その83:ヨーグルトは食べる(飲む)べきか? | 肥満治療を行う外科医のブログ

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昼食時にコンビニに入ると、ラベルを一生懸命ながめて、買い物かごに小さなヨーグルトをいれている(特に)女性の方をよく見かけます。

ヨーグルトは健康によいイメージやダイエットに良さそうというイメージがありますから、皆さん積極的に食べているのでしょう。

 

たしかに、ヨーグルトに入っている乳酸菌の効果により、腸蠕動は促され腸管免疫は活性化されますから、体に悪いものではありませんが、

少量のヨーグルトでは残念ながら、健康にもダイエットにも、どの程度役立つのかは疑問???

と、個人的には思っています。

 

 

ここで、ヨーグルトの話題になると、よく出てくる

プロバイオティクスプレバイオティクスについても説明しておきましょう。

  • プロバイオティクス・・生きた乳酸菌などを腸に届ける。しかし、通常は胃酸や胆汁酸によって死菌となります。もし生きたまま腸に届いても、腸で増殖することはありません。
  • プレバイオティクス・・腸内にある善玉菌のエサになるもの。食物繊維発酵食品オリゴ糖などがそれにあたります。

実は、菌が生きて腸に届いても、それ自体が体に良い影響を与えるわけではありません。

免疫機能に影響を与えているのは、菌体成分や菌の代謝産物ですから、菌は生きていても、死んでいてもよいわけです。

 

「生きた菌を腸に届けること」も、「ヒトの腸内で優勢な菌を選ぶこと」も重要ではありません。

菌の種類よりも数が大事です。

 

市販のヨーグルトの中には、100億個、1000億個の菌が入っていることを謳い文句に商品を売っているものが多いと思います。我々もそれに惹かれます。

 

しかし考えてみましょう。

 

腸内細菌100兆個以上だと言われています。

1000憶個の菌を食べて、仮にそれが全て生きたまま腸に届いても、1000分の1にしかなりません(もちろん生きたまま全て届くことはありません)。100憶なら1万分の1です。

たったその程度では腸内細菌叢を変えることなどできません。

 

*ちなみに、病院で処方される整腸剤は1包1gに約1億個の菌が入っています。

 

乳酸菌生成物を加熱処理して錠剤などに加工すれば、わずか数グラムのサプリメントでも1~2兆ほどの菌を取り入れることができます。

体に良い影響を及ぼすのは、あくまで菌の数です。生菌であっても死菌であっても数の多いほうがいいので、サプリメントを利用するのもよいかもしれません。

 

当然、善玉菌のエサになる食物繊維発酵食品オリゴ糖積極的に摂るべきです。

 

加えて、

ヨーグルトは加糖されていることが多いので、ダイエットには不利なものが多いかもしれません。食べる(飲む)なら、糖の少ない、望ましくは、糖が入っていないものにしましょう(そうなると美味しいとは言えなくなるので食べるのに工夫が必要になりますね)。

 

やはりラベルを見て購入するのは大事です。

 

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