その71:ダイエットコーラはOKか?(人工甘味料のお話) | 肥満治療を行う外科医のブログ

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人工甘味料を添加した炭酸飲料ダイエットソーダといいます。

ダイエットコーラもその一つです。

 

 

トランプ元大統領は1日に12本(約500ml)もダイエットコーラを飲むと、ニュースで取り上げられたことがありました(それでもゼロカロリーです!?)。

 

人工甘味料安価大量生産ができますから、食品メーカーにとっては大変魅力的で、今では多くの商品に入っています。

また人工甘味料は砂糖の何百倍も甘く、中には13,000倍甘いと言われるネオテームも開発されています(そもそも、そんなに甘くしてどこに行く、と思ってしまいます。きっと商品を売るためなんでしょうけど・・・)。

 

人工甘味料が体にとって、善いものなのか、悪いものなのか、まだ決定的な答えは出ていませんが、個人的には、『ダイエットしたいなら、摂るべきものではない』と考えています。

 

私の肥満症治療外来にもダイエットソーダを愛飲する方が何人もいますが、肥満・糖尿病外科手術(減量・代謝改善手術)後であるにも関わらず、ほぼ皆さん、体重コントロールに苦労しています。それでダイエットに成功したという話は聞いたことがありません

 

その他、人工甘味料を支持しない根拠としては、

  • 糖類を人工甘味料に替えても、減量や血糖コントロールに有用とする科学的根拠は十分ではないです➔ ダイエットに役立つわけではない
  • たしかに、血糖値は上げませんが、肥満ホルモンのインスリンを上げる可能性があります。
  • 甘味を感じるのは舌だけではなく、胃や腸、膵臓も感じとっています。たとえば胃にある甘味レセプターが甘味を感知すると、空腹ホルモンのグレリンが出ます。
  • カロリーのない人工甘味料では、脳は十分な報酬にならないと考え、より食欲が増す可能性がある。
  • 人工甘味料の強い甘味に慣れると、甘味に対する感覚が鈍り、より甘い糖質を摂取するようになる
  • 甘いものは、糖質であれ、人工甘味料であれ、脳内報酬系のドーパミン脳内麻薬のエンドルフィンを出し、我々を気持ちよくしてくれます。まるで麻薬と似ていますね。しかし徐々に効かなくなりますから、もっと欲しがることになります(習慣化➔乱用➔依存➔中毒)。また、甘いものを減らせば、禁断症状が出ますからイライラしたり、頭痛などの身体症状がでます。
  • うつや認知症との関連を疑う報告もあります。
 
ラベルを見る癖をつけましょう。商品を選ぶのは我々です
 
ダイエットしたいなら、日中の飲み物の基本は、
お茶になさい、と肥満外来ではお伝えしています。
 

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