その89:MCT(中鎖脂肪酸)オイルも良し | 肥満治療を行う外科医のブログ

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中鎖脂肪酸100%の油のことをMCTオイルと呼びます。

 

 

 

普通のココナッツオイルにも中鎖脂肪酸が60%程度入っていますが、飽和脂肪酸も多く含んでいます。

 

MCTオイルの効能:

 

1.他の植物油と比べて消化・吸収が速く(長鎖脂肪酸と違うところです)、エネルギーに変わりやすいので、体内にとどまらないという特徴があります。ゆえに、体脂肪が増えづらい

 

2.吸収されると直接肝臓へカルニチンがなくとも、ミトコンドリアに入り、アセチルCoAになり、エネルギー源になります。ミトコンドリアは中鎖脂肪酸を他の脂肪酸よりも利用しやすい性質をもっています。

 

3.食事前に摂れば、血糖値の上昇を抑えてくれます。また満腹感も出ますし、食欲も抑えてくれます

 

4.ケトン体の生成を促進する効果があります。脂肪が分解されてできるケトン体がエネルギーとして使われます。筋肉量を落とさずに脂肪を燃焼させることができます。

 

5.ケトン体は脳のアンチエイジング作用もあります。MCTオイルで認知症、アルツハイマーの改善が期待されています。

 

 

ここからは余談;

  • シリコンバレー式ダイエットで有名なバターコーヒーダイエットは、簡単に言えば、朝食を、MCTオイルを加えたバターコーヒーにします。飲めば空腹感をあまり感じなくなるので、モーニングコーヒーにはよいと思います。一点注意しておきます。グラスフェッド(牧草をエサとして与える)の牛の乳で作ったバターを使用するように本書では説明されています。確かに、そうではない市販のバターを代わりに使用して、バターコーヒーを頂いていると悪玉コレステロールが上がることもあるようです。
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  • MCTオイル自体は味やにおいがなく、透明なので、脂っこいものでなければ、何にでもかけて摂取することができます(コーヒー、紅茶、スムージー、サラダ、みそ汁、ヨーグルト、焼き魚など)。

 

  • 糖と一緒にMCTオイルをとっているようだと、その効果は打ち消されます。ケトン体が出てこないので脂肪も燃えません

 

  • カルニチはアミノ酸の一種です。脂肪酸(アシルCoA)はカルニチンと一緒にミトコンドリアの中に入り、アセチルCoAに分解されてエネルギーの元になります。ダイエットサプリとしても有名ですが、糖質を多くとっていたら、もちろん何の効果もありません

 

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