あさが来た　ネタバレ　15週　87話

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あさが来た　ネタバレ　15週　87話「大阪の大恩人」

[ナレーション]
あさの待っていた手紙が届きました。

中には地図のようなものが同封されており、
店のあさの席の衝立に貼ってある九州の地図と見比べて
「これや。」と、ニンマリするあさです。

一方、うめは、お勝手でお茶を飲む雁助に、
五代が「銀行設立に関しては、大番頭さんの意見が正しい」と言っていた事を告げます。

雁助は、いつも、商人らの先頭に立ち、新しい商いを率先して勧めている五代の言葉とは思えず
耳を疑いましたが、うめは、確かな事だと言い
「これで、おあさ様の商い病が、ちょっとは治まってくれたらよろしいんだすけどなぁ。」
と期待を寄せます。

雁助＞「ははは。そうやとええのやけどなぁ。まあ、あの奥さんの事だす。きっとすぐまた何か考えはりますやろ。
何せ止まっとく事のでけへんお方やさかい。」

うめは「番頭さん。おあさ様の事、ほんまは気ぃ悪されてるのと違いますか？いくら、お家のためとはいえ、
番頭さんたちが守ってきた両替屋の商いを、どんどんどんどん変えてしまいはったさかい…。」
と、気を揉みつつ聞きます。

それで雁助は、気を許しているうめの事ですから、本音の話を致します。
「ほんまの事言うたら、わて、炭坑であんたから、大旦さんが亡くならはったいう文もろた時に、
いっぺんは、お店辞めさしてもらお思たんだす。」

うめ＞「え？」
雁助＞「いや、お慕いしてたのも、恩義があるのも、大旦さんや。その大旦さんのいてはれへんようになった加野屋で、
果たしてわて、働く甲斐があんのやろかてなぁ…そやけど、仕事途中で放り出すのも気ぃ悪いし、
それに、若旦さんは、まだわてを頼りにしてくれてはります。小さい頃からお店の事考えてはる真面目なお方や。
しっかりした八代目になって頂きたい、思いましてなぁ。」

うめは微笑みを浮かべて頷きながら
「そうだすかあ～。若旦さんも安心だすなあ。あんさんみたいな、頼りになるお方が傍にいてはんのやさかい。」
と言うと、ふと何かを想って立ち上がり、雁助と対面になると
「そやけど、番頭さんはうちとは違て、いずれ、暖簾分けして、一国一城の主にならはります。その時は…。」
と何かを言い掛けたのですが、でもその続きを言えなくて
「すんまへん。堪忍だす！うちには関わりのない話だす。」と申し訳なさそうにお辞儀をすると、
慌てて外へ走り出て行ってしまいます。

雁助が腰を上げてお勝手から店に戻ろうと立ち上がり廊下側へと出ますと、壁に背中を向けて書類を抱えて突っ立っている
あさを見つけます。
あさは何も知らないといった風な顔をして
「雁助さん。あの…明日、お話がありますのや。」と言うと、そそくさと行ってしまいます。
雁助は、今さっきの話を聞かれていたのではないかとズキーンとして「いや、あの、いつからいたはりましたん？」との
問いかけを、去りゆく背中に投げますが、もう構ってはくれません。

[主題歌　AKB48の「365日の紙飛行機」挿入]

奥座敷で、新次郎が、榮三郎に「何やあさが、何か話あるて？」と聞いている所へ、
よのが現れて
「それにしてもあの、五代さんいうお人は、おなごの扱いお上手だすわ。千代はな、五代様の事が好きみたいだっせ。」
と笑いながら言います。
それを聞いて、新次郎は「そらあかんがな！千代にまで気に入られるやて、ほんまにもう、トモちゃんめ！」
と心中穏やかならぬ様子。

よの＞「え？トモちゃん？」

そこへ千代が「お父ちゃん！」と言って駆けて来ます。
新次郎は喜んで千代を抱き上げますが、腕の中の千代に
「お父ちゃんも、普通のお父ちゃんと違てるの？」と聞かれてしまいます。

恐れていた事がついに来たかと新次郎、千代を抱いて店の外へ出て、ままごとの様子を見に行きます。
よのと榮三郎も一緒について出て、共にままごと見学です。

すると、ままごとでは、こんなやりとりが展開されておりました。

みよ＞「もう、お父ちゃんいうたら…。あんたがもっと稼いできてくれな、
こんなおかずしか出されしまへんのやで！」

「は…。やいのやいの言いないな、もう！ちょっと働いてくるさかい。」
お父ちゃん役のたつ吉が、そう言いながら下駄を履いて、とことこと出かけて行きます。

かよ＞「お父ちゃん、お気張りやす。」

よの＞「あらまあ。」

榮三郎＞「せやな。普通のお父ちゃんいうたら、ああだすわなぁ。」

新次郎「やっぱり来ましたな…。ままごというんは、ほんまに怖い遊びや。」と、
魂を射抜かれたような顔で言います。

あさは店の主だった者を集めて炭坑の買い足しの話をします。
あさ＞「忙しいとこ集まってもろてすんまへん。実は、炭坑を買い足したいて思てんのだす。」
皆の顔色が一斉に変わります。

榮三郎＞「本気で言うてはりますのか？」
あさ＞「へぇ。前々から、九州にいる亀助さんに、近くで買い足し出来そうな山の話があったら
教えて欲しいて言うてたんだす。
そしたら、ようよう売りが出てきたそうで。
この山だす。この山やったら、今の山とそない離れてまへんさかい、無理のうやっていけます。」
と、手紙に同封されていた地図を差し出します。

「ただ、近頃の炭坑人気で、どんどん値は高なってるみたいで…。」
あさはこれを、今の手持ちの資金では足りないので、借金してでも買い足すつもりだと言います。

借金と聞いて、榮三郎も雁助も渋い顔をして反対しますが
あさは、加野炭坑から、さほど離れていないから、きっと大丈夫やと言って聞きません。

雁助＞「きっとではあかんのだす。当てが外れたら、また借金まみれに、逆戻りだすわなぁ。
ようよう爆発事故から苦労してここまで来たいうのに。
そないな危ない賭けに出て、ほんまによろしおますのか？」

あさ＞「銀行については、雁助さんの言わはった通り、うちの焦り過ぎだした。
すんまへなんだ。そやけど今度は決して、一か八かの賭けやあれへんのだす。
今の石炭景気で考えたら、決してそろばんの合わへん賭けやないて思てます。」

雁助＞「分かりました。それやったら、どうぞ、お好きなようにしとくれやす。」

あさ＞「え？」

雁助＞「まあ、両替の商いやったら、わてが大番頭として今まで引き継いできた責任もおます。
そやけど、炭坑の商いは、奥さんが始めはった事だす。」

榮三郎＞「雁助、そやけど…。」

雁助＞「買い足そうが、爆発させようがかましまへん。ただ、次、何かあっても、わては尻拭いには行かしまへんさかいな。」

隣の部屋では、千代が、さちやよのと一緒に折り紙をしており、
話し合いの様子をさちが気にしておりますと、よのが
「さちさん。心配せんかてよろし。
うちもなぁ、此の頃は、うちの男衆はみぃ～んなしっかりしてるさかい、任せといたらええ、
やっぱり、そない思いますのや。」と言うと
「なぁ、千代。」と笑って千代に振りました。

明日、物件を自分の目で確認するために、九州に立つ事を決めたあさが、新次郎と話している所に
千代が「さちさんと作ってんねん。」と言って切り紙を持って見せに来ます。
あさ＞「まあ。」
さちも後から入って来て「七夕様に飾る天の川だす。」と言います。
あさ＞「まあ、上手やこと。綺麗に作りましたなぁ！」
千代＞「うん！うち、上手やねん！」

あさが千代に明日からまた、炭坑に行く事になったと告げると、
千代は、やはり寂しそうにします。

[ナレーション]
翌日、炭坑に出かける前のあさに、待っていたもう一通の手紙が届きました。
それは、和歌山に暮らす、姉、はつからのものでした。

「わぁ、お姉ちゃんの字や！」と言って、あさは手紙を読み始めます。

以下、手紙の内容▽
あさ。元気に暮らしていますか？
もう藍之助は10歳。養之助は６歳になり、藍之助は、村の学校に通うようになりました。
ほんまは、お月謝を払うのは、我が家にとって、なかなかしんどい事なんやけど、
今は、お母様までもが、藍之助のためにと懸命に働いてくれはって、どうにか、月に米一升を払う事ができています。
暮らしぶりは楽やあれへんのやけど、楽しゅう暮らしております。

いつか２人を連れて、千代ちゃんやあさに会いに行きたいと思てます。

加野屋の皆様も、どうぞお元気にお過ごし下さいますように。

はつより。

あさ＞「藍之助、お勉強好きみたいだすなぁ。」
新次郎＞「そらええこっちゃ。そないゆうたら、有田は、教育熱心なとこやて聞いた事ありますな。」
あさ＞「へえ。一家みんなで、子供の教育のためにて力合わせてはって…はぁ～よろしなあ。
お姉ちゃんも相変わらず、ええお母ちゃんみたいやし。」

それから、うめと旅立つあさを、さちと千代が見送ります。
店の前の七夕飾りには先ほどの天の川が飾られてありました。

あさ＞「お土産、買うてきますよって。」
千代＞「うん。」
あさ＞「ええ子にしてるんやで。」

数日後、五代の事務所で秘書の三坂が
「加野屋の奥さん、近頃見かけへん思たら、また九州行ってはるみたいですわ。」と五代に話し掛けます。
五代＞「九州に？」
三坂＞「ええ。また商いの手ぇ広げるっもりやろか？かぁーほんまに無茶なおなごやで。手に負えまへんわ！」

五代はグラスに酒を注ぎながら
「手に負えそうにないものほど、つい追い求めとうなる。それが男いうもの。そうは思わへんか？」と、
そのグラスを三坂に差し出して立ち上がります。

そして
「北海道かてそう。簡単には、手に負えそうにない。新しい商いばかりやからこそ、余計にやってみとうなる。」
と言い、北海道の地図の置いてある所まで行くと
「これは、私の昔からの習い性かもしれんなぁ。一つの事に満足せず…難儀な方、難儀な方へと行ってしまう。」
との自分語り（とはずがたり）。

三坂は「近頃、お酒の量が増え過ぎやありませんか？難儀な方、難儀な方へ行くのは構いませんが、
悪戯に、命を縮めることはやめて下さい。」と言うと、五代の手にしたグラスを奪います。

五代は観念したように「はいはい。」と返事をしました。

三坂が部屋を出ていくと、部屋の壁に飾ったペンギンの絵に手を伸ばして触れる五代。
すると、すぐまた三坂が戻って来て
「えらい事です！今、下に東京の新聞記者がいて。近いうちに、これを記事にするって。」
と言って、何かのメモ書きを広げて見せます。

それにサッと目を通すと、一瞬にして顔色を変える五代
「はぁあ！？何やこらあ！？」

1881年（明治14年）７月。
いくつかの新聞社から、薩摩出身の五代が、同じく薩摩出身の政府高官と癒着しており、
「北海道の官有物を格安で払い下げられる」という報道が大きく世に出ました。

新聞でその記事を見て「五代さんが！？」と思わず大声を上げる新次郎に、
千代も驚いて「お父ちゃん、五代様、どないかしたん？」と聞きます。

新聞を片手に足早に歩くあさを追いかけて、うめも後に続きます。
あさ＞「五代様…。」

あさが来た　15週　88話へ続く。

【出演】波瑠，玉木宏，ディーン・フジオカ，升毅，柄本佑，三宅弘城，山内圭哉，友近，清原果耶，興津正太郎，吉田八起，林与一，風吹ジュン，近藤正臣，宮崎あおい，楠見薫,梶原善,山崎銀之丞,富田靖子,北原雅樹,中山義紘,平田理

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