その93:食べ過ぎてしまった(;゚Д゚)、、なかったことにするには? | 肥満治療を行う外科医のブログ

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健康な身体を取り戻そう!

きっと、食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。

完全になかったことにするのは無理ですが、

ダメージを少なるする方法は、私が思いつくかぎり、あります。

 

① Aspiration therapy

 

BMI35以上の高度肥満の方に行う治療器具です。胃にチューブを入れて(胃ろう)、食べたものを30分後に吸い出します。30%分のカロリーをカットすることができます。アメリカではFDAに認可された治療器具ですが、日本では流行りそうにはないですね。

 

② 動く!とにかく動く!

 

「血糖値・インスリン値を上げないこと」が、ダイエットには重要でしたね(その80)。

血糖の最大の受け手は、筋肉です。筋肉細胞にブドウ糖を消費させましょう。

 

  • インスリンの刺激で、細胞表面にグルコーストランスポーター(ブドウ糖の運び屋)のGLUT4(グルット フォー)が移動し、血液のブドウ糖を細胞に取り込んでくれます。
  • インスリンの刺激がなくとも筋肉を収縮させるだけGLUT4を作動させることができます。血糖を細胞に取り込む➔血糖値下がる➔インスリン値も下がる
  • ちなみに普段から運動をしている人は、GLUT4の量が2倍になりますから、わずかなインスリンの量でも血糖値が下がるので、太りにくいわけです。

 

具体的な方法としては、

1.食後15~20分程度歩く。多少凝る(こる)程度です。凝る程度動くと、血糖値を10~20程度下げてくれます。階段の昇り降りエアロバイクも良いと思います。

 

2.立っている時は、座っている時の2倍のエネルギー消費があります。ただ立っているだけでも抗重力筋を使います。食後は、テレビをつけてすぐ横になるのではなくて、食器を洗ったり、掃除をしたり、家事で体を動かしましょう。休むのはその後です。順番を変えるだけです。

 

③ ごちそうの後は、ファスティング(Fasting、断食)

*本格的なファスティングは、数日間食べないメニューもあり、専門的な知識が必要になりますので、必ず適切な指導者の下に実施してください。

 

インスリン分泌の少ない時間を作るには、食べないことが一番です。

 

私の言うファスティングはプチファスティングです。食べ過ぎた後、その次の食事まで時間をたっぷりあけて下さい。そして次の食事は、糖質に注意しながら、摂っていただくようにする、というものです。そうすれば血糖値スパイクも起きにくくなります(その29)。

1日に摂取するエネルギーを同じにして、1日1回の食事と1日3回の食事を比較すると、1日1回の方が、体重も体脂肪も減るという報告もあります。

 

④ 難消化性デキストリンその67

食後30分以内に飲めば、血糖値の上昇をおだやかにすることができます(食べ過ぎた後だと気休めかもしれません)。

 

 

重要なことなので、最後に記載しておきます

食べた後、吐いたり、下剤を使用したりして、リセットを図ろうとしている方がいらっしゃいます。

本人も辛い状態だと思います。

それは神経性過食症という、摂食障害の病気です。日本内分泌学会のHPも参照してください

治療を受けることもできます。安心して病院で相談してください。

 

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