下さい。」
と前置きすると
「私が最初にこの銀行の噂を聞いたのはアメリカ留学中の事でした。」から始まり…
日本の大阪の銀行で、女子を雇った革新的な所があるという。日本の従来の通念では有り得ない！
しかも評判も上々と聞こえて来たが、
『どうせ客寄せに掃除でもやらせているのだろう。』と思っていた。
けれど、やはり、気になって帰国後すぐにこの銀行を訪れたとの経緯を語りました。

成澤＞「そして驚いた！彼女たちはきちんと銀行の一員として人格を持って働いているではないですか。」
あさ＞「人格を？」

成澤＞「そうです。
接客の礼儀作法のみならず計算も的確にこなし華やかで目立ちはするものの決して目立ち過ぎる事はなく各人の職務をこなしていました。
その見事さを見に何度ここに足を運んだ事か。
その時の私の喜びの表情を今ここでお見せしたいぐらいです！」

あさ＞「つまりあんさんはこう…働くおなごをこっそりと見るのが好きいう事だすか？」

成澤＞「違います！私は女子が知性を持って社会の一員たろうとする姿を見るのが好きなのです。
女子が男と同格…いや分野によってはそれ以上の力を持っている。そう考えるだけで心が躍るのです。」

この時、成澤は立ち上がってあさに背を向けていましたので、ガラス戸がノックされて外の平十郎が『何如』（大丈夫ですか？）
と書いた紙を、あさに見せてくるので、あさも成澤が気付かない間に急いで『奇人』と書いて、外のみんなに見せました。
ここで成澤が振り返ったので、あさは慌ててその紙を後ろに隠します。

成澤＞「彼女たちはきちんと働き方の教育を受けたに違いない。そう思った私は一体誰の教えなのか行員に聞いてみました。
すると驚く事に、ここでもご婦人の名前が出てきた。
白岡あささん。それがあなたです。」

あさ＞「はぁ。」

成澤＞「あなたは本当に素晴らしい。私はあなたを尊敬します。」
再び両手を差し出して握手を求める成澤です。

あさは、たじたじして
「そうだすか…そらおおきに。あの子達をそないに認めてくれはるお人がいてはったやなんて嬉しい事だす。
今までは仮採用やったんだすけどな、この春からは正式に女子行員として働いてもらおて思てますのや。」とお礼を述べがてら
ちょっと予定を述べました。

成澤は、女子行員達がいる部屋の外に向かって手を広げて「正式に！？ワオッ！」と全身で喜びを表現します。

しかし、この辺りから、そろそろ毅然とした態度に切り替わるあさです。
「そやけど成澤さん。あんさんは一体何者だす？」

成澤は答えようとして「はい。私…。」と言い掛けたところで眩暈を起こして、倒れ掛かる身を
なんとか支えようと思ったのでしょう。
あさの肩に片手を置きます。
この時、外にいた平十郎が、こらあかん！と思い「あんた何してんのや！」と叫んで入ってくるのとほぼ同時に、
成澤はあさに投げ飛ばされておりました。

気を失って床の上で伸びてしまった成澤。

「しもた…」と思った時はもう遅く…
「よいしょ。」と、うつ伏せの成澤を表がえした平十郎「あかん！完全に伸びてますわ。」
あさ＞「へえ？！」…というような顛末で、成澤は奥に運び込まれて寝かされて、
医者を呼んで診てもらう事となりました。

お医者様の見立ては強度の栄養失調。
うめが看病しておりますと、よのも来て「滋養不足てなぁ…。」と心配したり珍しがったりしていました。
かのが、身なりは汚いが顔はよく見たら端正なので、
「これは今流行の清貧いうやつやおまへんか？」と言い出します。

よの＞「清貧て…ああ、あの貧しいても清く美しくてなぁ。」

「清貧？」と呟いて首を傾げるあさです。

そこへハトがやって来て「あの奥様。ひょっとしたらそのお方、
うちの行ってた女学校で昔、先生してた方やないかと思うんです。」と告げました。

後日、
調べてみたところ、ハトの言う通り、以前に桃沢女学校で教員をしていた人物だという事が
判明したと、あさは、榮三郎や平十郎達に報告します。

更に住まいも極貧そうな所で、近隣の人からは
『夢のためにお金使い果たして奥さんに愛想尽かされたんやないか』と言われていた事がわかりました。

そういう人物が一体何の用で、あさに近づいて来たのかと、皆で頭を寄せて考えているところに
のんびりした調子で帰って来た新次郎。
「ただ～いま。お…何やみんな集まって相談でもしてますのんか？」

あさ＞「何呑気な事を！旦那様こそどこ行ってはったんだす？またふら～っといてへんようになってしもて。」

新次郎＞「そら山屋さんとこ行ったり、京都で目の保養やら色々だすがな。
…でどないしましたんや？この相談役になんぞ相談事なんぞありまへんのか？」

榮三郎＞「いや別に…。」

新次郎＞「へぇへぇ。ふらふらと。」
再び、風の様に去って行く新次郎でした。

[ナレーション]
その頃、京都の千代は…。

床を延べてお喋りをしている千代と宜です。

宜＞「いやあ、あんたのお父ちゃん素敵やわ～。大阪の偉いお人やいうのに、うちにまでこないお土産くれはって。」

鏡に向かって髪をとかしながら千代「『趣味三昧の頼りない男や』言うてたやんか～。」

宜＞「やっぱりちゃんと、この目で見てみなあかんな。ほなおやすみ。」

宜に「「おやすみ。」と返すと、千代は、
ふいに訪ねてきた父、新次郎の言葉を思い出していました。

※千代の回想。

新次郎＞「あのなぁ千代。わて前にも言うたけど、あんたのお母ちゃんの事、尊敬してます。
まあ尊敬いうか、近頃の言葉で言うたら愛情やな。」

千代＞「嫌や…仕事辞めて京都にのろけに来たんだすかあ？」

新次郎＞「けどまあわて、いっつもそないな目ぇであさの事見てきましたのやさかいしょうがあれへんがな。
そやけどなぁ誰もが、あさみたいなおなごになるのがええて、そない思てる訳やあれへんのやで。
あんたのお母ちゃんかてそうなんやで。
お母ちゃんかてお姉さんのおはつさんみたいな道に憧れてるとこもありますのや。
そやけど自分にはこの道しかあれへん思て前向いて歩いてます。」

千代＞「お母ちゃんが…？」

新次郎＞「せや。千代に店で働いてもらいたいそない言いながらもお母ちゃんも迷てますのや。」

千代＞「あのお母ちゃんが迷う事なんかありますのやろか？あの人は殿方以上に強いお方だすさかい。」

新次郎＞「そらありますがな。
お父ちゃんの目ぇから見たらな、お母ちゃんかてそない強いおなごやあれへんのやで。」

千代＞「へえっ～！？」

※千代の回想、終わり。

大阪、加野銀行の朝、出かけようと、あさが靴紐を結んでいますと、
再び成澤が訪ねて来ます。

成澤は先だっての失礼を詫びると、あさに頼み事があると言います。

「あなたを見込んでの事です！」と勢い込む成澤ですが
「あ…そやけどうち今から商業会議所行くとこで。急いでまして。すんまへんなぁ。」
と上手くかわそうとするあさです。

すると歩き出したあさの背中に「女子の教育に関心はおありですか！」という成澤の大きな声が響きます。

成澤＞「私は長年女学校で教鞭を執り、またアメリカでは女子の教育について学んでまいりました。
日本でも、御一新以降ようやく女性の地位向上が考えられ、
明治３年、横浜のヘボン施療所で女子教育が始まり、翌年には５人の女子が初めてアメリカに留学。
そして東京に女学校が開校し、京都では新英学校・※女紅場が開設され、明治８年には官立の女子師範学校が開校。
しかし、ここに来てまだ、女子にだけ開かれていないものがあります。」
（※女子に対して読み書き算盤や裁縫、手芸を授けた教育機関の事）

あさ＞「開かれてないもの？」

「私は日本で初の女子の大学校を作ろうと思っとります！」成澤は、そう言って、あさの目前にツカツカと歩み寄ると
「是非ともあなたにその設立にご賛同頂きたい！」と迫りました。

あさは驚きましたが…。
「そら、えらい事だすなぁ。そないな事だ～れも考えすらせぇへんかった事だす。えらい事や！」
と認めたかに見えたあさに喜んで
「そうでしょう！ですから是非…。」と言い掛けた成澤の言葉を、
あさは手を上げて「理想はすばらしい！」という言葉で遮りました。

その後「そやけどあんさんに出来る事とは思われしまへん。失礼します。」と冷たく言い放って去ります。
成澤は頭をかきながら、店の外まで追いかけて、あさに追い縋り「ああ！あなたほどの人でも分からないのか！
女子の責任を重くして活発ならしめ、その快楽を大きくし、日本婦人を鎖から解き放つべきだとは思わないのですか？」
と抗議します。

けれども、あさは冷静に「成澤さん。うちはこのとおり忙しい身ぃだす。今日は堪忍しとくれやす。」
と、小さく頭を下げました。
しかし内心では、成澤のひつこさに、ちょっと辟易としていました。

それでも折れない成澤は「いいや！決して諦めますまい。
新しい女子教育に理解を示してくれる方は、日本広しと言えど、あなた以外にありますまい！」と言うと、
懐から原稿の束を取り出して「私が書いた教育論です。」と言って渡します。
訝しがりながら受け取るあさに成澤は一礼して去りました。

その夜、新次郎が帰宅すると、
あさが寝所で文机に向かって座り泣いていました。
驚いて「どないしましたんや？あさ。」と尋ねる新次郎にあさは謝り、
昼間、成澤から渡されて読み終えた草稿を掲げ持つと「何べん読んでも涙が止まりまへんのや。
この世にこないすばらしい事考えてはった人がいてはったやなんて…。ああびっくりぽんや！」と申します。

[ナレーション]
この原稿との出会いが、あさを新たな舞台へと導く事になるのです。

あさが来たネタバレあらすじ 20週 115話へ続く。

【出演】波瑠，玉木宏，ディーン・フジオカ，升毅，柄本佑，三宅弘城，山内圭哉，友近，清原果耶，興津正太郎，吉田八起，林与一，風吹ジュン，近藤正臣，宮崎あおい，楠見薫,梶原善,山崎銀之丞,富田靖子,北原雅樹,中山義紘,平田理