2024年5月26日(日)


さて、前回の行程から8年ぶりのバスの旅だ。


八代駅⇒(徒歩2km)⇒八代市役所前


前日は関東から新幹線で博多入り、ソニックのスピード、別府からのあそぼーい展望席を満喫して、八代駅へやってきた。

八代市は駅と市街地が2kmほど離れており、次のバスは駅からも乗れるが、今夜の宿は八代市街地。最終バスは終わっていたのでのんびり歩いて八代市役所までやってきた。


177.九州産交バス(八代)

八代田浦線(道の駅たのうら行)

熊本200あ344

八代市役所前→道の駅たのうら(250円)

7時51分〜8時40分


八代市のバスは市街地の八代市役所に起点にしており、営業所の八代産交から回送されてくる。

かつては八代から水俣へは一つの路線だったようだが、現在は中間の芦北町で分割されている。

さて、八代市役所からのバスは自分以外の一人を乗せて、一旦八代駅へ向かう。早朝に郊外から出て行くバスだが、乗客がいるのが意外だ。

球磨川を渡り、しばらくはロードサイド店が点在する街中を走るが、次第に建物が少なくなってくる。



途中から肥薩おれんじ鉄道と並走するようになり、右側に海が現れるようになった。

二見駅を過ぎると海沿いを進む鉄道とは異なり、内陸の国道を進む。赤松トンネルという長いトンネルを抜けると、鉄道、南九州自動車道と合流、その地点が道の駅たのうらだった。





道の駅たのうら-Michinoki Tanoura-(熊本県芦北町)

道の駅たのうらの駐車場の奥、南九州自動車道の高架下という雨が凌げる場所にバス停があった。乗り継ぎ時間が短いのでそのまま乗り継ごう。


178.九州産交バス(水俣)

水俣田浦線(つなぎ温泉経由水俣産交行)

熊本か813

道の駅たのうら→新水俣駅(970円)

8時45分〜9時31分


先ほどの続きで肥薩おれんじ鉄道と並走するが、今度はトンネルが多い内陸部を進むことが多い。佐敷駅周辺の芦北町の中心地を除けば峠道が続く。途中にはずばり「峠」というバス停があったり。湯の浦温泉、つなぎ温泉と温泉地を通る。


あまり風景に変化はないが、突然立派な新幹線の高架が見えてきて、まもなく新水俣駅に到着した。






本来は水俣市街を通って水俣駅で乗り継ぎたかったが、次のバスとの乗り継ぎ時間がギリギリだったため、時間に余裕がある新水俣駅で乗り継ぐことにした。


巨大な新幹線駅の横に小さな肥薩おれんじ鉄道の無人駅がある。ここは新幹線開業前は鹿児島本線の信号場


179.南国交通(伊佐)

山野駅/粟野三文字経由鹿児島空港行

鹿児島200か2500

新水俣駅→大口(840円)

10時00分〜10時47分


空港リムジンバスとローカルバスを兼ねたような路線だが、中型の貸切車のようなバスがやってきた。

直前の新幹線からの乗り継ぎ客など自分を含めて5人ほどが乗り込んだ。

水俣から大口方面はかつて国鉄山野線が走ったルート。薩摩大口駅を経由して肥薩線の栗野駅までを結んでいた。

新水俣を新幹線開業後に後から経由地に足したためだろうか、最初のバス停までなかなか距離がある。

すぐに山道になり新緑の中を進む。

水俣市内では150円刻みの上限450円に抑えられていた運賃が突然跳ね上がる。荒平というバス停から鹿児島県に入ったようだ。







30分ほど走り、山野の集落に入る。バスは旧道を走り、中心部であろう山野仲町、そして街外れの旧山野駅を経由する。車窓には山野線のものであろう鉄橋の跡が見えた。

山野から街並みは途切れず、伊佐市の中心大口に入る。

やはりこちらも街外れ、旧薩摩大口駅のすぐそばが大口バス停だった。



大口-Ohkuchi-(鹿児島県伊佐市)

本来のバスターミナルが工事中で仮設のターミナルとなっているが、市の中心のバスターミナルらしくタクシーも客待ちをしていた。


本来のバスターミナルは工事中だった。すぐ近くの薩摩大口駅跡地に建つ伊佐市ふれあいセンターも大規模改修工事中だ。こちらには大口歴史民俗鉄道資料館が併設されているが、残念ながら見学は叶わなかった。


旧薩摩大口駅は水俣と栗野を結ぶ山野線と川内からやってくる宮之城線の合流地点にあった。バスターミナルのすぐ近くには駅跡として信号設備とレール、車掌車が置かれ、駅のあった歴史を今に伝えていた。


その向かいには南国交通伊佐出張所が置かれており、大口発着のバスが待機していた。


180.南国交通(伊佐)

鶴田駅入口/宮之城温泉経由宮之城行

鹿児島200か569

大口→鉄道記念会館前(860円)

11時26分〜12時32分


乗客は自分と他は一人だけ。これまでと似たような山道。ここからは薩摩大口と川内を結んだ国鉄宮之城線のルートになる。羽月、針持、求名と駅のあったところはバス停名でも残されており、大きめの集落だ。



求名を過ぎると旧鶴田駅入口を含め集落の中には入らず、さつま町の市街へ入っていく。このバスの終点、宮之城は南国交通の営業所で次に乗るJRバスの宮之城とは異なる場所だ。

乗り換えるJR九州バスの宮之城バス停の最寄駅、鉄道記念会館前へ下車した。








宮之城(JR九州バス)-Miyanojo-(鹿児島県さつま町)

かつて鹿児島本線川内駅と国鉄山野線薩摩大口を結んだ国鉄宮之城線の宮之城駅の駅舎を鉄道記念会館として活用しており、旧宮之城駅関係の展示を行なっている。JR九州バスはそのロータリーから発車する。鹿児島空港行きの鹿児島交通や南国交通はロータリーの外から発車する。宮之城〜川内間の宮之城代替バスは鹿児島交通が運行している。

なお、最寄りのバス停名だが、JRは宮之城、南国交通は鉄道記念会館前、鹿児島交通は宮之城駅とバラバラだ。


次は鹿児島市街を目指します。

ここからは後半へ続きます。



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2022年9月18日(日)

1.JR北海道バス(様似)
日勝線
浦河老人ホーム経由様似営業所行
室蘭200か1165
堺町郵便局前→様似(640円)
9時19分〜9時57分

バスを待っているのは自分を含めて5人。様似方面だが意外と乗車が多い。
向別始発の便は空でやってくる。浦河駅があった町役場近くを過ぎるとその先が町の中心部のようで商店が並ぶ。途中、左折して枝線の内陸の浦河老人ホームで折り返す。この辺りは老健施設や保健所など、日高地区の保健福祉の中心地なのかもしれない。町内での短距離利用も意外に多い。
浦河の町を出ると海沿いの道を走りつつ、出発から30分ほどで旧様似駅のロータリーにある様似バス停に到着した。












様似-Samani-(北海道様似郡様似町)
駅の切符売り場はそのままJRバスの定期券売り場として営業所していた。ここで帯広までの片道券「とんがりロード散策きっぷ」(4300円)を買う。この切符は様似から帯広まで引き返さなければ乗り降り自由でえりも岬で途中下車するだけで元がとれる。


2.JR北海道バス(様似)
日勝線
アポイ山荘/えりも経由岬小学校前行
室蘭200か1137
様似→えりも岬(1360円)
10時10分〜11時05分

観光客を含む様似までの便の乗り継ぎ客と様似からの地元民数人を乗せて発車する。アポイ山荘は福祉施設。アポイ岳のビジターセンターの前を素通りして施設の前に着ける。



海沿いに復帰するとトンネルが増えてくる。日高本線も本来はえりも方面や広尾線への接続を目指していたとのことだが、これは計画が難航するのも頷ける。




途中のえりも駅は国鉄時代の自動車駅だが土地はセブンイレブンの駐車場となっており、お店の隣にちょこんと待合室があるだけだった。
えりもで地元客を降ろすと国道を外れ、えりも岬へ向かう道道へ。
だんだん霧が濃くなってきた。霧の中に大きな駐車場が現れるとそこがえりも岬だった。




えりも岬-Cape Erimo-(北海道幌泉郡えりも町)

3連休ということもあり、あいにくの天気だがドライブ客で賑わっていた。
えりも岬は強風と野生アザラシが見られることで有名。
霧の中ではあったが襟裳岬の先端の展望台から海を望むことができた。残念ながら今日はアザラシは来ていないようだった。










えりも岬観光センターでランチをいただく。注文したのは、えりも岬名物ラーメンの味噌。カニ、タコ、イカと海藻がたっぷり入っていて出汁も効いてて美味しかった。えりも名産のサメガレイの刺身も追加でいただくことにした。脂がたっぷり乗ったカレイは非常に美味。えりもの海の幸を堪能することができた。



デザートは昆布ソフト。ソフトクリームに昆布の粉末がかけてある。塩と出汁が効いてて癖になりそうな味だ。

食後はえりも岬について解説する「風の館」へ向かう。今日は霧が濃くてアザラシが見られないため、1年以内の再入場は無料だという。1年以内には…来られないだろうな。受付でトンガリ切符の特典のキーホルダーを受け取り入場する。
ここではえりものアザラシ生体の他、かつて森林伐採により砂漠化した襟裳岬の緑化事業が紹介されていた。もともとは広葉樹林だった襟裳岬だったが、明治以降、燃料としての伐採と強風によって砂漠化。そこから草を生やすために雑海藻類を撒いて種子が風で飛ばされないようにしたという。これがえりも式緑化工法と呼ばれるそうだ。
最後は風の館の名物の強風体験で襟裳岬に吹く風速25メートルを屋内で体験した。安全なところで体験すると気持ちがいいが、気を抜くと倒されそうな強さで、実際に吹いていたら怖いだろう。

3.JR北海道バス(様似)
日勝線
庶野経由広尾行
室蘭200か1144
えりも岬〜広尾(1580円)
15時10分〜16時10分

たっぷり襟裳岬を体験してバスの旅に戻ろう。日勝線の中でもえりも〜広尾は本数が少なく1日2本しかない。この便が最終だ。
乗客はおらず発車する。襟裳岬最寄りの岬市街を抜けると人家がなくなり、前述の運動で緑化された百人浜を進む。まっすぐな気持ちの良い道で海沿いに風車が回る。





庶野の集落を過ぎると黄金道路という海岸通りだ。これは断崖絶壁を切り開いて道路を造り、それにかかった額が膨大で黄金を敷き詰められるほどだったというのが名前の由来だ。
バスは長いトンネルを幾つも抜けて進む。その合間には海岸線を走るため景色がよい。沿線にもいくつか集落がある以外は人家も少なく鹿の家族がたむろしているのを見かけたり。



結局、誰一人乗車はなく、内陸の高台の広尾市街に入る。十勝バスの停留所をいくつか通過して、市街地の道の突き当たりが終点の広尾だった。
日高振興局と十勝振興局を跨ぐ路線ということもあり、他の乗客は最後までなかった。






広尾-Hiro-(北海道広尾郡広尾町)

かつて帯広から走っていた国鉄広尾線の終点。ロータリーと駅跡に小さな待合室が立つ。十勝バスの案内所とトイレがあり待合室としては十分な設備だ。すぐ隣には広尾線の遺物が置かれた鉄道記念公園、周辺は住宅地のようだった。


4.十勝バス
広尾線
忠類経由帯広駅バスターミナル行
帯広230あ2022
広尾→帯広駅バスターミナル(1910円)
16時22分〜18時41分

ここからは国鉄広尾線の代替路線。全長84キロの広尾線区間を1本の通しで結ぶ。
長距離路線らしく大きな車でやってきたが残念ながら他の乗客はなかった。
森林を切り開いて造られたような道で牧場や畑が広がる区画もある。十勝平野の平らな土地を想像していたが緩いながらもアップダウンのある道だ。そこそこ大きな大樹町を過ぎると隣の幕別町の忠類でトイレ休憩。距離的には帯広までの中間地点だが、帯広市街で寄り道をするから所要時間はこの先の方が少し長い。





忠類-Churui-(北海道中川郡幕別町)

案内所業務はすで廃止されておりトイレと待合室のみの状態だった。道の駅が併設されたナウマン象記念館が隣の停留所にあり、ここもいつまで休憩に使われるのか、といった感じだ。

10分ほどで発車する。ここから帯広・広尾自動車道(無料)との並走区間となる。このくらいの地域で幹線道路が2本並走しているというのはなんだか贅沢に感じる。
だんだん暗くなって来て景色は見えなくなってくる。
愛国を過ぎて川西というところでようやく1人の乗車があった。帯広〜愛国間が約10キロだから80キロ中70キロは自分しか乗っていなかったということだ。
帯広市内では病院やイトーヨーカドーなどぐるりと回って2時間以上かけて帯広駅に到着した。
2022年9月17日(土)

北方面の旅は久々の更新だ。
日高本線が廃線になったりと沿線状況に変化があったものの、バスの乗り継ぎについては維持されている。今回のルートは苫小牧から襟裳岬を経由して帯広まで。
日本列島に台風が接近している中ではあるが、北海道ならなんとか天気が持ちそうだ。

1.道南バス(苫小牧)
苫小牧駅前行
室蘭200か1140
新千歳空港29番→苫小牧駅前(630円)
11時27分〜12時30分

本日最初の便は苫小牧からの空港アクセスを担うローカル便だ。空港を出るとしばらく荒地が続く空港アクセス道を進み国道36号に入る。広い道だが連休初日だからか通行量が多い。
このまま苫小牧まで行くのかと思ったが、ウトナイ団地の新興住宅街に入り、沼ノ端駅に寄り道する。
次のバスは沼ノ端駅からも利用できるが、時間があるのでせっかくなので終点まで乗ることにする。
ここから苫小牧へは主要道路のようで道路の両側に商業施設が続く。そこから30分ほどで苫小牧駅だった。



駅前のバスターミナルが閉鎖され、駅の隣の道北バスのビル横のロータリーの2ヶ所のバス停に集約されていた。
広いターミナルが閉鎖されてしまったのは残念だがこれだけで捌ける程度の本数なのだろう。
駅からも近く、利用者の利便性は高まったと思うしかないようだ。

2.道南バス(静内)
日高沿岸線
沼ノ端駅北口/鵡川駅/豊郷経由静内行
室蘭230
苫小牧駅前→静内(1500円)
13時05分〜15時40分

今度のバスは2時間半の行路、覚悟してかからねば、と思っていたが、トイレ付き高速車という豪華な車がやってきた。これならば快適に過ごすことができるだろう。
車両に合わず苫小牧市内、沼ノ端駅までは先ほど乗ったバスと同じルートで各停留所に停まる。駅からは3人ほどだった乗車も沼ノ端駅を出る頃には10人を超えていた。
苫小牧市内を出るとバス停の感覚が長くなり、厚真町の上厚真へと向かう。牛も見かけるようになってきて北海道らしい景色だ。



道民の友人が言うには日高へ走ると途中で牛が突然馬になると言う。境界を見てきて教えてくれと言うので注意しておこう。



鵡川駅では一度トイレ休憩で5分ほどとまる。JR日高本線は2021年にこの鵡川駅を境に南側が廃止になってしまっており、この先は廃止代替の役目も負っている区間だ。



ここからは特に旧日高本線と沿って進むようになる。最初の大きな町、富川では数人が下車する。富川をはじめ、市街の中心停留所は〇〇市街という名前になっているからわかりやすい。




富川からすぐに門別に入り、馬を最初に見つけたのは豊郷に入る手前だった。そういえば日胆国境という停留所もあったし、国境で畜産文化も変わるのだろう。
日高本線の2駅に一つくらいは国道を外れて、駅の近くの集落に寄って行く(駅のロータリーに入るのは新冠のみだった)。それぞれ漁村であったり、景色が少しずつ異なって面白い。





新冠の市街はこれまでに比べて大きいと感じたが、さらに大きな町に入ったと思ったらそこが新ひだか町の中心地静内だった。






静内-Shizunai-(北海道日高郡新ひだか町)
日高本線の静内駅の駅舎が待合室としてそのまま使われている。蕎麦屋と売店も営業所しており、数人がバスを待っていた。
売店では土産物のほか日高本線グッズが売られていたり、当時の改札周辺が資料展示コーナーになっていた。地元の日高本線との思い出が非常に詰まった駅だった。
待っている間に1時間後に苫小牧を出発したJR北海道の特急バスとまも号がやってきた。トイレ付き、リフト付きというこれまた豪華な車なようで、多くの降車が見られた。苫小牧へは各停便だと時間がかかるので、こちらもこれからも残っていってほしいものだ。

3.JR北海道バス(様似)
日勝線
向別経由様似営業所行
室蘭200か1139
静内→堺町郵便局前(960円)
16時20分〜18時02分



下校の高校生などを乗せて発車する。先程のバスの続きといった感じだが、しばらく走り東静内市街に入るとほとんどが降りてしまい、車内は寂しくなってしまった。ここからも海沿いの国道を進むが、途中蓬栄駅など内陸の駅へ向かう時、海沿いの道を離れる。他にも荻伏など細かい寄り道をして浦河町の市街に入る。本日は堺町の宿に泊まるが、向別までの枝線だけならないのは残念なので、向別で折り返して2度目の堺町郵便局前で下車した。
堺町近辺は内陸方面にも市街が伸びているが、向別はその外れで、待合室が設置された転回場だった。





晩御飯はホテルの近くのかど天という店で地元の飯をいただく。

浦河町の名物かつめしを食べようと来店したが、隣の人が頼んだおまかせコースが美味しそう。かつを待ちながら眺めていたら、店主に勧められてコースも頼んでしまった。




浦河港で今朝とれた魚を使っているそうで、特に印象に残ったのがかすべの煮付け。かすべとは北海道の言葉でエイのことだそうだ。

骨も噛み切れるくらい煮込んであり絶品だった。

お酒も進む。

結局、先に頼んであったかつめしも堪能し、お腹いっぱいの夕食となった。