その80:「インスリンの山」をイメージする | 肥満治療を行う外科医のブログ

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1日にクッキー1枚やポテトチップス2枚(いずれも20キロカロリー)をつまみ喰いするだけで、1年に1キロ太るお話しをしました(その7)。

 

「常に食べる」ことはやめるべきです。

イメージ図を見てください(イメージすることは大事)。

 

インスリン肥満ホルモンです。

 

インスリンが多く出ている時間を短くすることは(黄色の部分を少なく青色の部分を多く)、ダイエットに有効で

 

(下の図を見てください)。1日3回だけ食事を摂るとします。インスリンの山が3つできます(黄色)。

食事の間はインスリンが低い時間帯を作れます(青色)。

 

 

 

しかし間食を摂り、常に食べてしまうと、どうでしょう。インスリンが多く出ることになりますね(黄色)。

抵抗性とは何かに常にさらされていることで生まれます。

肝臓・筋肉・脳でのインスリン抵抗性も高くなり、太りやすくなるわけです。また糖尿病の原因にもなります。

 

 

朝食Breakfastと英語で書きますが、fast(断食)をBreak(打ち破る)という意味です。

もし朝食を摂らなければ、黄色のインスリンの山を一つなくすことができますし、インスリンが低い時間帯青色)を長くすることができます。

 

 

 

ただし、朝食を抜く際には、注意も必要です。

「朝食を抜けば、昼食のドカ喰いが許される」と勘違いしている方もいますが、ドカ喰いすれば、

  • インスリン値は大幅にあがり、
  • その反動で血糖値が下がるので(インスリンは血糖を下げるホルモン)、
  • 夕食にはさらに食べたくなり(特に糖質)、
  • それで食べてしまうと、またインスリンが多く出されますから、

やはり太りやすくなります。ドカ喰いはやめましょう

 

 

ちなみに、イスラム教徒はラマダンの時期に、日の出から日没まで断食をします(dawn-to-dusk fasting)。しかし、イスラム教徒の国でも肥満は問題になっています。

断食の後、糖質を含む食べ物をたくさん食べるからです。当然、いっきにドカ喰いしますから、血糖値スパイクも大変なことになっていると思います。

*追記:イスラム圏でも、米国化した食事が肥満の要因の一つです。

 

ダイエットのためには、

  • 食べる間隔は、間があいた方が有利です!
  • インスリン抵抗性を断ち切る➔ インスリン値がとても低くなる時間を繰り返し作りましょう!
 

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