あさが来た　ネタバレあらすじ　12週　71話

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あさが来た　ネタバレあらすじ　12週　71話

サトシは両親が亡くなった後、流転の人生の末、炭鉱に流れ着いたのだと新次郎に話します。
結局、サトシは自分が恨みにより犯行を決行した事を認め、
病床の正吉と会い、罪を詫びるのでした。
正吉もサトシに、昔、彼の父親が、お金に困っていた時に力になれなかった事を詫びました。

[ナレーション]
炭坑の落盤事故を起こしたサトシは、幼馴染みの新次郎に連れられて、
警察へと出頭していきました。

「はぁ、ほっとしましたわ。これで、一段落だすな。」と、安堵して、
番頭台でうめに入れてもらったお茶を飲む亀助。

うめ＞「ほんまだすなぁ。怪しい男の正体も分かりましたし。」
ところが、弥七が「せやけど、わてが見たのは、あの男やありまへんで。」と言いだして、
うめ、亀助、あさは、まだ他にも訳ありな人物がいるのか？！とギクリとします。

弥七は「わてが見た男は、もっと年も上で、背も、わてと変わらなんださかい。
それに、睨みつける言うより、何やこう『へへへェ』て笑て中、見てたみたいで。」
と変質者っぽい笑い方まで真似て見せるのでした。

弥七が言う特徴からすると、八っちゃんではないと、あさは言いましたが、
４人がそんな事を話している所へ榮三郎が入って来ますと
「それに、肝心の炭坑の一件かて、まだ何も片づいた訳やあらしまへんで。」と、あさにとっては耳の痛い話を始めました。

亀助＞「若旦さん…。」

犯人が捕まったからと言っても、その犯人から償い金が取れる訳でもなく、
被害額が甚大で、立て直しにお金がかかるのは同じ事、
その上、炭鉱では、現在も採掘が止まったままの状況は変わりなく、炭坑は、やはり加野屋のお荷物でしかないから、
手放すべきと榮三郎は主張します。

これに対してあさはキッとキツイ顔をして「うちは炭坑を手放す気はあらしまへん！」と言い放ちます。
うめが、心配して、口答えをやめるようにと促しますが、あさの耳には届かず
あさは榮三郎の前まで来て座り直すと
「何べんも言うてます通り、炭坑はうちの始めた商いだす。事故が起きたさかいいうて、
途中で放り出す事は決してでけへんのだす。」と正面切って食って掛かります。

冷や冷やするうめを尻目に、あさは「いいや、こればっかりは引かれしまへん。」と、けっして対抗姿勢を崩さず、
榮三郎と睨みあいを始めるのでした。

「また始まってもうた…。」と困り顔で、亀助がうめに囁きました。

[主題歌　AKB48の「365日の紙飛行機」挿入]

そこへ入って来た新次郎、榮三郎とあさが無言で睨みあっている前へ行って座ると、二人を眺め
「こら、何してますのや？にらめっこでも、してますのかいなぁ？」と不思議そうに言うと、
二人の顔を交互に見てから、あさの両頬を摘まみます。

あさ＞「いたたたたたっ！何しますねん！」
「はぁ？」と言って新次郎が笑い、
ここで肩の力が抜けたのか、榮三郎は「はぁっ…。」と一つ溜息をつくと
「分かりました。ひとまず…ひとまず今は、お姉さんの意見を聞く事にしまひょ。」
と申します。
意外でしたが、あさは喜び
「雁助が送ってきた見積もり、もう一回見てみましたら、どないかなるかて、ちょっと思えてきましたんや。」
と言った榮三郎の言葉に同調して、パッと顔を輝かせて榮三郎の両手を取り
「うちも、あの見積もり見ておんなじ事、思たんだす！
雁助さんの見込みどおり、立て直しが半年で済んで、そこから採炭が、うまい事いきだしたら、
どないか２年半でまた儲けが出るようになるて！」と勢い込んで喋りました。
そして、そのまま、あさが、何かの手遊びでもするように、
榮三郎の両手を取ったまま波のように体ごと上下に揺さぶり喜びを表現していると、
よのがやって来ました。
「仲よさそうに何の話だす？」

うめ＞「へぇ。それが、商いの話なんだす。」
榮三郎＞「でも、２年半は、都合よう見積もり過ぎだす。３年は見とかんと。」
あさ＞「そうだすな。坑夫さんもまた、集め直さなあかんし。」
榮三郎＞「それに、今すぐ当面のお金は、借りなあきまへん。」

あさは「そうだすな。」と頷くと「あ…すぐ蔵から帳簿を持って来ます。」と身軽に立ち上がり
蔵へ向かって走り出しました。その背に向かって榮三郎が
「今までお姉さんが貯めた蓄えかて、全部、無くなりますのやで。
お姉さんが願ってはった銀行やなんて夢も、もうかなわへんけど、よろしいのか？」と、
急ぎ声を掛けますと、あさは振り返り
「へぇ！諦める訳やあらしまへんけど、ひとまず…ひとまず今は、銀行の事は置いておく事に致しましょ！」
と話す顔は、お日様の様な明るさに満ちておりました。

再び大慌てで駆け出すあさを見て、うめが「あーあ…またあないに大股で！」と相変わらずな様子を嘆き、
榮三郎は「ほんまにもう、馬車馬のようなお人やなぁ。」と言って笑いました。
新次郎＞「ほんまになぁ。」
榮三郎は「わて一人では、到底止められはしまへんわ。」と諦め混じりに言うと
「あ～あぁ、雁助早帰ってけえへんかなぁ。」と嘆きます。
そんな榮三郎の真横に座りなおすと新次郎、「榮三郎、おおきに！」とお礼を言いました。
榮三郎は「お…お礼なんて言われても、困ります。お兄ちゃんも、これからは、わての味方してくれやす。」
と答え、兄弟で笑い合いました。
その様子を、よのは微笑ましそうに眺めておりました。

松造との顛末の報告を新次郎から聞いた病床の正吉は
「そうか。警察、行きましたかぁ。」と感慨深そうに言い
新次郎も「へぇ。すっきりした顔してましたわ。」と、心情的には、この事件が落着を見せた事を伝えます。

正吉は昔を思い出し
「そやけどあの頃はお前にも辛い思いさせましたな。私の事、恨んでますやろ？」と尋ねます。
新次郎は正直に当時の心情を「へぇ。わてなぁ、お父ちゃんの事、ただのケチや思てましたわ。」と申します。

「ただのケチ？アホな事言わんとき、もう…。」と苦笑する正吉に、
新次郎は笑って「せやけどなぁ、今やったら分かります。お家を守る言うのは、
そないな辛い決断の積み重ねなんやて。」

正吉＞「商いちゅうもんはな、いつでも必ず何かもうどうしようも、ならんちゅうとこが来ますのやわ。
その時に、すぐに人からお金借りたりしていたらもう、また、あかんようになります。」
新次郎＞「へぇ。しんどい時こそ、人に頼らず、自分の足で乗り越えていかなあかん。
わてな、あさから、その事学びましたんや。」
「そうか。ほう。」目を左右に動かし正吉は言います。

新次郎＞「へぇ。わても、ちょっとは、あさの仕事の手伝いでもしてみよか…てな。」

意外な新次郎の言葉に正吉は「ほんまかいな？！」と驚きながらも喜びました。

「こらまあ、嘘でも、お前の口からそんな言葉が出たて、榮三郎が知ったら喜びます。
違う違う違う違う…。ほんまに嬉しいのは、私や。」そう言うと笑う正吉。
新次郎も頷いて共に笑います。

それから数日後、病床の正吉が、枕元でお香を炊いていたよのに
今日はちょっと伽羅の香りはきついと告げて、マナカに替えましょうというやり取りをしていると、
表から千代の泣き声が聞こえてきました。

正吉＞「また泣いてますがな。」

外で火がついたように泣く千代を、ふゆとあさがあやしている所へ
深刻な顔をした新次郎が、あさを呼びに来ました。

あさは千代を抱いたまま新次郎と共に、寝ている正吉の部屋へ入って行きます。
「千代ちゃん、来てくれたんかいな。ああ…ちょっとだけ、顔見せて。」と言うと正吉は、
よのと榮三郎に助け起こされて半身を起こします。
先ほどとはうって変ってすやすやと眠る千代（千代は寝ている時には髪の毛が薄くなります）

千代の顔を見ながら「かいらしいなぁ。この子大きなったらどんなべっぴんさんになりますのやろなぁ。
もうちょっと見てたいなぁ。」と言う正吉に
新次郎は「心配せんかて、大阪一のべっぴんさんになりますわ。」と申します。
正吉は「そら、それでちょっと、困りますな。」と言うと力なく笑いました。
「わがまま言うたはりますわ。」と言う榮三郎の声は涙を堪えていました。

正吉は榮三郎の方を向くと「榮三郎。お前なぁ、早い事結婚して…。なぁ、奥さん持って…。
婚礼の事はよのにみんな、任してるさかいな。」と、よのを指さして言います。
榮三郎＞「わては、お母ちゃんみたいな、かわいらしいお嫁さんもろて、
きっと、お父ちゃんみたいな、ええお父ちゃんになります。」

再び布団に上向きに寝た正吉は「嬉しい事言うてくれるがな。そや。あさちゃーん。
うちな、男の子ばっかりしか生まれしまへんやったやろ？あんたが来てくれてからもう何や、
うちの中が明るうなりましたんや。」と、あさに話し掛けました。
あさは正吉の容態を心配して「お父様、もうよろしいんだす。何もしゃべらんといとくなはれ。」
と言いますが、それでも正吉は、また身を起こしながら、あさの耳元まで口を持っていくと
苦しい息の下「あさちゃん…。うちの事、よろしく頼みまっせ。うん、あっ…。」と告げ
再び身を横たえて「よのと、２人にしてくれへんか。」と言いました。

自分の最期の時を予感した正吉は、皆が部屋を出て、よのと二人っきりになると、
よのの膝枕で「すまんなぁ。お伊勢さんに行かれへなんだ。」と言います。
よのは溜息のように笑い「そないな事言わんといとくれやす。大丈夫だす。またきっと行けます。」
と声を掛けます。
それが、よのの慰めと、わかっていた正吉でしたが「うん。そうかぁ～。」と、あっさり聞き流すと
目を瞑ったまま
「あぁ～っ、暗峠、越えてなぁ。奈良や…！んー、あれ、そこから榛原行って、その先は、お伊勢さんまでもう一本道や。」
と思い出しながら話します。
かつてよのと行った時の光景を思い出しながら…。
よの＞「お店がぎょうさん出てましたなぁ。」
正吉＞「ほんまや。そやな。ああ、何でも、好きなもん買いなはれやぁ～。」
よの＞「買うのは後だす。お参りが先。」
正吉＞「ああ…そや！わぁあ、大きな鳥居やなぁ。」
よの＞「ぁぁ、人が、ぎょうさんいてますなぁ。はぐれんように…！」
この時、目を瞑ったままの正吉の左手がガクリと下に落ちます。
正吉＞「よ…よのさん。手ぇ！」
しっかりと、その正吉の手を握るよの。
正吉＞「神さん！頼んまっせ。加野屋と、私の、一家がどうぞ、塩梅よういけますように。
よのさんが、うまい事、生きていけますように。よろしゅう…頼んまっせぇ。」

正吉の手を握りしめたままで涙を堪えるよのは、次の瞬間、正吉の手から力が抜けたのを感じ
「お前様？！お前様！？お前様あぁぁ！置いてかんといとくれやす！」と泣き出しました。
正吉の手を再び握り「お前様！お前様…お前様…。」と泣き崩れるよのでした。

よのの泣き声で、正吉の死を察し、加野屋の店中の者が泣いていました。

千代を膝に抱く新次郎の胸で泣き崩れるあさ。
（この時には目覚めていた千代の髪の毛は再びふさふさに。）

[ナレーション]
加野屋の、一つの時代が、終わったのでした。
そして、正吉のいなくなった加野屋にも、また、新しい朝がやってまいりました。

翌朝、一番に起きたあさは、まだ無人の店に出て、
正吉から言われた最後の言葉『うちの事、よろしく頼みまっせ。』を思い起こすと、
主のいなくなった正吉の席を見て頷くのでした。

あさが来た　ネタバレあらすじ　72話へ続く。

【出演】波瑠，玉木宏，ディーン・フジオカ，升毅，柄本佑，三宅弘城，山内圭哉，友近，清原果耶，興津正太郎，吉田八起，林与一，風吹ジュン，近藤正臣，宮崎あおい，楠見薫,梶原善,山崎銀之丞,富田靖子,北原雅樹,中山義紘,平田理