2018年9月14日(金)
竜飛岬までのバス旅から2年の歳月が経ちました。各地で路線の改廃が進み、盛んに旅をしていた頃に調べた乗り継ぎができないケースが増えてきてしまいました。
今ある路線もいつ途切れてしまうかわからない。個人的にも新生活に慣れてきたこの時期に、路線バスの旅、再開です!
今回のトップバッターは始発のスーパーあずさ1号でもギリギリ間に合わない。アルピコ交通交通バスの新宿松本線で深夜の松本へ前乗りした。
朝の松本城。朝9時にもかかわらず外国人ツアー客が列をなしている。堀の外周の松本城公園ではビールフェスの準備が進められていた。
松本バスターミナル-Matsumoto Bus Terminal-(長野県松本市)
駅の向かいにあるアルピコ交通のターミナル。2018年に移転開業。高速バス、特急バスを含む、ほとんどのバスが発着する。
1.アルピコ交通(松本)
鹿教湯温泉線
追分経由鹿教湯温泉上行
松本200か643
松本バスターミナル→鹿教湯温泉(1200円)
9時30分〜10時19分
バスターミナル後方の5番のりばから発車する。このバスは1日2往復、しかも土休日は全便運休だ。しかし、入線直前にのりばに行くと10人くらい待っていてそのほとんどがこのバスに乗り込んだ。旅行客と思われるのは半分くらい。
バスは信州大学までは市街地を走り、20分ほどで市街地を抜ける。そこからはしばらくは田園地帯だ。稲倉停留所はトイレと商店があって折り返せるような造り。
稲倉を抜けるとどんどん高度を上げていき、一番高くなったところで有料道路の三才山トンネルに入る。トンネルを数分走り、三才山トンネルを抜けた先にある料金所を回数券で抜ける。するとすぐ脇の駐車場が鹿教湯三才山病院バス停だった。ここで約半数が降りる。降りたおじいちゃんおばあちゃんは病院の送迎車だろうか、すぐ横に停まっていたワゴン車に吸い込まれていった。そこから左手にダムを見ながら坂を下り、寂れた松本電鉄鹿教湯車庫を抜けると左折して温泉街に入った。温泉街の中心に近い鹿教湯病院前で自分以外の客は全て降りてしまった。そろそろかと思い準備していると数十メートル先が鹿教湯温泉停留所だった。
鹿教湯温泉-Kakeyu-(長野県上田市)
温泉街の路上停留所である。平日朝だからか、観光客の姿はほとんどなく、温泉病院の患者さんがリハビリの散歩をしていた。
2.千曲バス(上田)
鹿教湯線
丸子駅前/上田駅前経由下秋和車庫行
長野200か823
鹿教湯温泉駅→大屋北(500円)
10時31分〜11時23分
千曲バスの乗り場は道路の反対側だった。先ほど乗ってきたバスからの乗り継ぎの人も鹿教湯病院前から歩いてきて2名の乗り継ぎだ。バスは三才山病院が始発のようで2分ほど遅れてやってきた。バスは温泉街を出ると先程バスと同じ道を上田方面へ向かう。鹿教湯から上田へは平井寺経由と丸子・大屋経由の2種類があるが、これは後者のバスである。平井寺トンネルとの別れ道を過ぎてからも少しずつ客をひろっていく。
丸子町の中心部では一度丸子駅前まで走って元来た道を戻る。丸子駅前は旧丸子線の鉄道駅を起源とするバスターミナルだ。しかしここでの乗降はなかった(後者の写真が丸子町駅)。
丸子から大屋へは集落が途切れることがなく、大屋駅に到着すると半分くらいの乗客が降りてしまった。自分は乗り継ぎの関係上、しなの鉄道をオーバーパスした先にある大屋北で降りた。
ここまでの区間は全てが上田市内。市が実施している期間限定の運賃低減制度で安く乗ることができた。
3.千曲バス(小諸)
佐久上田線
小諸駅前/佐久平駅経由勝間行
長野200か1005
大屋北→岩村田(1060円)
12時02分〜12時56分
バスは5分ほど遅れてやってきた。上田からしなの鉄道に沿って小諸へ、そこから小海線に沿って臼田方面へ向かう路線。かつては千曲バスを代表する幹線だったが現在では平日のみの5往復。乗った時点で乗客は1人しかおらず、その客もすぐに降りてしまった。東御市に入ると低減運賃区間が終了するので運賃が跳ね上がる。
小諸駅からは乗車なし、その後小諸市内では2人が乗ってきた。佐久市内に入る頃には小諸駅を通過したおかげで遅れはなくなっていた。先に2人が降りてしまい、岩村田で自分も降りるとバスは空で走っていった。
岩村田-Iwamurada-(長野県佐久市)
佐久市の中心地。路上の停留所だが東京方面の高速バスも発着する。
4.千曲バス(小諸)
中仙道線
望月バスターミナル経由立科町役場前行
長野200か152
岩村田→立科町役場前(890円)
13時10分〜13時59分
脇道からバスが突然現れた。このバスも佐久平駅を通るが先程のバスとは異なる経路で病院や岩村田駅で乗客を拾う。中仙道線というだけあってしばらく国道を走るとマイナーな旧道の方を走って行く。望月宿に入ると道が狭くなり、街中の望月バスターミナルに乗り入れるが乗降はなかった。
茂田井宿からは立科町に入る。茂田井とは町続きで芦田地区となる。宿場の雰囲気を残す芦田バス停の次が立科町役場だった。
立科町役場前-Tateshina Town Office-(長野県北佐久郡立科町)
千曲バスの廃止代替路線である立科スマイル交通、東信観光の大屋、丸子方面のバスが発着する。かつてスマイル交通の停留所名は芦田バスステーションという呼び名(東白樺湖は白樺湖バスステーション)だったが、民営バスとの乗り継ぎのわかりやすさを重視したのか、最近になって改称され、統一された。
5.立科町
たてしなスマイル交通
シラカバ線 東白樺湖行
長野200さ1217
立科町役場前→東白樺湖(500円)
14時10分〜14時46分
スーパーマーケットのツルヤを始発とするバスは前の方に買い物帰りのおばあさん、一番後ろに体育着の小学生を3人乗せてやってきた。おばあさんの荷物で通路が塞がっていたので一番前の席に座る。このバスは定期便としては本日最終便だ。この後の2便はスクール対応便となるため、一般客の利用はできるものの学休日運休となる。Webページには記載があるけれど、バス停の時刻表には書かれていないのだ。
さて、自分ともう一人の乗り継ぎ客を乗せてバスは発車する。立科町は砂時計のような形をしていてくびれの部分は横幅数十メートルにもなる。シラカバ線はそのくびれ部分を南へひた走る。天気があまり良くないが、低く山にかかった雲が神秘的だ。はじめて下車があったのは別荘地のつつじヶ丘だ。
そして女神沼で小学生が降りる。この辺りまで来ると砂時計の下の部分。山道が終わり急に開けるとそこが白樺湖畔だ。ロープウェイや休憩所が見えてくると、その裏が東白樺湖停留所だった。
東白樺湖-Higashi Shirakabako-(長野県北佐久郡立科町)
白樺湖の観光拠点。展望台へのリフトや土産、食事処と充実している。気温の高い休日には観光客で混み合うのだろう。
6.アルピコ交通(諏訪バス/茅野)
白樺湖・車山高原・霧ヶ峰線
柏原経由茅野駅行
松本200か552
東白樺湖→茅野駅(1000円)
15時04分〜15時49分
中央線の上諏訪と茅野を白樺湖経由で大回りするバス。バス停ポールが道に面して置いてあったので右側から来ると思っていたが予想に反して左側からやってきてバスターミナル内に入ってドアを開けた。前後ドアだが、前ドアで乗降を兼ねているようだ。松本(前後ドアだった)に比べて冬季に雪深い証拠だろう。
バスが発車すると運転手さんから白樺湖畔は道が悪いので揺れます、とアナウンスがかかる。見た目ではあまり悪い道には見えないのに確かによく揺れる。湖畔の最後の停留所、南白樺湖も東白樺湖のように転回場になっていたが周りに何もなさそうで、乗降はなかった。白樺湖を出るとヘアピンカーブで山道を下る。ところどころに松茸の看板を見かける。そろそろ松茸が美味しい季節だ。そういえば佐久平のデイリーヤマザキでマツタケ酒入りました、という貼り紙があったのを思い出す。
急な山道が終わり、田んぼの中を下るようになると遠くに茅野の街並みが見えてくる。北国を目指す旅で乗った小野新町から郡山へ向かうバスを思い出す、そんな景色だ。今回の運転手さん、時間調整中にわざわざバスから降りて車両を見回ったり、前の車が感応式信号に反応しないと降りてボタンを押しに行ったり、なかなかマメな方。道路状態に合わせて、揺れなどの注意喚起をしてくれる。
茅野の市街近づくとセンターラインのない自分好みのいい感じの道。少しずつ乗ってくる。整理券を取らない大学生は「理科大生?」と聞かれている。諏訪東京理科大学の学生は無料の契約でもあるのだろうか。特急あずさの白い車両が見えると線路をアンダーパスする。駅を回り込んでバスターミナルに到着した。
駅ビルには高速バスの切符売り場と待合室が整備されていてちょうど京都大阪行きが乗車扱いをしていた。アルピコ交通より駅に近い南アルプスジオライナーの乗り場を確認して今日は茅野駅を後にした。