自動車の記事を書き出したらもう少し書きたくなりました(笑)
前回はエンジンの話でしたが、今度は変速機の話です。
自動車の変速機は大きく分けて2タイプ。手動で変速するか自動で変速するかです。
前者はマニュアル・トランスミッション(MT)で後者はオートマチック・トランスミッション(AT)と呼ばれますね。
私はどっちが好きとか特にないのですが、車種によってはMTで乗りたいなぁとかATのほうがいいよね、などと思います。
これは現在所有するメルセデスSLK200のシフトノブ。7速のATです。
この車にはMTも用意されているのですが、私はATでドライビングするのがふさわしい車だと思いますね。
でも、かたやこの車。
156はMTしかありえません。147も156にもセレスピードというセミオートマチック・トランスミッションがあったのですが、私にはMTの一択でした。
ブッソーネのV6のクラッチを切り、直接シフティングして再びクラッチを繋ぐという行為は、車との直接対話なのでした。その対話は左足でクラッチを操作し、左手でシフティングするということで得られるわけです。
MTは凋落の一歩でしたが、最近は再び脚光を浴びて少しづつ増えてきているようです。
国産車で云えばトヨタの86がデビューする際に、MTが選べることがニュースになりました。
先にも書きましたが、SLKも初代R170と2代目のR171にはATのみの設定でしたが、3代目のR172からはMTもカタログモデルとして登場しました。
ATの開発の歴史は高効率化への取り組みの歴史であったといっても過言ではありません。
私が成人した頃はATは運転がかったるく、燃費が悪く、エンジンの回転数やレスポンスを思うがままに制御できないという評価でした。もっと云えば運転に不慣れなものがATに乗り、運転に長けたものはMTに乗る。そんな風潮でした。
けれどATは煩雑なシフトチェンジから開放し、初心者やサンデードライバーが不得手なクラッチ操作を無くし(特にそれは坂道発進を安易なものにしてくれた)またクリーピングをうまく使えば渋滞路での寸刻みの走行も安楽なものになるという利点がAT車を爆発的に増加させる事になりました。
そこでATが持つ欠点を解消するために、現在のATは3タイプに別れて進化してきました。
1つ目は以前から作られてきたAT。
当初は2速しかなかったATですが、現在は10速などという多段化されたトランスミッションは当然コンピューターで制御されて、常に最高の効率を得られるギヤを選んでくれます。
そして多段化されたことにより結果的には後述するDCTと同じ機構をもつ事になり、変速時間を短縮でき繫がりも滑らかなトランスミッションに成熟してきました。
2つ目はツインクラッチのDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)です。
ポルシェやアウディ、アルファロメオなどは積極的にDCTを取り入れています。
構造を細かく説明するのはやめますが、誤解を恐れず言えば変速系統が並列に2つ用意されているようなイメージです。ギヤをシフトする際に、次のギヤがスタンバっているというと語弊があるかな(^_^;)
奇数速のギヤボックスと偶数速のギヤボックスが別々に用意されていて交互に使うことでレスポンスの良いシフティングとロスの低減を図っているというわけです。ですからクラッチも2つ用意する必要があるんです。
で、最後はCVT。
CVTは記憶が正しければ原理はオランダの博士だったか技術者が考案したものの、実用化には問題が多く、市販車に標準装備して売り出したのはスバルが世界初だったように記憶しています。
すでに国産車のATの殆どがCVTを採用しています。当初は大トルクのエンジンではCVTのコマが負けてしまい、小排気量のエンジンにしか向かないと言われていたのですが、パーツ素材や構造の改良で今では日産のエルグランド(3.5Lという大排気量で高トルクのエンジンです)にもCVTが用いられています。
トヨタのアルファードは2.5LはCVTで3.5Lは8速ATと使い分けています。きっとこれは両社の考え方の違いなのでしょう。
上の図をよく見てみると、入力側のプーリーは幅が広く、出力側のそれは狭くなっています。
スチールベルトの断面はV字型になっていて、プーリーの内側はテーパーが付けてあります。つまりこのプーリーの幅を狭くすればベルトは外側に掛かり、幅を広くすればシャフト側へと動くわけです。プーリの幅を変えることでベルトは中心に寄ったり外側に広がったりします。
それにより一次側と二次側の回転数を変える(トルクも変わる)事ができるという仕組みです。
上野画像はローギヤードの状態で、エンジンの回転数に比して出力側の回転数が少なく、つまりトルクが太くなる設定です。
・・・・・これって自転車ですよね。上の状態を自転車に置き換えればこういうことでしょう。
入力側(ベダル側)が小さいギヤで、出力側(後輪側)が大きいギヤ。
ただし、自転車のように決められた歯数ではなく、無段階にギヤレシオが変わります。
長々と書いてきましたが結論は何かというと、私はCVTが嫌いということです(笑)
自転車のトランスミッションと近似性があるというのになぜかと思いますが。
勤務する事業所の車はすべてCVT。業務で運転しますがどうも馴染めません。
理屈は理解できているんですよ、エンジンの最も効率的な回転数を維持して走るようにすれば一番燃費がいいですし、トルクも太いので運転もキビキビ感があるはずだって。
でもね、かったるいんです。理論と実際が同じではないんです。
エンジン回転数は高まるのに車速がついてこないことが最大の違和感です。アクセルペダルを踏み込んでもエンジン音が高まるだけで流れる景色は変わらず、若干のタイムラグがあって車速が上がってきます。
確かに「僅かなタイムラグ」なのですが、ハンドルを握るものとしてはどうにも気に入らない。
その点では、現代の普通のATのほうが遥かに洗練されていて、パドルシフトでMT風にも操れます。
CVTにもパドルシフトがついてますが、制御システムが余りお利口ではないのかもしれません。
DCTも登場したときほど、通常のATとのアドバンテージは少なくなってきているようで、多段化したコンベンショナルなATの進化には目を見張ります。もうかつての欠点は克服されて下手なMT使いよりも俊敏で燃費もいいはずです。
それにDCTはその構造上、部品点数の多さと複雑さがトラブルを招くことも聞いています。
一度ジュリエッタのDCTを借りだしたことがあります。アルファロメオはDNAというシフトプログラムがあって、走行環境によってシフティングポイントとエンジン特性を3パターンに選べる様になっています。
ナルホドな、と思いましたがすぐにDレンジに放り込んで積極的なマニュアルシフトを諦めました。だって面白くないんですもの。
例のアウディQ2はSトロニックです。つまりDCTの自動変速機を持っています。
だからこそ1Lを選びたい。1.4Lから比べれば薄いトルクのエンジンを高回転まで引っ張って、いつもトルクバンドを外さないように次のギヤへとチェンジさせる。
走らされている感じのあるCVTではなくて、思うがままにDCTの制御システムについて来させる。
多分小排気量のSトロニックならばそんな運転ができるように思うのですヨ。
あ~それにしても長文。。。。。。
また明日ね(^O^)/~~~
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