肥満治療を行う外科医のブログ

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いよいよ、

“ダイエットに必要な100の豆知識”、最後のコラムになります。

今までブログを読んで頂いた方、有難うございました。体重は順調に落ちていますでしょうか?

 

ダイエットのためには、

「血糖値を上げすぎないこと、インスリンがたくさん出る状況を作らないこと」が大事でした。

 

もう一度、簡単にダイエットのための豆知識をまとめておきます。

 

1.間食はしない

2.空いてないなら食べない

3.自分に合った方法で糖質制限する

4.ジュースでカロリーを摂らない

5.たんぱく質脂質は積極的に摂る

6.食物繊維水溶性不溶性もしっかり摂る

7.その上で、運動も取り入れる(筋肉は裏切らない

8.睡眠時間も確保する

 

これらのことは、取りも直さず、血糖値やインスリンを上げない方法になります。

 

 

肥満は決してあなただけのせいではありません。

多くの因子が複雑に絡みあっていて、自分で紐解くのが困難な状態です。

 

ダイエットのための理論がなければ、ダイエットの効果はきっと長続きしないことでしょう。

ダイエットに成功している方の多くは、知ってか知らずか、ブログで話ししてきたことの理論を、複数取り入れて、しかも同時に回して、それが習慣化している方だと思います。何か一つだけ実践すればよいわけではありません。

良いものは積極的に取り入れ、悪いものは積極的に排除することが大事です。

 

 

このまま肥満をのさばらせるわけにはいきません。

肥満は、多くの生活習慣病の原因になり、その治療のために、医療費が今後ますます高騰していくのは確実です。それは本来正しい姿とは言えません。

2020年のコロナ禍で世界経済が停滞しているところに、少子化問題、超高齢化社会が追い打ちをかけ、今後、労働生産性は急激に落ち、数十年後、いや数年後には、無い袖は振れなくなることを、我々は今から自覚しておくべきです。多くの人が適切な治療を受けられない治療難民と化すかもしれません。

そうならないためにも、生活習慣病の根源にある肥満を、何とかしなければ、次の世代に良いバトンを手渡すことができないと思うのです。

 

 

私の座右の銘は、「寧静到遠(ねいせいちえん)」、です。

諸葛孔明の言葉で、「誠実に、コツコツと努力を続けないと、遠くにある目的に到達することはできない」という意味です。

 

私の遠くにある目的は、「肥満を適切なレベルにまで改善させ、元気に過ごせる体にする」ことです。

その言葉の裏には、

「元気であれば、額に汗して働いて、多くの税金を納めてください。そして、次世代の子供達の負担を軽減させましょう。無駄に医療費にお金を使うのではなく、教育費など、未来への投資を行うほうがよっぽどマシなアイディアではないですか」、という想いがこもっています。

 

このブログを書くにあたっては、5年ほど前から、コツコツと情報を収集し、ノートに記録してきました。

それを“ダイエットに必要な100の豆知識”として、放出した形です。

できれば何度も読み返して、知識を味方につけて、ダイエットに成功してほしいと心から願っています。

 

もしそれでも、どうしても、肥満による健康問題が解決できないのならば、

私の信頼する仲間がいる東邦大学医療センター佐倉病院での肥満症チーム

いつでも相談して下さいコチラから

我々が行う減量治療は、健康問題で困っている方なら誰にでも門戸を開いています。国内では最高峰の治療を提供できると思います。

 

 

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1日に摂るべき理想的な糖質量は、本当のところは分かっていません

というのも、個人によって、摂っても体に害にならない糖質量が違うからです。

 

一般的に、糖質制限は、1日130g以内の糖質を目標にします。

 

しかし2型糖尿病があり、インスリンの分泌が悪い人、効きが悪い人(インスリン抵抗性

は、もっと厳しく糖質を制限すべきですし、逆に2型糖尿病がなく、普段から運動をしている方であれば、もう少し糖質をとってもよいと思います。

 

 

1度の食事で、どの程度の糖質をとってよいのかを知る方法がアイディアとしてはあります。

 

糖尿病の診断を行う時に使う、75gOGTTという検査を行えば、ある程度分かります。

【75gOGTT】75gのブドウ糖が溶けた水を空腹時に飲みます。その後の血糖値や血中インスリン濃度の変動を調べる検査です。

 

例えば、空腹時血糖が100mg/㎗、75gOGTTの際のMAXの血糖値が200mg/㎗だったとしましょう。その差は100mg/㎗ですね。75gのブドウ糖で100mg/㎗血糖値が上がるということは、1gのブドウ糖で約1.3mg/㎗血糖値が上がることになります(100÷75)。

 

血糖値スパイクは血糖値が140mg/㎗以上の時でした。

血糖値を140mg/㎗以下に抑えようと思えば、空腹時血糖が100mg/㎗であることを考えると、

食後40mg/㎗の上昇しか許容されないことになります。

 

つまり40÷1.3=30.7となり、1回の糖質量は30.7g以下に抑えた方がよいと計算できます。

 

ちなみに2型糖尿病の人は1gのブドウ糖で3mg/㎗以上も上昇する方もいますから、1回にとれる糖質量はもっと少なくなるわけです。

 

長々と説明しましたが、この方法を皆がやれるわけではありませんし、中にはインスリンの追加分泌が多く出るがゆえ、血糖値が抑えられている方も紛れています。

高インスリン状態は肥満になるとお話ししてきましたが、

膵臓がある意味元気な人はインスリンの分泌も多いので、血糖値はそれほど上がりませんが、

高インスリンの影響で、やはり太ります

 

インスリン分泌を必要最小限に抑えることは、ダイエットにも重要です。そのためにはやはり、糖質制限は有効な方法です。

 

 

我々は、普段から血糖値を乱高下させない食べ方を身に付けるべきです。

そのためのヒントをこのブログを通して紹介してきました。ただ、そのヒントを実践しても、実際の血糖値がどうなっているのか、一般の人は知る術(すべ)がありません。

 

現在、皮膚に小さな器械を貼れば、持続血糖モニタリングをして、スマホに血糖値を送ることができるようになっています(リブレ®アボット、ガーディアンコネクト®メドトロニックなど)

FreeStyleリブレ

 

ガーディアンコネクト

 

その他、指先でセンサーに触れるだけで、血糖値を測定できる器機も開発されています。

Light Touch Technology

 

 

一度身についてしまった悪習から抜け出すことは困難です。

持続血糖モニタリングを通して、リアルタイムに血糖値を把握し、個人の生活環境、習慣に合わせて食べもの、食べ方を改めていくというのが、ダイエット、ひいては健康になるための得策だと思います。

 

“血糖値の見える化”は今後のカギになります。

ドクター、栄養士がダイエットの指導を一人一人に行うには時間が足りませんし、十分な効果を期待することも困難です。

 

現代では皆がスマホを持つ時代ですから、ウェアラブルで、AIを駆使した個別化ダイエットアプリ、デバイスを開発するのが賢明な方法だと考えています。

 

 

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今回のブログは、100のコラムの中で、私の一番思い入れのあるブログになります。

子供のためにできること。誰かの何かしらのヒントになればいいな、、、と思いつつ。

 

不妊:

多くのカップルが不妊の問題に悩み、日々リプロ担当の先生方とご苦労を重ねていらっしゃると思います。皆さまに朗報が届くことを心からお祈りしています。

 

私の外来には、肥満症の術後しばらくたってから、「子供を授かりました!」と嬉しいニュースが届くことがあります。その日は特に幸せな気持ちになります。

 

そこで肥満症治療の観点から、不妊症治療の助けになることをまとめておきたいと思います。

不妊には多くの原因がありますので、肥満の観点からお話しします

 

 

肥満は不妊の原因になります。

BMI24以上だと、不妊や妊娠中の異常の確率が上がります。

 

不妊の原因としては(肥満がある場合)、

 

・ 皮下脂肪がつき過ぎると、脂肪細胞におけるエストロゲン産生が過剰になり、卵巣性エストロゲンの産生が抑制されます。

 

・ インスリン抵抗性高インスリン血症

➔ 卵巣が過剰な男性ホルモン(テストステロン)を作ります。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)といって、肥満、多毛症(毛が濃い、髭など)、ニキビのみならず不妊の原因になります(流産も3倍に)。インスリン過多は、卵巣の働きを悪化させ、排卵障害や卵の質の低下を招きます。また着床障害の原因になります。

 

・ レプチン抵抗性 

➔ 本来、レプチンは視床下部に働きかけて性ホルモンの分泌を促進します。しかしレプチン抵抗性がある状態では、その効果が十分に発揮されないため、必要なホルモンが働いていない可能性があります。

 

・ 酸化ストレス 

➔卵巣のAGEsの蓄積から酸化ストレス発生→卵巣機能不全→無月経へ。また元気な精子を作るためには、亜鉛やDHAも必要ですが、酸化ストレスを抑えるのが大事です。

 

まとめると、とにもかくにも、

インスリンがたくさん出される状況を作らないことが大事!です。

すなわち、糖質は控えめに!

 

子供を作ろうと思った時から、お互い食事には注意したいものです。

 

 

妊娠中:

母親と子供は胎盤で栄養のやりとりを行っています。

近年、肥満の赤ちゃんが増えています。海外ではすでに大問題です。赤ちゃんは、自ら食べ過ぎることもありませんし、ましてや運動不足も自分では選択することはできません。赤ちゃんが太っているのは、やはり原因があるわけです。

 

子供が肥満になるかどうかは、母親で決まるといっても過言ではありません。母親からもらう腸内細菌もそうですが、やはり妊娠中の栄養は大きな要因になります。

 

・ 妊娠糖尿病

胎児に栄養を送るために、女性は妊娠するとインスリン抵抗性(インスリンの感受性が60% 低下)になり、また糖新生が活発(30% 上昇)になります。そのため、胎児は糖を多く受けとることができます(これは生存にとっては有利になります)。

 

しかし妊娠糖尿病になると、胎盤を通して、糖とインスリンが胎児にたくさん供給され、ベイビーは生まれながらに脂肪細胞数が多くなり、将来、肥満、糖尿病になる確率が3になります。

 

・ 果糖

母親の血中濃度よりも臍帯血の方が濃度が高いと言われています。もともとは貴重な栄養源である果糖を、子に分け与える機能だったのかもしれませんが、果糖はインスリン抵抗性を引き起こします。産後も果糖をたっぷり摂っていれば、母乳にも高濃度で移行し、赤ちゃんがそれを口にすることになります。

 

母親のお腹の中や新生児期にプログラミングされ、インスリン抵抗性は生じます。

「肥満へまっしぐら」となりかねません。糖質の摂りすぎにはやはり注意が必要です。

 

 

子育て編:

母乳と食育についてお話しします。

*母乳が出ずに苦労している方が多いのも理解しています。あくまでメカズムの説明ですから、参考に留めていただければと思います。

 

母乳が与えるもの

・ 乳糖(ラクトース)

乳糖は、ブドウ糖+ガラクトースで、赤ちゃんのエネルギー源になります。ガラクトースは肝臓でブドウ糖に変わりますが、血糖値への影響は小さいです。

 

・ DHA中鎖脂肪酸

人間の脳の発達にはDHAや中鎖脂肪酸が必要です。

 

・ オリゴ糖

消化はされませんが、善玉菌のエサになります。

 

・ ラクトフェリン

鉄と結合し抗菌作用を示します(細菌は生きていくために鉄が必要ですが、それを奪うわけです)

 

次に、子供の食育

日本で初めて食育を提唱した石塚左玄は「通俗食物養生法」の中で、

「学童を有する民は、躰育・智育・才育は即ち食育なりと観念せざるべけんや」と力説しています。

子供にとって一番必要で大事な教育は食育であり、食育は家庭教育であると説きました。

 

脂肪細胞の数が増える時期3回です。

1.胎児期

2.乳児期

(1.2.の時期の注意点については、上で述べました)

3.思春期(10-15歳)

性ホルモンの分泌が活発になる時期です。

ジャンクフード、スナック菓子、ジュースを多く摂っていると、血糖変動で心も落ち着かないだけではなく、インスリンが多く分泌されることになりますから脂肪細胞数が増えます

 

小児期の肥満は大人になってからも肥満である確率が高く

2型糖尿病や心血管疾患のリスクになります。

 

最近では、インスリン抵抗性をベースに、初潮が早くなる子供も増えています。早い初潮は、妊娠糖尿病のリスクも上げますし、乳がんリスクも高くなります(1年早まるごとに5%上昇)。

 

 

肥満になってからでは、生活指導をしても、減量は困難です

肥満にしないために、最もよい介入時期は、幼い子供の時です。

大きくなってくると、いやがうえにも、現代の「高糖質、低線維食・・肥満食」の世界に晒されてしまいます。親の言うことも聞いてくれなくなりますし。

 

食育は次の世代にも引き継がれる非常に大事な教育です

 

 

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本来なら、血液検査をして、足りない分をサプリメントで補う方がいいと思いますが、それは難しい状況にあることをお話ししました(その96

 

そのような状況下においても、肥満症治療で注目されているサプリメント4つありますので、ご紹介します。

*私の中では順位に優劣はありません

 

1.ビタミンD

 

ビタミンDを上げるには、

  • 食事で摂る…魚、キノコ類など
  • 日光にあたることも重要です。紫外線を浴びると、皮膚の表面のコレステロールがビタミンDに変化します。15分以上、日の光に当たりたいですね。朝の散歩は最高です。メラトニンも作られますから良眠も得られます。

 

日本人(特に肥満者)は、ビタミンDが足りていないことが多いです。

肥満者の場合ビタミンDが低値なのは、皮下脂肪とビタミンDが結合し、血中にビタミンDが出ていけないという理由があります。

 

ビタミンDの効能

 

・ カルシウム・骨の代謝

➔ ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨を強くします。不足になるとカルシウムの吸収が悪くなり、骨がもろくなります。

 

・ 筋肉の合成

➔ ビタミンDには筋肉の合成を促す作用があります。その理由は全て解明されてはいませんが、筋肉の萎縮を抑制するからとか、シグナル伝達物質であるからと言われています。

 

・ 免疫力の向上やアレルギー症状を改善

➔ ビタミンDには細菌やウイルスを殺したり、バリア機能を高める抗菌ペプチドを作らせる働きがあります。紫外線が減少する冬場はビタミンDが減少し抗菌ペプチドも減少。風邪やインフルエンザにかかったり、アトピー性皮膚炎が悪化しやすくなるのはそのためとも言われています。

 

・ リーキーガット(腸漏れ)の予防・改善

➔ 腸もれは、さまざま病気を引き起こします。腸の粘膜細胞間の結合が緩んで隙間が大きくなるため、未消化で分子が大きいままのタンパク質や糖、さらには口から入った花粉などが腸壁から漏れ出て、やすやすと体内に侵入するため、過剰なアレルギー反応を惹き起こすとも言われています。ビタミンDはこの緩んだ腸粘膜の結合状態を改善し、適切な免疫抗体の産生も促しますから、やはりアレルギー症状の改善にもよいと言えます。

 

・ うつなどのメンタル症状に効果的

➔ 心や神経のバランスを整える脳内物質セロトニンを調節することがわかっています。またビタミンDは脳を酸化ストレスから守ります。

 

・ がんリスクの低減

➔ まだはっきりしたことは言えませんが、ビタミンDは細胞の分化や増殖の調整にも関与していますから、ビタミンDが低値な方は癌リスクがあります。ただしビタミンDが高いからといって、癌にならないというわけではありません

 

2.鉄(Fe)

 

検診の血液検査では貧血チェックが通常入っています。

鉄欠乏性貧血は鉄が足りないことで起こります。鉄が足りない人は、Hb(ヘモグロビン)の値、ならびに、MCVが低値になっていると思います(血液検査所見をご覧ください)。

 

ミトコンドリアでエネルギーATP)を作る際には重要です。また甲状腺ホルモンを活性化するためにも、鉄を適正化しておくことが大事です。ですからダイエットにも重要になります。

 

鉄を摂るといえば、レバーですが、必ずしもそうでなくともOKです。牛の赤身肉でもとれますし、ヘム鉄というサプリメントもありだと思います。ヘム鉄は腸から吸収されやすいという特徴があります(副作用は吐き気)。病院で処方してもらう鉄は、鉄を多く含みますが、吸収率はあまりよくありません(吐き気の副作用はヘム鉄と同様。体の中にある鉄の充足ぐあいで小腸からの吸収率が異なります)。

 

3.亜鉛(Zn)

 

亜鉛の効能

・味覚を正常に保つ

・抗酸化作用

・免疫力の向上

・成長、発育

・髪や肌の健康維持

・生殖機能の改善

・うつ状態の緩和

・インスリンの産生や働きの手助け➔ 糖尿病予防

 

亜鉛は腸からの吸収率が悪い上に、消化液や汗、尿からも出ていきます。運動、アルコールでも消費されます。またストレス時には亜鉛が低下するため肥満にもなりやすい、と言えます。

 

検診の血液検査にはALPという項目が通常入っていますが(亜鉛自体は通常オプション扱い)、この酵素には亜鉛とマグネシウムが補因子として必要です。亜鉛が足りていなければ、活性が上がらずALPが低値となりがちです。

ALP180よりも低ければ、亜鉛不足かもしれないので要注意です。

 

4.DHA・EPA

積極的に摂りたい油ではありますが、魚ばかり食べるわけにもいかないので、サプリメントの摂取で補うのもよいと思われます(その87)。

DHA・EPAの含有量は商品によってかなり異なりますが、日本のドラッグストアで売っている商品の用法・用量を守っている限り、害は出ないでしょう。ただし、逆に、その程度の量で十分かどうかは議論の余地が残るところではあります。

 

 

サプリメントはあくまで補助的なものです。

高額な代金を払って、普段の食事をないがしろにするなら本末転倒です。

うまくサプリメントとは付き合いましょう。

 

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「肥満やメタボに一粒飲めば効く」というサプリメントは存在しません

 

サプリメントとは、栄養補助食品のことです(あくまで食品です)。

ビタミン・ミネラル・アミノ酸・ハーブ・機能性素材等を主成分とし、不足した栄養成分の補給ができる、錠剤やカプセル・ドリンク剤などの形状をした食品の一般名称です。

 

サプリメント食品ですから、効果があると思えば使っていただければよいですし、効果がないと感じているなら続ける必要はないと思っています。

 

 

実は、日本でサプリメントを上手く使用するのは、大変難しい状況にあります。

その理由は

 

1.ビタミン・ミネラルの検査を受けるハードル

➔ 必要なサプリを知るためには、自分には何が、どの程度足りないのかをまず知る必要があります。しかし、その検査自体が簡単には受けられません。病気でない限り、病院(保険診療)でビタミン、微量元素をチェックしてもらうことはできません。自己負担による検査キットやクリニックでの検査も可能ですが、高額です。

 

2.検査値の解釈

➔ なんとか検査ができたとしましょう。しかし、ビタミン・ミネラルの検査正常値についても、その値であれば、健康にとって十分であるのかどうかは分かりません。

 

3.どの程度サプリを飲めばよいのか?

➔ ビタミン・ミネラルの必要量は従来の栄養学において、50%欠乏をきたさない最低量が記載されているだけです。市販のサプリの目安量もそうなっていますから、その量で本当に充分なのかは不明です。

 

4.どのサプリを飲めばよいのか?

➔ 実は、メーカーによってその材料も玉石混交です。日本の大手メーカーから出されているサプリなら、まがいものはないと思いますが、そもそもサプリの材料にこだわれば、もっと質のよいものもあります。当然そのようなものは高額になりますから、なかなか手にするのも困難です。

 

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いにしえの昔から、人間だけでなく、動物にとっても、甘いものは、「安全な食べもの」のサインです。

 

「甘いものは別腹(べつばら)」と、よく言われていますが、それにはちゃんとした理由があります。

  • 別腹があるのは、は大きな脳(大脳)を持っている人間だけです。大脳が摂食・満腹中枢を騙します。美味しいものを見ると(期待感が高まると)、脳(視床下部外側野)からオレキシンというホルモンが分泌され、結果、胃の動きを活発にするので、お腹がいっぱいでも、甘いものが入るわけです。ちなみに、オレキシンは覚醒作用もあります。食後眠くなるのは、満腹になるとオレキシンの分泌が減るからだとも言われています。
  • 高度に精製された糖質を多く含む甘いものでは、満腹ホルモンのPYYが出ませんから、やはり食欲が抑えられず、食べてしまうわけです。

 

「カリギュラ効果」という言葉があります。

「~してはいけない!」と言われると、逆にそれをやりたくなるという心理現象です。

 

ですから、どうしても甘いものが欲しくなったら、ご褒美として、週に1回ぐらいは、甘いものを楽しんではどうでしょうか。

 

ご褒美の品としては、

1.高級アイスもしくはチョコ

毎日安っぽいアイス、チョコを食べるぐらいなら、週に1回高級なものを食べた方がよいと思います。

ハーゲンダッツミニカップアイス(110ml)には、炭水化物(ほぼ糖質)が19.9g入っていますが、脂質が16.3g、たんぱく質4.6gも入っています(卵や牛乳を使用している)。

また高級チョコのGODIVA(1個糖質5g~)やWITTAMER(1個糖質6g~)のチョコを1~2個いただくのもよいでしょう。これらは脂肪もしっかり使っていますし、もちろん材料の質もよいです。

 

2.和菓子よりも洋菓子

和菓子は小豆や砂糖を多く使うことが多いので注意が必要です。シュークリームやチーズケーキといった洋菓子にも砂糖は入っていますが、和菓子よりも概して少なく、脂質とたんぱく質(卵や牛乳が材料)がしっかり入っていますので、血糖値の上昇が和菓子に比べて緩やかになります。最近では低糖質のスイーツも数多く出ていますので、チェックしてみてください。

 

あくまでご褒美ということをお忘れなく

 

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お菓子系をしょっちゅう間食してると、100%(ヒャクパー)太ります(その7)。

 

小腹(こばら)が空いたと思ったら、血糖値の上がりにくいミックスナッツチーズを食べることを勧めている方も多いと思います。

 

一般的に、補食とは・・・

『必要な栄養やエネルギーを満たすために、通常の食事(朝・昼・夕)に加えて物を食べること』

のようです。

当然、おやつや間食とは、意味合いが違います。

 

しかし、私が思う補食の概念は少々違っています。

 

『昼食や夕食本番の食事摂取量を抑えてくれて、また食後の血糖値の上昇をおだやかにしてくれるような、小腹が空いている時に事前に頂く、たんぱく質・脂質リッチ糖質少なめの食事』

と、考えています。

 

補食として相応しいものには、ナッツやチーズ以外に、冷奴、枝豆、納豆、タマゴ、ビーフジャーキー、サラダチキン、焼き鳥(塩)、スティック野菜、キャベツ、あたりめ、いりこ(煮干し)などがあります。

 

とはいえ、PYYGLP-1といった食欲を抑えるホルモンを出させる補食は、個人によって違うように思います。

 

そこで、私の補食ベスト4を紹介します。

*コンビニで手軽に手に入るような商品を例に。コンビニにはダイエットに役立つ商品もたくさんあります。

(午後5~6時ごろ補食して、夕食は8~9時頃と想定して、お話しします)

 

1.サバ缶

➔ ぶっちぎりに1位のサバ缶。魚肉のたんぱく質のみならず、魚油のEPA、DHAも多く入っています。当然、小腸を刺激して、PYY、GLP-1が分泌されますから、夕食時には食欲が下がっているのを実感するはずです。また最近のサバ缶は多様なラインナップがありますから、いろいろな味を飽きずに楽しめます。

 

*全てがコンビニの商品ではありませんが、私の好きなサバ缶の写真をアップ。

 

2.半熟煮卵

➔ 半熟煮卵1個のカロリーは75kcal、糖質は0.7gです(ファミリーマート)。ゆで卵は、糖質0.2g(ファミリーマート)ですが、個人的には半熟煮卵の方が、より補食の効果があるように思います。

 

 

3.ジャンボフランク

➔ 1本の中に、たんぱく質10.1g、脂質23.3.g、炭水化物5.6g。低糖質で、たんぱく質・脂質リッチ。

 

 

4.プロテインバー

➔ お菓子系ですが、たんぱく質が15gぐらい入っていますし、最近は低糖質(10gちょっと)のプロテインバーも販売されています。甘味もそれなりにあり、一本食べればきっと満足できます。

 

 

 

番外編

*コンビニで手に入るものではありませんが、もし食べる機会があるのなら、本番の食事の前に、前菜として食べておきたいものを紹介します(あくまで個人的な好みです)。

強力に食欲を抑えてくれますし、血糖値の上昇もおだやかになっていると思います。

 

1.納豆・とろろ・オクラのネバネバ3兄弟

➔ 腹も膨れますし、水溶性食物繊維もたっぷりです。

 

2.アボカド料理

➔ ビタミン(A、C、E)やカリウム、鉄、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルも豊富。糖質は少なく、オレイン酸(オメガ9系脂肪酸)を多く含み、尚且つ、水溶性、不溶性食物繊維もたっぷり。オリーブオイルとの相性もバッチリなのでお勧めです。

 

3.刺身

➔大吟醸、この時期(秋)ならひやおろし、1合程度といただくのも大好きな組み合わせです。日本酒1合の糖質は9gです。「もう一杯」、「あ、もう一杯だけ」と杯を重ねすぎないように、水や茶をチェイサーにしながら楽しんではどうでしょうか。刺身は食欲を抑えてくれます。

 

皆さんも自分自身に合う補食を見つけて、ダイエットの味方にして下さい

 

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きっと、食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。

完全になかったことにするのは無理ですが、

ダメージを少なるする方法は、私が思いつくかぎり、あります。

 

① Aspiration therapy

 

BMI35以上の高度肥満の方に行う治療器具です。胃にチューブを入れて(胃ろう)、食べたものを30分後に吸い出します。30%分のカロリーをカットすることができます。アメリカではFDAに認可された治療器具ですが、日本では流行りそうにはないですね。

 

② 動く!とにかく動く!

 

「血糖値・インスリン値を上げないこと」が、ダイエットには重要でしたね(その80)。

血糖の最大の受け手は、筋肉です。筋肉細胞にブドウ糖を消費させましょう。

 

  • インスリンの刺激で、細胞表面にグルコーストランスポーター(ブドウ糖の運び屋)のGLUT4(グルット フォー)が移動し、血液のブドウ糖を細胞に取り込んでくれます。
  • インスリンの刺激がなくとも筋肉を収縮させるだけGLUT4を作動させることができます。血糖を細胞に取り込む➔血糖値下がる➔インスリン値も下がる
  • ちなみに普段から運動をしている人は、GLUT4の量が2倍になりますから、わずかなインスリンの量でも血糖値が下がるので、太りにくいわけです。

 

具体的な方法としては、

1.食後15~20分程度歩く。多少凝る(こる)程度です。凝る程度動くと、血糖値を10~20程度下げてくれます。階段の昇り降りエアロバイクも良いと思います。

 

2.立っている時は、座っている時の2倍のエネルギー消費があります。ただ立っているだけでも抗重力筋を使います。食後は、テレビをつけてすぐ横になるのではなくて、食器を洗ったり、掃除をしたり、家事で体を動かしましょう。休むのはその後です。順番を変えるだけです。

 

③ ごちそうの後は、ファスティング(Fasting、断食)

*本格的なファスティングは、数日間食べないメニューもあり、専門的な知識が必要になりますので、必ず適切な指導者の下に実施してください。

 

インスリン分泌の少ない時間を作るには、食べないことが一番です。

 

私の言うファスティングはプチファスティングです。食べ過ぎた後、その次の食事まで時間をたっぷりあけて下さい。そして次の食事は、糖質に注意しながら、摂っていただくようにする、というものです。そうすれば血糖値スパイクも起きにくくなります(その29)。

1日に摂取するエネルギーを同じにして、1日1回の食事と1日3回の食事を比較すると、1日1回の方が、体重も体脂肪も減るという報告もあります。

 

④ 難消化性デキストリンその67

食後30分以内に飲めば、血糖値の上昇をおだやかにすることができます(食べ過ぎた後だと気休めかもしれません)。

 

 

重要なことなので、最後に記載しておきます

食べた後、吐いたり、下剤を使用したりして、リセットを図ろうとしている方がいらっしゃいます。

本人も辛い状態だと思います。

それは神経性過食症という、摂食障害の病気です。日本内分泌学会のHPも参照してください

治療を受けることもできます。安心して病院で相談してください。

 

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サラダは手っ取り早く食物繊維を摂るには良い食材です。

 

ドレッシングはサラダを食べやすくします。ドレッシングは、ドバドバかけなければ、そこまで糖質量は多くないようです。

 

千葉県ローカルなドレッシング、「ジョセフィーヌ」は、私の大のお気に入りです。

*以前は地元のスーパーで買うか、FAX注文だけでしたが、最近はネットでも購入できるようです。地元で買うより少々お高めではあります・・・

 

 

 

ラベルから計算すると、大さじ1杯(15g)で、炭水化物は0.15g。

 

ノンオイルドレッシングは、油のうまみ、コクを使えないため、糖類で味を調整しています。

とはいえ、量が多くなければ、糖質量はそこまで多くはありません。「キユーピーノンオイル青じそ」で、大さじ1杯の炭水化物量は1.2gです。ただし、塩分が多いと主食がすすみますので、結果的に糖質を摂りすぎる可能性もあり、注意は必要です。

 

マヨネーズは、「コレステロールが多いから」と、避ける人が多いように思いますが、マヨネーズお勧めです。植物油もたっぷり入っていますが、たんぱく質脂質(原料はタマゴ)も入っていますからダイエットにはもってこいです(インクレチン効果)。大さじ1杯で、炭水化物0.1gです。積極的に使用すべきだと思います。

 

ちなみにカロリーハーフのマヨネーズは脂質を抑える代わりに、糖質が入っていますから、糖質量が若干上がります。大さじ1杯で0.3g)。普通のマヨネーズでよいのではないかと思っています。

 

その他、オリーブオイルや粉チーズをかけるのもいいですし、他のおかずと共にサラダをいただけば、そもそもかける必要もなくなります。

 

かけるといえば、ウスターソースとんかつソースケチャップ

糖質をそれなりに含んでいますから(それぞれ100gあたり、24g、31g、23gの糖質)、ダイエット中は注意が必要です。かけ過ぎは危険です。

 

揚げ物は、おろしポン酢や少量の塩で頂くのはどうでしょうか。

 

オムライス、ナポリタンスパゲティにはケチャップが欠かせませんが、糖質を消費するために動く覚悟がある日にいただきましょう。

 

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暑い季節にも、乾燥する寒い季節にも、こまめな水分補給は欠かせません。それは大事です。

しかし、気を付けたいのは、水分、ミネラルを補うためのスポーツドリンクです。

 

糖質が多く、500ミリリットルで30グラム入っています。2リットルのボトルなら120グラムです。

 

ロカボでは1食の糖質20~40グラム、おやつの糖質10グラムを合わせ、1日の糖質摂取の目安を70~130グラムにしています。

1日2リットルのスポーツドリンクを飲む人はめったにいないと思いますが、それだけで、1日の糖質摂取量のリミットに達してしまうほどです。

 

スポーツドリンクなどの清涼飲料水には、果糖ブドウ糖液糖が多く入っています(その33)。

 

果糖はブドウ糖の5分の1程度しか血糖値を上げませんが、

酔っぱらわないアルコールともよばれ、脂肪肝になりますし、インスリン抵抗性も高めるので、血糖値を悪化させます。

糖化もしやすく、また痛風などの原因になる尿酸値も高くします。

 

「ペットボトル症候群」という言葉を聞いたことがありますか?

スポーツドリンクを飲むと、高血糖になり、尿量が増えるので、さらにのどが渇いて、また飲みたくなる。あげく、インスリンが作用不足になると、血糖値を下げられなくなり、急性の意識障害を来すことすらありえます。

 

どうしても水分補給が必要なら、OS-1(オーエスワン)がよいと思います。もしくは、カロリーゼロのスポーツドリンク(しかし人工甘味料は入っています)を常識的な範囲で摂るにとどめましょう。

 

 

もう一つ、エナジードリンクについて。

先日、小学生の男の子達が、テニスのレッスン帰りに一目散に清涼飲料水の自動販売機に駆け寄って、「〇〇〇(エナジードリンクの名前)飲むと、テンション上がるよな。レッスン前も飲んだけど、また飲みてぇなぁ」と、口々に叫んでいるのを見て、ぞっとしました。

 

たしかに、エナジードリンクは単なる清涼飲料水としての位置づけかもしれませんが(栄養ドリンクでははありません)、カフェイン果糖ブトウ糖液糖を含んでいます。

 

カフェインは眠気、疲労感を解消させる効果もありますが、子供達は、いっぱい動いて疲れたのなら、そもそも睡眠をとるべきです。大人だってそうです。

 

カフェインには脂肪分解酵素の活性を高める効果があります。またエナジードリンクに入っているその他の成分であるアルギニンとビタミンB群も、ダイエットには有効な成分ではあります。

しかし、果糖ブドウ糖液糖もしっかり入っていますから、その効果は打ち消され、カフェインとあいまって、中毒性も出てくるのだと思います。

 

エナジードリンクはダイエットにとってもよいものではなく、避けるべき飲み物だと考えます。

翼を授からなくとも、モンスターにならなくとも、我々は大丈夫です。

 

Unsplash

 

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