その31:アルコールで太る理由 | 肥満治療を行う外科医のブログ

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「つまみを食べ過ぎなければ、アルコールだけでは太らない」と信じている方も多いと思います。

 

しかし、極端な言い方をすれば、「アルコールは、飲めば太ります」

理由はこうです(下の図も参考にしてください)

 

アルコール(エタノール)の80%は肝臓に取り込まれ、アセトアルデヒド➔酢酸に代謝されます(①)。

ほどよいお酒の量だと、酢酸は末梢組織で、エネルギー源として使われます(②)。これはこれでOK。

 

しかし、飲み過ぎれば、酢酸からアセチルCoAが作られ(③)、大量にクエン酸ができます(④)。

 

本来ならば、ミトコンドリアのTCA回路がうまく回っていれば、スムーズにATPが作られて、エネルギー源となります。

ところが、エタノールからアセトアルデヒドに代謝する際に、余計にエネルギーを使用してしまっているため、ミトコンドリアはエネルギーが足りない状態に陥り、TCA回路もうまく回らなくなっています

 

だぶついた大量のクエン酸はアセチルCoAに戻されて(⑤)、脂肪酸になり(⑥)、ついには中性脂肪になります(⑦)。

 

肝臓にたまれば脂肪肝になりますし、作られた中性脂肪は体中に運ばれ、脂肪として蓄えられます。

それだけではありません。肝臓や筋肉のインスリン抵抗性を高めますので、結果、やはり太ることになるのです。

 

ダイエットしたいのならば、飲まないことに越したことはありません。

私にはちょっと無理そう・・・

 

 

 

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