2022年9月18日(日)

1.JR北海道バス(様似)
日勝線
浦河老人ホーム経由様似営業所行
室蘭200か1165
堺町郵便局前→様似(640円)
9時19分〜9時57分

バスを待っているのは自分を含めて5人。様似方面だが意外と乗車が多い。
向別始発の便は空でやってくる。浦河駅があった町役場近くを過ぎるとその先が町の中心部のようで商店が並ぶ。途中、左折して枝線の内陸の浦河老人ホームで折り返す。この辺りは老健施設や保健所など、日高地区の保健福祉の中心地なのかもしれない。町内での短距離利用も意外に多い。
浦河の町を出ると海沿いの道を走りつつ、出発から30分ほどで旧様似駅のロータリーにある様似バス停に到着した。












様似-Samani-(北海道様似郡様似町)
駅の切符売り場はそのままJRバスの定期券売り場として営業所していた。ここで帯広までの片道券「とんがりロード散策きっぷ」(4300円)を買う。この切符は様似から帯広まで引き返さなければ乗り降り自由でえりも岬で途中下車するだけで元がとれる。


2.JR北海道バス(様似)
日勝線
アポイ山荘/えりも経由岬小学校前行
室蘭200か1137
様似→えりも岬(1360円)
10時10分〜11時05分

観光客を含む様似までの便の乗り継ぎ客と様似からの地元民数人を乗せて発車する。アポイ山荘は福祉施設。アポイ岳のビジターセンターの前を素通りして施設の前に着ける。



海沿いに復帰するとトンネルが増えてくる。日高本線も本来はえりも方面や広尾線への接続を目指していたとのことだが、これは計画が難航するのも頷ける。




途中のえりも駅は国鉄時代の自動車駅だが土地はセブンイレブンの駐車場となっており、お店の隣にちょこんと待合室があるだけだった。
えりもで地元客を降ろすと国道を外れ、えりも岬へ向かう道道へ。
だんだん霧が濃くなってきた。霧の中に大きな駐車場が現れるとそこがえりも岬だった。




えりも岬-Cape Erimo-(北海道幌泉郡えりも町)

3連休ということもあり、あいにくの天気だがドライブ客で賑わっていた。
えりも岬は強風と野生アザラシが見られることで有名。
霧の中ではあったが襟裳岬の先端の展望台から海を望むことができた。残念ながら今日はアザラシは来ていないようだった。










えりも岬観光センターでランチをいただく。注文したのは、えりも岬名物ラーメンの味噌。カニ、タコ、イカと海藻がたっぷり入っていて出汁も効いてて美味しかった。えりも名産のサメガレイの刺身も追加でいただくことにした。脂がたっぷり乗ったカレイは非常に美味。えりもの海の幸を堪能することができた。



デザートは昆布ソフト。ソフトクリームに昆布の粉末がかけてある。塩と出汁が効いてて癖になりそうな味だ。

食後はえりも岬について解説する「風の館」へ向かう。今日は霧が濃くてアザラシが見られないため、1年以内の再入場は無料だという。1年以内には…来られないだろうな。受付でトンガリ切符の特典のキーホルダーを受け取り入場する。
ここではえりものアザラシ生体の他、かつて森林伐採により砂漠化した襟裳岬の緑化事業が紹介されていた。もともとは広葉樹林だった襟裳岬だったが、明治以降、燃料としての伐採と強風によって砂漠化。そこから草を生やすために雑海藻類を撒いて種子が風で飛ばされないようにしたという。これがえりも式緑化工法と呼ばれるそうだ。
最後は風の館の名物の強風体験で襟裳岬に吹く風速25メートルを屋内で体験した。安全なところで体験すると気持ちがいいが、気を抜くと倒されそうな強さで、実際に吹いていたら怖いだろう。

3.JR北海道バス(様似)
日勝線
庶野経由広尾行
室蘭200か1144
えりも岬〜広尾(1580円)
15時10分〜16時10分

たっぷり襟裳岬を体験してバスの旅に戻ろう。日勝線の中でもえりも〜広尾は本数が少なく1日2本しかない。この便が最終だ。
乗客はおらず発車する。襟裳岬最寄りの岬市街を抜けると人家がなくなり、前述の運動で緑化された百人浜を進む。まっすぐな気持ちの良い道で海沿いに風車が回る。





庶野の集落を過ぎると黄金道路という海岸通りだ。これは断崖絶壁を切り開いて道路を造り、それにかかった額が膨大で黄金を敷き詰められるほどだったというのが名前の由来だ。
バスは長いトンネルを幾つも抜けて進む。その合間には海岸線を走るため景色がよい。沿線にもいくつか集落がある以外は人家も少なく鹿の家族がたむろしているのを見かけたり。



結局、誰一人乗車はなく、内陸の高台の広尾市街に入る。十勝バスの停留所をいくつか通過して、市街地の道の突き当たりが終点の広尾だった。
日高振興局と十勝振興局を跨ぐ路線ということもあり、他の乗客は最後までなかった。






広尾-Hiro-(北海道広尾郡広尾町)

かつて帯広から走っていた国鉄広尾線の終点。ロータリーと駅跡に小さな待合室が立つ。十勝バスの案内所とトイレがあり待合室としては十分な設備だ。すぐ隣には広尾線の遺物が置かれた鉄道記念公園、周辺は住宅地のようだった。


4.十勝バス
広尾線
忠類経由帯広駅バスターミナル行
帯広230あ2022
広尾→帯広駅バスターミナル(1910円)
16時22分〜18時41分

ここからは国鉄広尾線の代替路線。全長84キロの広尾線区間を1本の通しで結ぶ。
長距離路線らしく大きな車でやってきたが残念ながら他の乗客はなかった。
森林を切り開いて造られたような道で牧場や畑が広がる区画もある。十勝平野の平らな土地を想像していたが緩いながらもアップダウンのある道だ。そこそこ大きな大樹町を過ぎると隣の幕別町の忠類でトイレ休憩。距離的には帯広までの中間地点だが、帯広市街で寄り道をするから所要時間はこの先の方が少し長い。





忠類-Churui-(北海道中川郡幕別町)

案内所業務はすで廃止されておりトイレと待合室のみの状態だった。道の駅が併設されたナウマン象記念館が隣の停留所にあり、ここもいつまで休憩に使われるのか、といった感じだ。

10分ほどで発車する。ここから帯広・広尾自動車道(無料)との並走区間となる。このくらいの地域で幹線道路が2本並走しているというのはなんだか贅沢に感じる。
だんだん暗くなって来て景色は見えなくなってくる。
愛国を過ぎて川西というところでようやく1人の乗車があった。帯広〜愛国間が約10キロだから80キロ中70キロは自分しか乗っていなかったということだ。
帯広市内では病院やイトーヨーカドーなどぐるりと回って2時間以上かけて帯広駅に到着した。