衆議院議員による議員立法での法案は、今国会の新規ではすでに9本が提出され、
うち、委員会提出の4本が可決され、4本とも参議院に送付されています。
残りの5本は民進党による提出であり、もちろん与党はいつものごとく審議に応じません。
畜産物の価格安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案【岸本周平議員外12名(民進、共産、自由、社民)】
格差是正及び経済成長のために講ずべき給付付き税額控除の導入その他の税制上の措置に関する法律案【古川元久議員(民進)外3名】
特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案【北村茂男農林水産委員長(自民)ほか全会派】⇒衆議院本会議で可決済
特定原子力事業所に係る核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の特例に関する法律案【田島一成議員(民進)外3名】
過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案【竹内譲総務委員長(公明)ほか全会派】⇒衆議院本会議で可決済
津波対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案【秋葉賢也災害対策特別委員長(自民)ほか全会派】⇒衆議院本会議で可決済
将来にわたる質の高い介護サービスの提供の確保等のための介護保険法等の一部を改正する法律案【初鹿明博議員(民進)外6名】
介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案【初鹿明博議員(民進)外6名】
独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律案【永岡桂子文部科学委員長(自民)ほか全会派】⇒衆議院本会議で可決済
委員会提出で可決された法案というのは、いずれも平成29年3月31日に期限が切れるので、それをさらに延長しようというものであり、多少の改変はありますが、ほぼそのままです。議員立法していると呼べるほどのものでもありません。
可決した法案は、特殊土壌地帯臨時特別措置の延期、過疎地域自立促進特別措置の延期、津波対策推進の延期、日本スポーツ振興センターでの保険領域拡大です。
政治的な意味合いの濃いのは、民進党提出のものであり、マルキン法案及び税制改正案を出し直し、原発ゼロ、介護関連2法案の5法案です。共産党、自由党、社民党はこのうち、マルキン法案のみ共同提出者となっています。維新の会は法案を提出できる議席数が衆議院にはないため、参議院から102本の法案を提出しています。
維新が提出している法案の方針というのはいずれも、民営化、自由競争、貿易自由などを原則としたものが多くあり、民間企業の参入の結果、アメリカにケツの毛までむしらせるものです。
民進党が提出しているものは、かつての社会党ほどではないが、国防を弱めて中国や朝鮮半島を喜ばせるようなものから、かつての自民党が推進していた社会主義的自由主義の経済を求めています。民進党は弱者救済においては、かつての自民党と似ているところがあり、「方針がない」というところにもあると思います。あるとすればそれは「再びの政権交代」自体がイデオロギーになってしまうのでしょうが、それはもう実現しないでしょう。
こうして考えてみると、55年体制の時から各政党のイデオロギー、政策方針というのはさほど変わっていません。
大きな政府か小さな政府か、軍拡か軍縮か。結局はこれだけを延々と論じているだけです。
資本主義にしても社会主義にしても、いずれも民間であるか政府であるかの違いしかなく、どちらも資本主義であり、ストックできる経済システムが動かしているだけにすぎません。
現状のマイナス金利政策をさらに深堀し、通貨を自由化させ、マイナス通貨を作り、国民の声をダイレクトに反映できる政治システムを提唱すべきであります。そもそも戦争をなせねばならなくなる理由というものもここにあるわけであって、プラス利子と増殖する貨幣に問題があるのです。
以下は与党が提出し、継続とはなっているものの、審議入りされていない法案。
190-衆50 幼児教育振興法案【河村建夫議員外4名(自民、公明)】
190-衆58 官民連携事業の推進に関する法律案【佐田玄一郎議員外3名(自民、公明)】
190-衆59 チーム学校運営の推進等に関する法律案【福井照議員外5名(自民、公明)】
192-衆12 自民案・政治分野の男女共同参画推進法案【野田聖子議員外5名(自民、公明、維新)】
192-衆13 自治体任期ズレ解消選挙法案【逢沢一郎 議員外9名(自民、公明、維新)】
以下は野党が提出し、継続審議中となっている法案。
と言っても、どの法案も与党が審議に応じません。
●189国会からの継続(平成27年1月26日~9月27日 通常国会)
189-衆01 政党助成廃止法案【穀田恵二議員(共産)】
189-衆10 放送法改正案【逢坂誠二議員外2名(旧・民主、社民)】
189-衆13 農業者戸別所得補償法案【岸本周平議員外5名(旧・民主)】
189-衆14 農地・水等共同活動促進法案【岸本周平議員外5名(旧・民主)】
189-衆15 中山間地域生産活動促進法案【岸本周平議員外5名(旧・民主)】
189-衆16 環境保全農業のための交付金法案【岸本周平議員外5名(旧・民主)】
189-衆17 政治資金規正法の一部を改正する法律案(共産党案)【穀田恵二議員(共産)】
189-衆19 通商交渉過程公開法案【岸本周平議員外3名(旧・民主)】
189-衆30 原子力災害対策特別措置法の一部を改正する法律案【田嶋要議員外3名(旧・民主)】
189-衆31 歳入庁の設置による内国税並びに労働保険料及び年金保険料等の徴収に関する業務の効率【今井雅人議員外5名(民主、維新、生活)】
189-衆32 国有林野事業に従事する職員の労働関係を円滑に調整するための行政執行法人の労働関係【岸本周平議員外5名(旧・民主)】
189-衆33 国有林野事業に従事する職員の給与等に関する特例法案【岸本周平議員外5名(旧・民主)】
189-衆34 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律【平野博文議員外3名(旧・民主)】
●190国会からの継続(平成28年1月4日~6月1日 通常国会)
190-衆03 野党提出・財政健全化推進法案【前原誠司議員外3名(旧・民維ク)】
190-衆04 民進党提出 領域警備法案【大島敦議員外11名(旧・民維ク)】
190-衆05 周辺事態法改正及び船舶検査法改正案【大島敦議員外11名(旧・民維ク)】
190-衆06 野党提出PKO法改正案【大島敦議員外11名(旧・民維ク)】
190-衆07 安保法制の自衛隊改正法廃止案【高木義明議員外16名(旧・民維ク)、共産、旧・生活、社民】
190-衆08 国際平和共同対処事態法廃止案【高木義明議員外16名(旧・民維ク)、共産、旧・生活、社民】
190-衆11 中小企業正規労働者雇入臨時助成金の支給に関する法律案【中根康浩議員外6名(旧・民維ク)】
190-衆13 国家公務員法等の一部を改正する法律案【大島敦議員外16名(旧・民維ク)】
190-衆14 国家公務員の労働関係に関する法律案【大島敦議員外16名(旧・民維ク)】
190-衆15 公務員庁設置法案【大島敦議員外16名(旧・民維ク)】
190-衆22 保育等従業者の人材確保等に関する特別措置法案【山尾志桜里議員外7名(旧・民維ク)、共産、旧・生活、社民】
190-衆23 政官接触記録の作成等に関する法律案【大島敦議員外7名(旧・民維ク)】
190-衆30 分散型エネルギー利用の促進に関する法律案【奥野総一郎議員外3名(民進)】
190-衆31 熱エネ・廃熱エネ法案【田島一成議員外3名(民進)】
190-衆32 省エネ・再生可能エネ源利用改修法案【中根康浩議員外3名(民進)】
190-衆33 エネルギー協同組合法案【福島伸享議員外3名(民進)】
190-衆37 民法の一部を改正する法律案【井出庸生議員外7名(民進、共産、旧・生活、社民)】
190-衆38 性暴力被害者の支援に関する法律案【阿部知子議員外6名(民進、共産、旧・お維、旧・生活、社民)】
190-衆39 民主提出・被災者生活再建支援法改正案【野田佳彦議員外5名(民進)】
190-衆40 災害弔慰金の支給等に関する法律の一部を改正する法律案【野田佳彦議員外5名(民進)】
190-衆41 東日本大震災復興特別区域法の一部を改正する法律案【野田佳彦議員外5名(民進)】
190-衆42 東日本大震災からの復興の推進のための相続に係る移転促進区域内の土地等の処分の円滑【野田佳彦議員外5名(民進)】
190-衆54 行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案【階猛議員外5名(民進)】
190-衆55 公文書等の管理に関する法律の一部を改正する法律案【階猛議員外5名(民進)】
190-衆57 性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案【西村智奈美議員外6名(民進、共産、旧・生活、社民)】
190-衆60 政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案【中川正春議員外11名(民進、共産、旧・生活、社民)】
190-衆61 公職選挙法の一部を改正する法律案【逢坂誠二議員外7名(民進)】
●192国会からの継続(平成28年9月26日~12月17日 臨時国会)
192-衆04 長時間労働規制法案【井坂信彦議員外14名(民進、共産、自由、社民)】
192-衆05 第一線救急救命処置体制整備法案【青柳陽一郎議員外6名(民進、自由)】
192-衆07 公選法改正案【被選挙権年齢5歳下げ】【奥野総一郎議員外5名(民進、自由、社民)】