あさが来た　ネタバレ　15週　88話　五代の英語～a pawn in this politica

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あさが来た　ネタバレ　15週　88話「大阪の大恩人」

新聞社は、政府がおよそ1,400万円という巨額の費用を投じた官有物を、
五代らの大坂の会社が、たったの39万円で払い下げを受ける事になったと、大々的に報じ、
官と民の癒着であると厳しい批判を浴びせました。

寄合所に押し寄せる取材陣の対応に追われる五代の部下達です。
記者＞「国税をかすめとる大泥棒やろが！言い訳できひんな！」

その様子を集会室から窺いながら話し合う大阪商人達。

天神屋＞「いやぁ…こら、どういう事だすのや？」
祇園屋＞「つまり、五代さんが、政府の知り合いと手ぇ組んで、北海道開拓使の権利をえろう安う買いはったっちゅうこっちゃ。」
山屋＞「わても前からあの会社、何やおかしいな思てましたのや。」
天神屋＞「困るがなぁ。わて、あの会社にお金出してまんのやで。」
その他の誰か＞「うちもやがな～！」

一方、加野屋でこの記事の新聞を広げている新次郎の横で弥七が
「なんぼ政府と仲がええいうても、39万は安すぎや。怒り買うてもしょうがあれへんわ。」と言うと、
雁助も「欲張ってしもたんやろけどなぁ。これで日本中を敵に回してしまいましたがな。
こないな書き方されたらすっかり五代さんは悪徳商人だっせ。」と申します。

新次郎＞「悪徳商人なぁ…。」

そこへ息を切らしながら到着したあさ。
あさ＞「ただいま。」
雁助＞「お帰りやす。」
あさ＞「旅の途中で、これ読みましたんや。五代様は？五代様とは話しはりましたんか？」
新次郎＞「いや、それがわても気になって方々行ってみたんやけどなぁ。どこにも見当たれへんのや。」

「そうだすか…。」と、心配そうに顔を曇らせるあさ。

榮三郎＞「…で、お姉さん。見てきた山はどないやったんだすか？」
「へぇ。それが…。」と、あさが答えようとした時、急にうめが、意識を失い倒れるのを雁助が抱きとめました。

あさ＞「嫌や、うめ！どないしたん！？」

[主題歌　AKB48の「365日の紙飛行機」挿入]

部屋に運ばれて休息したうめは、ようよう元気を少し回復し、
ツタが運んできたお茶を飲んで一息ついておりました。
そのうめの様子を心配そうに雁助が障子の陰から覗いていました。

一方、こちらは簾で囲まれた風通しの良い部屋。
あさは、新しく買い足ししてきた炭坑の証文を榮三郎に差し出して見せます。
榮三郎＞「そうだすか。…やっぱり買いはりましたか。」
あさ＞「後の報告になってしもてすんまへん。そやけどもう、東京からも名古屋からも、買いたいいう店がようけ来はって。
せやのに売り主さんが、加野炭坑の評判聞いて、是非にと待っててくれはったんだす。」
優雅に扇子であおぎながら新次郎「評判？」と聞き返します。

榮三郎＞「そら、わても炭坑行った時に聞きました。加野炭坑は、事故があっても、山を見捨てる事のう立て直したて。
坑夫達も大事にしてて、決して、儲け一辺倒の店やあらへんて。」

新次郎＞「あっちでは、あさの気持ち、伝わってますのやな。」
「せやさかい、もう後戻りはでけしまへん。きっと、新しい山も、加野屋のお宝になるよう育てていくつもりだす。」
真剣なあさの申し出に榮三郎はしばしの沈黙の後「分かりました。よろしゅう、お願い申します。」と頭を下げました。

あさ＞「へ？」
新次郎＞「え？」
榮三郎＞「お姉さんの目で見て、間違いあらへんて思いはったさかい、はんこ押してきてくれはりましたんやろ？
それやったら、わてもそれを信じます。」

あさ＞「榮三郎さん、ほんまだすか？」
榮三郎＞「へえ。ああ、雁助かて、あないな言い方やったけど、やめとけとは、言うてまへなんだ。
ほんまにあかん思たら、何が何でも、止める男だす。
炭坑については、お姉さんが頼りやて、どこか、そない思てるんや思います。
何せ、大阪一の、おなごの商人みたいだすさかいな。」
新次郎＞「大阪一！？」
あさ＞「榮三郎さん、おおきに！」
榮三郎＞「ほんま、よろしゅう頼んます！それにしても、この先これ以上の借金はごめんだっせ。」
あさ＞「へぇ。分かっております。いいや、せやけどやっぱり、ここやいう時はもうバーッと借金してでも買うて、
それ以外の時は、コツコツ、倹約して。あ、そないやり方の方が…。」

榮三郎が「お姉さん！」と、あさの正面に座り直し睨みますと、
「すんまへん。承知致しました。」と、あさ小さくなって自分の口を摘まみまあす。

ここで新次郎、話題を五代の事件の事に…。
「せやけど、やっぱり考えてみたらけったいやなぁ。…五代さんは、あさやわてらなんかよりずっとお金の事、
分かってはるはずやわなぁ。せやのに、万が一、儲けが欲しかったにしても、こない無茶な事しはるやなんて…。」

ここで、あさ再び、五代の事が心配になり「やっぱりうち、五代様のとこ行ってきます。」と、
飛び出して行きます。
その後、榮三郎が新次郎に「五代様の話してはった事で、気になる事があるんだす。」と切り出します。

家を出る前に、倒れたうめの様子を確認しに来たあさです。
「あっ、うめ！大丈夫やな？」
まだ木戸にもたれて、しんどそうにしていたうめでしたが、あさに気付くと
「あ…おあさ様！」とすぐに立ち上がろうとします。

「あぁ、うめはええさかい休んでて！うち一人で行ってきます。」と告げて飛び出して行くあさを、
やはり心配で追いかけようとしているうめでした。

けれど、これを、雁助が走って来て引き止めます。
「ちょちょちょ…ちょっと！今日は、流石にもう追いかけんかてよろしおますやろ。
言わはった通り、奥さんは、もうどこをどう一人で歩こうとおかしないお人だす。
それにあんた、もう若ないんや。長旅の後でそない無理したらあかん。」
うめ＞「へぇえ…。」
雁助は「たまには自分を大事にし。…まあ、わてもやけどな。」と言うと、去って行きます。
このように、さりげなく、うめの事を見守り、気遣う雁助なのでした。

[ナレーション]
あさは五代を捜しました。

しかし、五代の姿は大阪のどこにも見当たらず…。

実は、その時、五代は北海道にいたのでした。
北海道の宿の部屋で新聞を眺め溜息をつく五代。
西日の入る部屋で、憂いを含んだ横顔が映し出されます。
「こない日本中の人気者になってしまうやてなぁ…。」

三坂＞「冗談を言うてる場合やございません！」

その頃、大阪では、五代を探すあさが、美和の店へ到着したところ。　

店の中ではカウンター席に座った客二人が五代の悪口を言っています。

年配の男の客＞「薩摩同士で手ぇ組んで私利私欲を謀るとはなぁ。」
若い男の客＞「あの五代も、どんでもない所業してくれるもんや！」
そして笑い合うその二人の所へ拳を握りしめて、あさが近づいて行こうとした時、
美和が、あさの袖を掴んで引き止めます。
「来てくれはっておおきに。そやけど、お店で揉め事は堪忍だす。」そう囁くように告げる美和に、
あさが「すんまへん…。」と謝罪し、五代の居場所を尋ねると、
美和は、あさを店外へと連れ出し
「今、北海道に視察に行ったはります。」と告げます。

美和＞「北海道をどう開拓したらええのか、自分の目ぇで見に行ったはりますのや。
あささんと同じだす。そやけど…この新聞いうのんの力は大きおます。こない煽り立てるような字ぃ並べただけで、
あっさり人を悪人に出来る。えらい怖い事だす。」

五代の人柄をよく知っているあさにとっても、それは全く同感でしたが、
民衆が、事の詳細を知りもせず、いかに簡単に、こうしたマスコミの発言を鵜呑みにして、その気になるのかは、
古今東西変わらぬ、愚かな人の世の常でございます。

家に帰ったあさは、その夜、千代の着物を縫いながら
「美和さんの言わはる通りだす。何も知らん人があないな記事読んだら、
誰かて五代様が腹の黒い大悪人やて思てしまいます。」と、新次郎に話します。

この時、新次郎と千代はもう床に入っておりましたが、まだ起きていて
あさの言葉を聞いた千代が新次郎に「五代様、お腹、黒いの？」と尋ねます。

新次郎＞「どないだすやろなぁ？わてもまだ裸の付き合いまではしてへんさかい見た事あれへんよってな。」

それから行燈の灯りを消して、あさも床に入ると、瞬く間に寝入ります。
「お母ちゃん、もう寝てしもた。」と言う千代に
新次郎は「ん…はぁ、ほんまや。」と言うと笑って、あさの方を向いて肘枕をし
「そらそうやろなぁ。九州から帰ったばっかりやいうのに、町走り回って、
ほんで千代の着物縫うて…そらしんどいわなぁ。なぁ、千代。確かにお母ちゃんは、人と違てます。
多分、普通の人より、こう…力が、有り余ってますのやろなぁ。」

千代＞「ふ…ん。」

新次郎＞「その力を、わてや、千代にだけやのうて、お家や、商いのために使てくれてる。
みんなを守るために、戦うてくれてる。」

千代＞「戦う？」

続けて新次郎はこう千代を言い聞かせるのでした。
「そうや。そやさかい、お母ちゃんはなぁ、千代だけのもんには、決してなられへん。
ちょっと寂しい時もあるかも分かれへんけど、人のためになるいうのは、大事な事だす。我慢したってな。」

千代は幼いながらも考えて「うん。」と返事をします。
それで、新次郎に「お利口さんや。おおきになぁ。」と頬を触られて、嬉しそうに微笑む千代でした。

それからもう熟睡しているあさに、二人で布団を掛け直して、
「ご苦労さん。」と言って新次郎が寝ているあさの頬を撫でると、千代も真似て
「ご苦労さん。」と、同じようにあさの頬を撫でます。

[ナレーション]
それから新聞の開拓使に関する攻撃はますます強くなり、大阪商人達までもが、やり玉に挙げられるようになりました。

寄合所では大阪の商人達が口々にこの事態に怒りの発言をしておりました。

これでは、大阪の商人が皆で結託してボロ儲けしているというあらぬ誤解を受けた上に、
大阪商人の信用が地に落ちると言うのです。

天神屋＞「大体何年かは儲けもあれへんいうのを、腹くくって商いしよう思てたのに。何がボロ儲けや！？」
「五代様はどこや！いつになったら話聞けるんや！」興奮して椅子の背を叩く神田屋に
新次郎が、やけに冷静な声で「まあ、日本中駈け回ってはりますさかいなぁ。」と言いますと、
山屋が今更のように新次郎の参席に気付き「新次郎さん！あんた、何してまんのや？」と言います。

新次郎＞「何て…わて、一応ここの会員だすがな。」
神田屋＞「加野屋はん！あんたらえらい五代様と、仲ようしてたけど。ほんまはなんぞ知ってはんのと違いまんのか！？」
あさ＞「何も知りまへん！知らんさかい聞きに来たんだす。そしたら何だすか、この騒ぎは！？」

榮三郎＞「お姉さん。」

「大体、今まで、五代様に大阪のために、ぎょうさんいろんな事してもろてて。うち達が五代さんを信じんと、
どないしますのや！」と、テーブルを叩いて立ち上がって活を入れるあさですが…あさのこの一言で会場は更に紛糾し、
新次郎が慌てて「あさ！あんた、何火に油を注いでますのや、もう！」と制止しているところに、
北海道の、官有物の払い下げが取り消しになったという一報が入ります。

[ナレーション]
結局、世間の大騒ぎを受けて、五代の準備していた北海道官有物の払い下げは、取り消しになってしまいました。

その頃、北海道の宿にいる五代と三坂。
腕組みをして考え込む五代に三坂が言います。
「しかし、一旦許可されたいうのに、今更取り消しやなんて信じられません。政府は一体何考えてますんや！」

五代＞「 I was just a pawn in this political fight after all. （結局、政治の争いに利用されたというわけか。）」

《以下、88話　五代の英語解説》
pawnの意味は駒⇒ just a pawnで、まさしく一介の駒と訳す。
justの用法は多様で、形容詞にも副詞にも用いられるが、ここではa pawnの形容詞として見た方がわかりやすい。
after allの意味は結局。 politicalの意味は正確には「政治」ではなく「政治上の」だから名詞ではなくて形容詞ですので、
political fightで政治紛争となります。

三坂＞「はい？」
「いや…。」と言うと五代は立ち上がりトランクを持ちます。

三坂＞「どこ行きはります？」
五代＞「大阪商法会議所に。」
三坂＞「はあ？」
五代＞「皆に説明せなあかんやろ。」
三坂は慌てて「行く先々で民権派が、払い下げ批判の演説会をしています。騒ぎが収まるまで静かにしといて下さい。」
と言って引き止めようとしますが、
五代は「いいや、もう待たれへん！私は…。」と強い口調で決意を口にしている途中で胸を押さえて苦しみだし、
膝から崩れてしまいます。

三坂＞「大丈夫ですか？五代さん！」
五代は息も絶え絶えに「大丈夫…はぁ。何ともない。」と言い張り、
心配する三坂に、残りの気力を振り絞り「私は…大阪商法会議所、会頭を、辞任する。」と告げました。

あさが来た　ネタバレ　15週　89話に続く。

【出演】波瑠，玉木宏，ディーン・フジオカ，升毅，柄本佑，三宅弘城，山内圭哉，友近，清原果耶，興津正太郎，吉田八起，林与一，風吹ジュン，近藤正臣，宮崎あおい，楠見薫,梶原善