人工甘味料を添加した炭酸飲料をダイエットソーダといいます。
ダイエットコーラもその一つです。
トランプ元大統領は1日に12本(約500ml)もダイエットコーラを飲むと、ニュースで取り上げられたことがありました(それでもゼロカロリーです!?)。
人工甘味料は安価で大量生産ができますから、食品メーカーにとっては大変魅力的で、今では多くの商品に入っています。
また人工甘味料は砂糖の何百倍も甘く、中には13,000倍甘いと言われるネオテームも開発されています(そもそも、そんなに甘くしてどこに行く、と思ってしまいます。きっと商品を売るためなんでしょうけど・・・)。
人工甘味料が体にとって、善いものなのか、悪いものなのか、まだ決定的な答えは出ていませんが、個人的には、『ダイエットしたいなら、摂るべきものではない』と考えています。
私の肥満症治療外来にもダイエットソーダを愛飲する方が何人もいますが、肥満・糖尿病外科手術(減量・代謝改善手術)後であるにも関わらず、ほぼ皆さん、体重コントロールに苦労しています。それでダイエットに成功したという話は聞いたことがありません。
その他、人工甘味料を支持しない根拠としては、
- 糖類を人工甘味料に替えても、減量や血糖コントロールに有用とする科学的根拠は十分ではないです➔ ダイエットに役立つわけではない
- たしかに、血糖値は上げませんが、肥満ホルモンのインスリンを上げる可能性があります。
- 甘味を感じるのは舌だけではなく、胃や腸、膵臓も感じとっています。たとえば胃にある甘味レセプターが甘味を感知すると、空腹ホルモンのグレリンが出ます。
- カロリーのない人工甘味料では、脳は十分な報酬にならないと考え、より食欲が増す可能性がある。
- 人工甘味料の強い甘味に慣れると、甘味に対する感覚が鈍り、より甘い糖質を摂取するようになる
- 甘いものは、糖質であれ、人工甘味料であれ、脳内報酬系のドーパミン、脳内麻薬のエンドルフィンを出し、我々を気持ちよくしてくれます。まるで麻薬と似ていますね。しかし徐々に効かなくなりますから、もっと欲しがることになります(習慣化➔乱用➔依存➔中毒)。また、甘いものを減らせば、禁断症状が出ますからイライラしたり、頭痛などの身体症状がでます。
- うつや認知症との関連を疑う報告もあります。
ラベルを見る癖をつけましょう。商品を選ぶのは我々です。
ダイエットしたいなら、日中の飲み物の基本は、
水かお茶になさい、と肥満外来ではお伝えしています。
*青太文字の箇所をクリックすると関連する情報も見ていただけます