あさが来たネタバレあらすじ 20週 118話

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あさが来たネタバレあらすじ 20週 118話

[ナレーション]
あさは早速、東京の大隈重信に、手紙を書きました。そして…。

手紙の返事を待ちきれず、大隈に会うために東京へ行く事にします。

新次郎＞「へ？もう東京行くて？」

大隈は政府の職を辞してから、連日のように家に大勢の面会希望者が押し掛けているとの事で、
手紙の返事を待つよりも、そこに加わってみる方が早いとのあさの判断です。

朝の食卓で、新次郎は、あさからその話を聞いて「はぁ～そらそら。社交的なお方だすのやなぁ。」
と感心しています。
うめに手伝われて身支度を整えて、あさが出かけようとする直前に、よのが欠伸をしながら、かのを従えて起きて来ました。

あさ＞「あ…お母様、おはようございます。行ってまいります。」
よの＞「行っといで。」
藍之助＞「行っといでやす。お早うお帰りよう。」

思いついたら即行動は、あさの、いつもの事ですが、今回の件も既に噂になっていて、心配だとかのが言います。

かの＞「炭坑、銀行とお作りになった奥様が、今度はおなごの大学校に入れ込んでしもてるいうて。」
よの＞「おなごが目立ついうのは、ええ事ばっかりやあらしまへんよってなぁ。」

店を出て、出かけていくあさを、酔っている様子の萬谷が離れた場所からジッ…と睨みつけていました。

[主題歌　AKB48の「365日の紙飛行機」挿入]

[ナレーション]
東京に到着したあさは、大隈の屋敷へと向かいました。

大隈邸の玄関で、数多くの脱ぎ散らかされた履物を、あさが片付けていると、
「いらっしゃいませ。」という声がして、奥から大隈夫人の綾子が出て来ました。

綾子は、目の前の人物が白岡あさだとわかると
「ああっ、白岡あささん！まあ、お見えになるのを、うちの大隈、楽しみにしていたんですのよ。」
と言いました。

あさが中へ通されていくと大隈は大勢の客人に囲まれて、何やら話し込み愉快そうに笑っていました。

「なんて事だす…。」
少し離れた場所で、あさが呟いていると、一人の男が近づいてきて
「へえ～君、女だてらに大隈先生に話しに来たのですか？それは緊張もするでしょう。」と話し掛けて来ます。

「いいや、違いますのや。うち、今までは、初めて行くとこ行くとこ大抵はお猿さんがいたりして、
びっくりぽんな事ばっかりだしたのに。こない親切に中に入れて頂けるやなんて…。」
と、初めて聞く人からすれば奇天烈な話をし始めたあさの所へ
綾子が「猿？何を仰ってるんですか？」と笑いながらやってきます。

そして「白岡さん。せっかく大阪からいらしたのに、そんな所で立ったままでいらしたら、
いつまでも、話なんかできませんことよ。さあ。」と言って、あさの手を引いて、
人々の輪の中心に座っている大隈の前へと導いてくれました。

綾子＞「あなた。大阪の、加野銀行の白岡あささんです。ほら、あなたが楽しみにしていらした！」
大隈＞「おっ、あなたが女だてらに、金儲けに成功して銀行を作ったという、例の女の人であるか。
いや～これはお目にかかれて光栄である。我が輩が、大隈重信であります。」
あさは「お初にお目にかかります。白岡でございます。」と丁寧なお辞儀をして挨拶しました。

「諸君！この人はね、なんと、女子にも大学校が必要だと、そういう先進的な事を考えていらっしゃる、
大阪の偉大な実業家であるのでありますぞ！」
こう大隈があさの事を紹介すると、その場にいた男性達はざわめき…。

[ナレーション]
あさは、その時気付いたのでした。
今、この館では、自分こそが、みんなにとってのお猿さんなのかもしれない事に。

あさ＞「へえ！いかにもこの白岡あさ、いつか、この日本にもおなごの大学校をとそう願いまして、
大隈様にご意見伺おうと、大阪からこの東京、早稲田までやって参りました。皆様、どうぞよろしゅう！」

大隈＞「これはあっぱれ！恥かしからぬ男ぶり。いや、女ぶりであるなぁ。」
大隈はあさに敬意を表し立ち上がると、このように論じました。
「白岡夫人。確かに、ここ日本は、かねてより、女子を軽んじる風潮があったのである。
しかし、明治になって以降、この国の女子教育は一気に進んだ。
そして、我が輩は、この国の、現在の女子教育の指針、
おなごの主な天職たるは、賢母良妻という考えに、間違いはないと思うのである。」

あさ＞「はあ…。」
男性客＞「まさに、綾子夫人の事ですなぁ！」
男性客２＞「その通り！」
綾子＞「まあ、みんな煽てて。」
大隈＞「いや、まさにその通り。確かに、女子教育について、我が国は外国に後れを取っておる。
しかし我が輩は、今の女子の教育は、その賢母良妻を作るには十分に値すると、考えるのである。」

あさ＞「賢母良妻…。」

大隈＞「まだまだ西洋諸国においても困難である女子大学校を、我が国に持ち込むのは…
いささか早急ではないかと考えるのであるが、如何かな？」

あさ＞「へぇ。大隈先生。うちも賢母良妻に憧れております。
それに、うちの小さい頃と違て、おなごも小学校から学べるようになり、高等小学校や、
娘の通う女学校の話を聞いた時も、ただただ羨ましい思いました。ええ時代になったなぁ～て。ほんま十分や思てたんだす。」

けっして、相手の言い分を否定せず、頷きながら同意して話すあさでしたが、ここからがあさの反撃です。
あさ＞「…うちは…なんてアホやったんだすやろ！」
大隈＞「アホ？」
綾子＞「アホ？」
あさ＞「へえ。そないな事で満足するやて。さながら道の向こうに小さい頃から焦がれてた宝玉があるかも分かれへんのに、
近くに落ちてたビー玉拾て、ぅわぁ～と喜んで帰ろとしてたただの子供でございます。
うちは政府が打ち出したところの、おなごはこれで十分やろいう考えにまるで流されてたんだす。
今においても、男子と女子の教育はまるで違てます！男子は学ぶ気さえあったら、
中学校、高等学校、大学校へと道が開けてますけど、おなごはせいぜい女学校、師範学校しかあらしまへん。
しかも、学べる年月はずっと短い。また教科書見ましても、女学校は婦女の道徳に重きが置かれ過ぎて、
世に出て役に立つ実学が男子に比べてあまりに少ない。初めから教育の目指すとこが、男子は学問、
おなごは花嫁修業と明らかに違てしもてんのだす。
おなごに学問なんか要らん。学ぶ場さえ用意しといたらそれで十分やろいうそもそもの考えが、
今日のおなごの高等教育の大きい足枷になってるのでございます！
うちは大隈先生の仰る『賢母良妻がおなごの主たる天職である』いうお考えに異論はございまへん。
そやけどそのためにかて学ぶ事は必要だす。芸事や実技も大事だすけど、世の中の動きに疎いおなごだけではあかん。
賢母良妻になるためにかて、男女の教育に区別をすべきやあれへんのだす！」

周囲の客人の男性達が「君、大隈先生に失礼だろ！」「そうだ、そうだ！」と文句をつけ出しても、あさは引きません。

あさ＞「いいや！どうか最後まで聞いとくなはれ。おなごもまた、社会の一員となり、
生きる術や、人を助ける術を身につけ、幸せを感じ、社会のためになるよう励む事、
これこそがおなごに高等教育が必要な理由だす！今すぐにでも100年先見据えて、大きい目で見て、方針定めるべきやて……」
あさは咳き込み「…という事が、ここに、書いてありますので、どうか、ご一読を。」
と言って成澤の書いた本を出して大隈に手渡します。

一気に喋りすぎて、咳き込んだあさは、綾子に水を貰って飲むと
「はっ。すんまへん。こら、病やあらしまへん。うち、体は丈夫で、喉が、枯れただけだすさかい。」
と言いました。
綾子は「見ていれば分かります。あんなに一気に、息もつかないでお話になるなんて。」と笑って、
大隈を振り返り「あの、あなた…。」と、固まってしまったようになっている大隈に話し掛けます。

すると大隈は「いや、これは見事なり！」と大きな声を発し、あさの弁舌を「見事なプレゼンテーションであった」
と褒めるのでした。

そして「我が輩がこんなにも長い時間、反論もせずに人の話を聞いたのは、
東京農林学校の福羽氏から苺栽培の話を聞いた時以来である。いや、これは驚いた！」
（

※福羽いちごは日本で初めて栽培された苺です。日本の苺のパイオニアですね！　福羽逸人）

あさ＞「いちご？」

大隈が一同に向けて
「諸君。今日この館で、白岡夫人に会った事は、我が輩に会った事より、この先ずっと楽しい話の種になるに違いないのである。」
と言うと、さっきまで文句を言っていた人も皆一様に頷いて、笑い声が漏れ、その場は非常に和んだ雰囲気になりました。

大隈が「あ～皆さん今日はありがとう。午前の部はこの辺りにして、そろそろ、私も昼にしよう。」と言うと、
集まっていた人達はゾロゾロと解散してゆきました。

大隈は改めて、あさに「白岡夫人。あんた…いやあ…たいした女の人であるなぁ～。」と褒めましたが
あさは、勢いに任せて言い過ぎてしまった事、政府にも失礼な事を言った事を詫びます。

しかし、綾子夫人が、大隈があさに会う前から、どんなに興味津々で、面会を楽しみにしていたかを教えてくれて、
それに、政府の事を悪く言ったとしても「この人今は、政府の人ではありませんから、いいんじゃないですか？」
とも言ってくれました。

大隈＞「そうだ。いや～その…我が輩は、議会の喧嘩のように、その場を言いくるめるようなおじさん達とのやり取りに、
もう飽き飽きしていたんだ。」

あさ＞「そうだすか。」

大隈＞「しかし、あんたの弁舌は、実に愉快であった。
老いも若きも、男も女も、民が学べば、国も育つ。それは政府も分かっておるのだ。
しかし男子の教育概念も確立されていない中、女子は後回しになっておる。
それに、今は大臣でも何でもない我が輩に、残念ながら大した役に立てそうもない。」

あさ＞「いいや。うちは、学校をお作りになりはりました先輩として、大隈様にお目にかかりに来たのでございます。
それがこないしてお話さしてもろて、愉快やなんて言うてもろて、それだけでもうほんまありがたい事やて思てます。」

大隈＞「本当に？」

あさ＞「へえ。」

大隈は失くした右足を擦りながら
「爆弾まで投げつけられた、我が輩であるぞ。あんなに客がおっても、本当の味方など、一人もいないのかもしれん。」
と残念そうに心の内を吐露しました。

あさ＞「そうかも分かりまへんなぁ。政の世も商いの世も、どっか生き馬の目ぇ抜くような、
世知辛い（勘定高くて抜け目がないとの意味）とこがございますさかいなぁ。」

大隈＞「そうだよなぁ…。そうであろう！」

あさ＞「へえ。その点、教育は違いますなぁ。」

大隈＞「うん…。結局この世に、二心なく残せるのは、人材だけだ。
だからこそ人を育てるのは、何よりも大切な事なのである。はあっ！白岡君。」

あさ＞「はい。」

大隈＞「この大隈、出来る限りの協力はさせてもらいますぞ。」

あさは大喜びで「おおきに…おおきにありがとうございます！」と頭を下げるのでした。

[ナレーション]
こうしてあさが大隈重信の協力を取り付けたその頃、大阪では、
千代が休暇で、親友の宜を連れて帰ってきました。

千代と二人、加野銀行の前に立つと「ここがあさ先生の銀行か！立派なもんやなぁ～。」と感激する宜です。

新次郎が「お帰り。こらこら、お揃いで。」と笑顔で二人を迎えました。

あさが来たネタバレあらすじ　20週 119話へ続く。

【出演】波瑠，玉木宏，升毅，柄本佑，三宅弘城，山内圭哉，友近，清原果耶，興津正太郎，吉田八起，林与一，風吹ジュン，近藤正臣，宮崎あおい，楠見薫,柳生みゆ，辻本茂雄，小芝風花，吉岡里帆，曽我廼家八十吉,三宅裕司,高橋英樹,東柳啓介