その91:スポーツドリンクとエナジードリンク | 肥満治療を行う外科医のブログ

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暑い季節にも、乾燥する寒い季節にも、こまめな水分補給は欠かせません。それは大事です。

しかし、気を付けたいのは、水分、ミネラルを補うためのスポーツドリンクです。

 

糖質が多く、500ミリリットルで30グラム入っています。2リットルのボトルなら120グラムです。

 

ロカボでは1食の糖質20~40グラム、おやつの糖質10グラムを合わせ、1日の糖質摂取の目安を70~130グラムにしています。

1日2リットルのスポーツドリンクを飲む人はめったにいないと思いますが、それだけで、1日の糖質摂取量のリミットに達してしまうほどです。

 

スポーツドリンクなどの清涼飲料水には、果糖ブドウ糖液糖が多く入っています(その33)。

 

果糖はブドウ糖の5分の1程度しか血糖値を上げませんが、

酔っぱらわないアルコールともよばれ、脂肪肝になりますし、インスリン抵抗性も高めるので、血糖値を悪化させます。

糖化もしやすく、また痛風などの原因になる尿酸値も高くします。

 

「ペットボトル症候群」という言葉を聞いたことがありますか?

スポーツドリンクを飲むと、高血糖になり、尿量が増えるので、さらにのどが渇いて、また飲みたくなる。あげく、インスリンが作用不足になると、血糖値を下げられなくなり、急性の意識障害を来すことすらありえます。

 

どうしても水分補給が必要なら、OS-1(オーエスワン)がよいと思います。もしくは、カロリーゼロのスポーツドリンク(しかし人工甘味料は入っています)を常識的な範囲で摂るにとどめましょう。

 

 

もう一つ、エナジードリンクについて。

先日、小学生の男の子達が、テニスのレッスン帰りに一目散に清涼飲料水の自動販売機に駆け寄って、「〇〇〇(エナジードリンクの名前)飲むと、テンション上がるよな。レッスン前も飲んだけど、また飲みてぇなぁ」と、口々に叫んでいるのを見て、ぞっとしました。

 

たしかに、エナジードリンクは単なる清涼飲料水としての位置づけかもしれませんが(栄養ドリンクでははありません)、カフェイン果糖ブトウ糖液糖を含んでいます。

 

カフェインは眠気、疲労感を解消させる効果もありますが、子供達は、いっぱい動いて疲れたのなら、そもそも睡眠をとるべきです。大人だってそうです。

 

カフェインには脂肪分解酵素の活性を高める効果があります。またエナジードリンクに入っているその他の成分であるアルギニンとビタミンB群も、ダイエットには有効な成分ではあります。

しかし、果糖ブドウ糖液糖もしっかり入っていますから、その効果は打ち消され、カフェインとあいまって、中毒性も出てくるのだと思います。

 

エナジードリンクはダイエットにとってもよいものではなく、避けるべき飲み物だと考えます。

翼を授からなくとも、モンスターにならなくとも、我々は大丈夫です。

 

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