その97:ダイエットに有効な推しのサプリメントを4つ紹介します | 肥満治療を行う外科医のブログ

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本来なら、血液検査をして、足りない分をサプリメントで補う方がいいと思いますが、それは難しい状況にあることをお話ししました(その96

 

そのような状況下においても、肥満症治療で注目されているサプリメント4つありますので、ご紹介します。

*私の中では順位に優劣はありません

 

1.ビタミンD

 

ビタミンDを上げるには、

  • 食事で摂る…魚、キノコ類など
  • 日光にあたることも重要です。紫外線を浴びると、皮膚の表面のコレステロールがビタミンDに変化します。15分以上、日の光に当たりたいですね。朝の散歩は最高です。メラトニンも作られますから良眠も得られます。

 

日本人(特に肥満者)は、ビタミンDが足りていないことが多いです。

肥満者の場合ビタミンDが低値なのは、皮下脂肪とビタミンDが結合し、血中にビタミンDが出ていけないという理由があります。

 

ビタミンDの効能

 

・ カルシウム・骨の代謝

➔ ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨を強くします。不足になるとカルシウムの吸収が悪くなり、骨がもろくなります。

 

・ 筋肉の合成

➔ ビタミンDには筋肉の合成を促す作用があります。その理由は全て解明されてはいませんが、筋肉の萎縮を抑制するからとか、シグナル伝達物質であるからと言われています。

 

・ 免疫力の向上やアレルギー症状を改善

➔ ビタミンDには細菌やウイルスを殺したり、バリア機能を高める抗菌ペプチドを作らせる働きがあります。紫外線が減少する冬場はビタミンDが減少し抗菌ペプチドも減少。風邪やインフルエンザにかかったり、アトピー性皮膚炎が悪化しやすくなるのはそのためとも言われています。

 

・ リーキーガット(腸漏れ)の予防・改善

➔ 腸もれは、さまざま病気を引き起こします。腸の粘膜細胞間の結合が緩んで隙間が大きくなるため、未消化で分子が大きいままのタンパク質や糖、さらには口から入った花粉などが腸壁から漏れ出て、やすやすと体内に侵入するため、過剰なアレルギー反応を惹き起こすとも言われています。ビタミンDはこの緩んだ腸粘膜の結合状態を改善し、適切な免疫抗体の産生も促しますから、やはりアレルギー症状の改善にもよいと言えます。

 

・ うつなどのメンタル症状に効果的

➔ 心や神経のバランスを整える脳内物質セロトニンを調節することがわかっています。またビタミンDは脳を酸化ストレスから守ります。

 

・ がんリスクの低減

➔ まだはっきりしたことは言えませんが、ビタミンDは細胞の分化や増殖の調整にも関与していますから、ビタミンDが低値な方は癌リスクがあります。ただしビタミンDが高いからといって、癌にならないというわけではありません

 

2.鉄(Fe)

 

検診の血液検査では貧血チェックが通常入っています。

鉄欠乏性貧血は鉄が足りないことで起こります。鉄が足りない人は、Hb(ヘモグロビン)の値、ならびに、MCVが低値になっていると思います(血液検査所見をご覧ください)。

 

ミトコンドリアでエネルギーATP)を作る際には重要です。また甲状腺ホルモンを活性化するためにも、鉄を適正化しておくことが大事です。ですからダイエットにも重要になります。

 

鉄を摂るといえば、レバーですが、必ずしもそうでなくともOKです。牛の赤身肉でもとれますし、ヘム鉄というサプリメントもありだと思います。ヘム鉄は腸から吸収されやすいという特徴があります(副作用は吐き気)。病院で処方してもらう鉄は、鉄を多く含みますが、吸収率はあまりよくありません(吐き気の副作用はヘム鉄と同様。体の中にある鉄の充足ぐあいで小腸からの吸収率が異なります)。

 

3.亜鉛(Zn)

 

亜鉛の効能

・味覚を正常に保つ

・抗酸化作用

・免疫力の向上

・成長、発育

・髪や肌の健康維持

・生殖機能の改善

・うつ状態の緩和

・インスリンの産生や働きの手助け➔ 糖尿病予防

 

亜鉛は腸からの吸収率が悪い上に、消化液や汗、尿からも出ていきます。運動、アルコールでも消費されます。またストレス時には亜鉛が低下するため肥満にもなりやすい、と言えます。

 

検診の血液検査にはALPという項目が通常入っていますが(亜鉛自体は通常オプション扱い)、この酵素には亜鉛とマグネシウムが補因子として必要です。亜鉛が足りていなければ、活性が上がらずALPが低値となりがちです。

ALP180よりも低ければ、亜鉛不足かもしれないので要注意です。

 

4.DHA・EPA

積極的に摂りたい油ではありますが、魚ばかり食べるわけにもいかないので、サプリメントの摂取で補うのもよいと思われます(その87)。

DHA・EPAの含有量は商品によってかなり異なりますが、日本のドラッグストアで売っている商品の用法・用量を守っている限り、害は出ないでしょう。ただし、逆に、その程度の量で十分かどうかは議論の余地が残るところではあります。

 

 

サプリメントはあくまで補助的なものです。

高額な代金を払って、普段の食事をないがしろにするなら本末転倒です。

うまくサプリメントとは付き合いましょう。

 

Pixabay

 

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