その32:果糖(果物の糖)で太る理由 | 肥満治療を行う外科医のブログ

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果糖は果物の糖と書きますから、健康に良さそうなイメージがあります。

しかし、実際はそうでもありません

むしろ現代社会においては、肥満の大きな一因になっています。

 

果糖も、糖の一種ですが、グルコース(ブドウ糖)の代謝経路とは似て非なるものです。

果糖の代謝経路はエタノールと似ているので、“酔っぱらわないアルコール”と呼ばれることもあります。

 

果糖は、ほぼ肝臓で代謝されます。インスリンに関係なく細胞に取り込まれ、あとは、アルコールの代謝と似たような反応を起こします。

 

細かく言えば、果糖の代謝では、下記のような反応が起こりますから、太りますし、当然、メタボの原因にもなります。

 

1.尿酸を合成します(痛風)⇒NO(一酸化窒素)低下⇒血圧が上昇します(高血圧)

2.中性脂肪を作り、それが貯まります(下の図)。

3.細胞内で炎症を起こします(脂肪性肝炎・・体への影響はアルコール性肝炎と同じ)。

4.肝臓や筋肉でインスリン抵抗性を引き起こします。

5.糖新生を起こし、最終的には、血糖を高くします。

6.高インスリン血症になりますから、レプチン抵抗性にもなり、食欲が抑えられなくなります。

 

 

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